インドシナウォータードラゴンは、恐竜というよりは、空想上のドラゴンに似ているため、そのカッコイイ見た目がとても魅力的です。口、目、鼻もしっかりしています。
繁殖も盛んに行われているため比較的入手しやすく、飼育されている方も割と多いようです。また性格は比較的大人しいので、必要なものが揃えば初心者も飼いやすいかと思います。
そんなインドシナウォータードラゴンを、実際に飼育するとしたらどのようなものが必要で、どんなことを行わなければいけないか、をまとめてみました。
飼育に興味のある方は、参考にして購入の判断材料の一つにしてみてください。
目次
生態は?
インドシナウォータードラゴン(英語でChinese water dragon)の生息地はタイや、中国南部、ベトナムなどの熱帯雨林の木の上や水辺などで生活をしているトカゲで、見た目はグリーンイグアナによく似ており混同されることも多いです。
また、ウォータードラゴンというだけあって、驚いたりすると水中へ飛び込み、身の安全を確保するほど泳ぎが上手なトカゲですが、水槽内ではじっと動かないこともあります。
インドシナウォータードラゴンには頭頂部から尾にかけてクレストと呼ばれるタテガミのようなものが生えており、その姿はまさにドラゴンを彷彿させる姿をしているため、名前に「ドラゴン」と付けられたそうです。昼間活動し、夜行性ではありません。
このクレストは、性別に関係なく生えていますが、成体のオスは特に発達しており、とても立派なタテガミとなっています。
その他の体の特徴としては、体の長さの半分はしっぽが占めているくらい尾が長いことや、体色を変化させることもできます。
食性は雑食性ですが、どちらかというと昆虫や小動物を好んで食べるため、動物食寄りの雑食といった方が近いでしょう。
飼育方法や必要なものは?
インドシナウォータードラゴンは、幼体から飼育し人に慣れると懐いてくれてハンドリングも可能になるため、飼育し甲斐のある生き物です。
なつくまでに時間はかかりますが、ケージ内の環境を一定にしては、変化させないように十分気をつけて飼育していきましょう。以下飼い方や必要なものです。
飼育ケージやレイアウト
飼育ケージは、90〜120cmくらいの水槽サイズのものを使用してください。インドシナウォータードラゴンは成長すると体長が90cm近くなる個体もいますので、なるべく大きな水槽の方が無難です。かなり巨大になるので、衣装ケースを用いて飼育する方もいるそうです。また、水場は水浴びだったりトイレにもなったりするので用意してあげましょう。
また底面には何もしかなくても飼育可能のようですが、ヤシガラなどを敷いてあげると、保湿性も高まるのでオススメです。
その他には樹上棲であるため、よじ登れる流木などの木を入れてあげて、立体的な構造にしてあげる必要があります。たまに部屋の中を散歩させてもよいでしょう。その場合見失わないよう気をつけてくださいね。
必要なライトやヒーター類
爬虫類は体温調節が体内で行うことができないため、ケージ内の温度をヒーターで上げるだけでなく、部分的に高温な場所や低温な場所も必要です。
そのため「ホットスポット」という周りよりも高温な箇所を作るために、バスキングランプも使用してください。体温が低いとずっと寝ているような感じで動かなくなるので温度調整はこまめに気をつけましょう。水場の水温を調整する水温調整器もあるとより良いでしょう。冬を超えられるかは室温にかかってます。
また、爬虫類飼育の特徴的な所で「紫外線を浴びさせる」というのがあります。紫外線量が十分でないと、骨が変形するなどの症状を引き起こす「くる病」という病気を発症させてしまうので、必ず紫外線ライトも使用してください。
湿度の設定
インドシナウォータードラゴンは、湿度75%ほどの温室で飼育するのが望ましいため、常に保湿してあげる必要があります。
霧吹きなどでケージ内を湿らせたり、自動でミストを発生させる装置もあるので、長時間留守にする場合は、こういったものを利用するのも良いでしょう。
また、個体自体も水分補給が必要になるので飲み水を設置したい所ですが、実はインドシナウォータードラゴンは直接水を飲むことはあまりしません。
そのため、体に水をかけてあげたり、体が浸かることのできる水入れを設置してあげて、体表面から水分補給できるようにしてあげましょう。
水に浸からせてあげるだけでなく、35℃くらいのぬるま湯で温浴させてあげると、体の洗浄だけでなく、脱皮や排泄(便秘解消)の促進になるので、たまに入れてあげてみてください。
必要なものの数やケージの大きさを考えると飼うまでに大変かもしれませんが、なついてくれた時の感動は格別かと思います。
具体的な餌や与える頻度は?
