川魚のアブラボテは、住宅街に近い用水路などでも見ることのできる、身近な魚です。釣りや、川遊びの際に見かけることも多く、その際に捕獲して、そのまま飼育しているという方も多いようです。
熱帯魚のような鮮やかさはありませんが、深みのある褐色の体もまた別の魅力があります。
アブラボテに興味がある人のために、飼育方法はどのようなものなのか、まとめてみました。これからお迎えしようとしている方は是非、参考にしてみて下さい。
目次
アブラボテとは?
アブラボテは日本の固有種の魚で、主に河川の中流域や支流、用水路などで見ることができます。
体の大きさは8cmくらいですが、中には10cmになる個体もいるようです。体の色は重油色と呼ばれる深みがかった褐色で、気性は荒く、攻撃的な面もあります。
オスのアブラボテは、春の繁殖期になると体の色が濃くなったり、地域によっては色が緑っぽくなったり、紫色になるなどの変化があるのが特徴的で、口の端に白い瘤もあらわれます。
アブラボテはタナゴの仲間で、群れて泳ぐ習性があるので、同種混泳が可能です。大きめな水槽で、群れて泳ぐ姿を見るのも、飼育において楽しみのひとつとなっています。
ちなみに、アブラボテが食べると非常に苦いため、ほとんど食用とされていません。また、アブラボテは寄生虫を保有していることが多いため、生食は控えて下さい。
アブラボテの飼育方法や必要なものは?
アブラボテの飼育に使う水槽は、余裕を持ったサイズのものを使用するのが良いです。群れを作らせるために、複数匹一度に飼育するなら尚更、大きめのものを用意して下さい。
基本的には、同種であれば混泳は問題ありませんが、繁殖期になるとオスは気性が荒くなる傾向があるため、隠れられる水草や、流木などのオブジェを設置すると良いでしょう。
ただ、アブラボテは水草を食べてしまうこともあるので、アヌビアスなどの硬い水草なら食べられてしまうのを防ぐことができます。またアナカリスやマツモなどの水草なら食べられても枯れることもなく、更に繁殖させることもできるのでオススメです。
固有種であるため、日本の気候や温度に適応できるので、あまり水温は、気にしなくても大丈夫です。ただし、20〜28℃を外れると、アブラボテにとって過ごしづらい環境になってしまうので注意して下さい。
水換えは週に1度くらいの頻度で行い、1/3くらいの水を交換して、バクテリアがいなくならないようにします。
また、全ての水を変えると、アブラボテは驚いてストレスを感じてしまいますので、長生きさせるためにも同じ水質を維持して飼育していって下さい。
バクテリアが繁殖している水は、ろ過の作用もありますが、ただ汚れていればいいというわけではありません。
繁殖具合も限度があり、汚れ過ぎていると病気になるリスクも高くなるため、水換えの他にろ過装置などを使用し、水質を維持しましょう。
アブラボテの具体的な餌や平均寿命は?
アブラボテは金魚の餌や、メダカの餌といった人工飼料を食べますので、餌では苦労することはないでしょう。餌の形状は、口のサイズくらいの顆粒タイプがオススメです。
1日2回に分けて、食べきれる量だけ与えて下さい。アブラボテは、非常によく食べるため、たくさん与えると全部食べてしまうことが多く、肥満になりやすいので注意して下さい。
人工飼料以外では、冷凍アカムシや生き餌などをも非常によく食べますが、こういった餌ばかりを与えていると、人工飼料を食べなくなることもあるので、バランス良く与えて下さい。
アブラボテの寿命は5年くらいなので、やや短い印象ですが、飼育環境が良ければもっと長生きする可能性もありますので、最後までしっかりお世話してあげて下さい。
アブラボテの販売価格や販売場所は?
アブラボテは水棲生物を扱う専門店などで購入が可能で、1匹あたり300円程度が相場なようです。安価ではありますが、野生のものを採取してくればタダなので、節約したい方は川へ行ってみてはいかがでしょうか。
アブラボテの個体の選び方は、ヒレなどが欠けていないか、変色している部分はないか、などを注意して選ぶようにすると良いでしょう。
アブラボテを飼育する際の注意点は?
アブラボテはたまに飛び跳ねることがあり、そのまま水槽の外へ飛び出してしまうこともあります。そのため、水槽には蓋を付けて飼育して下さい。
混泳ですが、中にはうまくいくケースもあるので、一概にはいえませんが、できれば同種のみで、多種は控えた方が良いでしょう。
他の種類の魚を同じ水槽に入れてみて、攻撃されていたり、けがをするようなら別の水槽に移してあげましょう。
アブラボテの飼育の様子
まとめ
アブラボテは群れで泳ぐので、できれば飼育するなら複数匹で飼いたいですよね。そのためには、大きめの水槽が必要なので、飼い始めの設備投資にお金がかかりそうです。
川魚は、見た目は地味ですが、水質の変化に強いため飼育しやすいものが多いです。アブラボテもその魚のひとつですが、あまりに汚れた水では病気になったり、死んでしまうこともあるので気をつけて下さいね。