ミミックオクトパスというタコをご存知でしょうか?
ゲームの中で宝箱に扮して、油断したところを攻撃してくる嫌な敵キャラクターとしての「ミミック」をドラクエやダークソウルなどで見た、という人も多いのではないでしょうか。
バーチャルな世界のミミックは、近づくと攻撃してきますが、ミミックオクトパスはただ脅威となる生物が去るのを待つことがほとんどのようです。
そんな、名前も生態も個性的なタコである、ミミックオクトパスは飼育することも可能です。
タコの飼育は飼育しやすいと言われたり、難しいという意見もあるので、なんともハッキリと断定しかねますが、これからご紹介するミミックオクトパスの飼育方法をご覧になって、感じたことを判断材料の一つにしてみてはいかがでしょうか。
目次
生態は?
ミミックオクトパスの「ミミック」とは、「真似る」「擬態」という意味ですので、ゲーム上でのミミックも、擬態しているから命名された名前だったようですね。
もちろんミミックオクトパスも複数の生物に擬態が可能で、海の忍者なんて呼ばれることもあるようです。
擬態を行なっていない状態の体は、全体的に白と褐色の縞模様になっており、そこから「ゼブラオクトパス」という名前が付けられました。
ミミックオクトパスは正式名称ではなく、呼び名と言われる愛称のようなものだったのです。
とはいえ、このミミックオクトパスという名前は、かなり浸透しており、水族館の展示や、販売店ではゼブラオクトパスの名称よりも多く使用されています。
分布している地域はインドネシアが最も多いですが、オーストラリアのグレートバリアリーフやフィリピンの周辺の海でも確認されています。
全長はおよそ60cmほどとかなり大きいですが、そこは軟体動物のタコであるため、大抵は小さく縮こまっていることが多く、あまり水槽めいいっぱいに広がることは少ないでしょう。
タコの寿命は短いものが多いですが、ミミックオクトパスもやはり短命で、1〜2年くらいしか生きられないようです。
飼育方法や必要なものは?
基本的には他のタコの飼育方法と同じと考えて良いでしょう。ミミックオクトパスはマダコ科のタコなので、マダコの飼育方法を参考にしてみるのもオススメです。
水槽のサイズ
まず、飼育水槽についてですが、30cmのキューブ型水槽でも飼育できないことはないようですが、できれば60cm以上の水槽を使用するのが望ましいです。
長生きしてもらうためには、しっかりと水質の維持が必要ですが、小さい水槽では水が汚れやすく、温度も変化しやすいです。
小型水槽は省スペースで済みますし、スタイリッシュでお洒落なものが多いですが、そこは生態の目線で考えて、飼育してみてはいかがでしょうか。
水温・水質の管理
タコは基本的に高温が苦手ですので、水温は20〜23℃の間で一定に保つようにしましょう。
そのためには、水槽用クーラーが必要になります。また、冬になると水槽の設置場所によっては、この適温以下になってしまうこともあるので、ヒーターを使用してあげてください。
また、28℃を超えてしまうと非常に危険なため、温度計を設置すると変化に気付きやすいでしょう。熱帯の海に住んでいるにも関わらず、意外と低温飼育なのが驚きですね。
水質に関しては、水が汚れないようにろ過装置を使用して、清潔な生活環境を維持してください。
特に小さな水槽で飼育している場合は、水が汚れやすいので浄化力が強いタイプを使用したり、複数使用すると水換えの頻度が少し落ち着くはずです。
その他の設置物
ミミックオクトパスは砂に潜る習性があるため、水槽には目の細かい底砂を敷くようにしてください。
砂以外にも隠れられるオブジェなどがあると、よりストレスを感じにくくなるので安心です。
また、タコですのでビックリするほど脱走が上手ですので、しっかりとした蓋を必ず使用してください。
脱走されて床がびしゃびしゃになるだけでなく、最悪死んでしまうこともあるので十分注意しましょう。
具体的な餌や与える頻度は?
ミミックオクトパスの餌は小魚やエビ、貝類やカニをなどの動物性のものを食べます。
できれば生き餌が望ましいですが、死んでいるものでも問題なく食べますし、冷凍物も食べてくれる個体は多いようです。
タコ自体は非常に大食漢なので、これらの餌は多めにストックしておいて切らさないように買い足していくようにしていくと良いでしょう。
給餌の目安は1日1回くらいで、食べ残しなどを見て、餌の量を調節していきましょう。
販売価格や販売場所は?
ミミックオクトパスは非常に希少な生き物なので、店頭でその姿をみるのは稀です。そのため、購入したい場合はかなり苦労しそうです。
インターネット通販でも取り扱いが全くないわけではありませんが、入荷数が少なく、ほとんどが完売となっています。
どうしても欲しい方は、アクアリウムショップに連絡を入れて、入荷したら購入したいと伝えておくと購入できる確率が上がるはずです。
ただ、入荷時期が分からないと言われることも多いため、長期戦になりそうですね。
気になるミミックオクトパスの値段ですが、これだけ入手困難なだけあって1〜2万円と割と高額です。
熱帯魚でレアな個体は高価な場合が多いため、それほど高く感じないかもしれませんが、ミミックオクトパスの寿命は1年ほどなので、それを考えるとちょっと割高な感じがしてしまいますね。
ミミックオクトパスの擬態能力がすごい?
ミミックオクトパスの擬態能力の高さはズバ抜けており、タコの中では最も多くの種類に擬態することができます。
一般的なタコも擬態を行い、危険を回避するという行動は見られますが、大抵は岩や海藻の色に体の色を似せて紛れるくらいです。
ですが、ミミックオクトパスはミノカサゴやウミヘビ、カレイなど魚に似せることもできる非常に優れた擬態能力を持っているだけではありません。
姿を変える際は状況に合わせて何に擬態するか考えることができるため、無脊椎動物の中では最も知性が高いとも言われています。
細長い足を自在に操る姿は、エイリアンのようにも見えますが、海底で本来の姿をあらわしていると、普通のタコなので何とも不思議です。
飼育する際の注意点は?
ミミックオクトパスは混泳はできないので、魚などの生き物を入れないで単独飼育を行なってください。
擬態がするところが見たいという理由で、脅威となる生き物を同じ水槽に入れてしまうと、海とは違い非常に狭いため確実に捕食されてしまいます。
また、逆に脅威にならない生き物をの場合は、ミミックオクトパスが捕食してしまうので混泳が成立することはありません。
単独飼育だと水槽が寂しいと感じるようであれば、オブジェを足すなどして水槽のレイアウトを楽しんで見てはいかがでしょうか。
まとめ
ミミックオクトパスを飼育したいと考えてる方の多くは、目の前で擬態するところを見て見たい、という理由が大半を占めているかと思います。
脅威になる魚を混泳はさせることが難しいため、擬態は見れないと思っている方に朗報です。
実はミミックオクトパスは飼育環境に慣れてくると、次第にいろいろな姿に擬態してくれるので、安心してください。
ただし、慣れるまで期間がかかる場合もあるので、焦らず「そのうち見せてくれるだろう」という気持ちで飼育していくのが良いと思いますよ。
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