インドシナウォータードラゴンの餌は基本的に昆虫食です。その他に、柔らかいフルーツ(バナナ等)や、ピンクマウスなども食べますが、主食はコオロギなどの昆虫を食べさせてあげてください。またハニーワームも与えると良いでしょう。野菜や魚はどうか?といった疑問もあるようですがあまりおすすめしません。
給餌の頻度は、成体の場合は3日おきに10〜20匹程度与えれば問題ありませんが、成長途中である幼体でしたら、毎日食べるだけ与えてあげましょう。
脱皮する際は餌の量が減ったり、全く食べないこともありますが無理をさせないようにしましょう。
販売価格や販売場所は?
爬虫類専門店などで購入することが可能です。インターネット上で販売状況を公開しているお店が多いので、先にリサーチしてからショップに足を運ぶと出会える確率が上がるでしょう。また通販で飼うこともできます。
値段は幼体で10000〜15000円くらいと、意外と安価です。これらは流通量の多い繁殖個体なので比較的リーズナブルですが、野生個体ですと高価になるようです。
平均寿命や成長速度は?
平均的な寿命は15年ほどと割と長生きですが、さらに20年くらい生きる個体もいるようです。
長生きなためか、成長スピードは遅く幼体を飼育していてもなかなか大きくならないという声も多いです。
しかし、飼育ケージを広めにしたり、しっかりとコオロギなどの昆虫食を食べさせてあげたりすれば、成長が早まる傾向があるようです。
ミルワームなども餌として食べますが、栄養価はコオロギの方がかなり上ですので、コオロギをメインに与えてあげるのが良いでしょう。
病気としてマウスロットや、骨折などになるばあいがあります。自切をするような固体ではないので、尻尾が切れたりするのも病気の兆候ではあります。あまた乾燥などにより脱皮不全になる場合もあるので、気になる症状がでたら爬虫類を見てくれる病院などにつれていくと良いでしょう。
ケージの温度はどのくらい?
飼育ケージ内の温度設定ですが、まずは全体的な温度は22〜27℃くらいで、ホットスポットは35℃くらいに設定してください。
ケージ内で寒暖差が出るように、ヒーターや保温球の設置場所は工夫してみてください。また、できれば夜間は少し温度を下げてあげるとより良いでしょう。
雌雄の判別は?
それでは雌雄の判別はどのように行われるのでしょうか?なかなかパット見て分かるような感じではありませんが、尻尾の付け根の山の数で見分けられます。
ぽこぽこと山が2つある場合、それはオスで、ぽこっと山一つの場合、それはメスとなります。
オス、メスペアの多頭飼いでは卵を生んで子どもが生まれることがあります。
飼育する際の注意点は?
インドシナウォータードラゴンは驚いたりすると、ガラスだと分からずに激突してしまうことも多く、怪我をしてしまう可能性もあります。また極稀にですが噛まれたという報告もあるので手にとる場合などは気をつけましょう。
驚かせないのが1番ですが、ケージの周囲(全面以外など)に紙を貼り付けるなどしてあげると、このような事故は防げます。
見栄えは悪くなってしまいますが、せっかくお迎えしたインドシナウォータードラゴンのためにも必ず行ってください。
インドシナウォータードラゴン飼育の様子
まとめ
インドシナウォータードラゴンの飼育は、少し手間がかかってしまうので、爬虫類飼育自体が初めてという人には、難しく感じてしまうかも知れません。
ドラゴンのような風貌が非常にカッコイイので、飼育のしたい気持ちは分かりますが、もう少し簡単に飼育できるトカゲをまず飼育してみることをオススメします。
ただし、しっかり手間を惜しむことなく、飼育を続けて環境維持することができるのであれば、どなたでも飼育を楽しんで良いと思います。
飼育に自信がある方は、インドシナウォータードラゴンを飼育してみてはいかがでしょうか。
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