いきなりですが国語のお勉強です。「あの件は玉虫色の決着になったな」、この玉虫色とはどの様な状態の事を指すのでしょうか?
答えは「見ようによってはどの様にでも解釈出来る曖昧な事」です。
この玉虫色と言う単語ですが、昆虫の「タマムシ」からきている事はご存知ですか?このタマムシは非常に鮮やかな色をしているのですが、見る角度により違う色にも見える事から上記の様な表現として使われています。
今回はもうお分かりの様に「タマムシ」に関してご紹介していきます。
目次
タマムシの生態は ?
タマムシと一口に言っても種類がたくさんいて、上記の様に物の例えになっているタマムシは「ヤマトタマムシ」と言う種類のタマムシの事を指します。
種類別のタマムシの紹介は後程記載しますので暫しお待ちを。タマムシは大枠で言うと「甲虫類」と言う羽が固いグループに属し(カブトムシ等もこのグループ)、そこからコウチュウ目タマムシ科と分類されていきます。
特徴の1つとして上記でも記載した様に羽が固いのでヤマトタマムシの様に綺麗な色合いのタマムシの羽は古来より装飾品等に加工されたりしています。法隆寺に「玉虫厨子(たまむしのずし)」と言う国宝があるのですが、その装飾にもタマムシの羽が用いられていました。
ただ現在では長い歳月を経てその部分はほとんどが無くなってしまったようです。
現在の日本でもヤマトタマムシの羽を用いアクセサリー等を製作している所があるみたいですよ。そんなタマムシですが、活動時期としては6~9月の夏の暑い時期、日中に活動しています。
日本での生息域は北海道を除く全国各地に分布していると言われ、エノキのある所にはタマムシが居る、と言われています。
ただ見つける事は困難で、その理由の1つとして挙げられているのが、地上から10~15mを飛んでいる為中々見つけにくいのです。しかし、8月頃になるとタマムシのメスが卵を産みに降りてくるのでそのタイミングであれば捕まえる事も可能かと思われます。
ではこれからタマムシを種類別にご紹介していきましょう。
タマムシの種類① ヤマトタマムシ
特徴
上記でも記載しましたが、非常い綺麗で美しい色をしているのが最大の特徴。
メタリックグリーン系の色をベースに赤紫っぽいラインが2本入っており、最も美しい甲虫、との呼び声も高い。
体長は約3~4㎝で日本のタマムシの中では最大クラス。
生息地
北海道を除く日本全域。
エノキやサクラ、ケヤキといった木の上を飛翔している。
タマムシの採集
タマムシの種類② アオマダラタマムシ
特徴
ヤマトタマムシ同様、メタリックグリーンをベースに白~薄い黄色の様な斑点があるのが特徴。
ヤマトタマムシがギラギラなイメージとすれば、このアオマダラタマムシは幾分渋みのある光沢感と言った感じ。
体長は約1.5㎝~3㎝未満、5~8月頃が活動時期。
生息地
北海道を除く日本全域。
アオハダ、ウメ、ソヨゴ等の枯木によく見られる。
タマムシの種類③ クロタマムシ
特徴
光沢のある銅黒色が特徴ですが、稀に金色や青色を帯びている種もいるそうです。
体長は約1㎝~2.5㎝程で6~9月が活動時期です。
雄の顔にオレンジ色のラインがあるのが特徴。
生息地
上記2種と異なり日本全域に生息。
マツ類、モミ類の枯木で見られる。
タマムシの種類④ ウバタマムシ
特徴
ヤマトタマムシと同等サイズである事から比較対象にされ、地味であると言われる少し可哀そうな種。
かつてはヤマトタマムシのメスであると言われていた時期もあったりしたそうです。
何とも切ない話です。。。
生息地
北海道を除く日本全域。
6~10月が活動時期ですが、一部は越冬する個体もいるそうです。
タマムシの種類⑤ シロオビナカボソタマムシ
特徴
その名の通り羽の下部分に白い帯が2本入っているのが特徴的なタマムシ。
ゴールド~パープルっぽいメタリックな色合い。
体長は0.5㎝~0.9㎝と非常に小型な種類。
生息地
日本全域に生息。
4~7月頃を活動時期としており、キイチゴの葉上でよく見掛けられる。
まとめ
「綺麗」「美しい」と言われるタマムシですが、ヤマトタマムシが群を抜いて綺麗に思います。
他の種も見る角度によって色合いが変化し、綺麗に見えるとは思うのですがヤマトタマムシだけは別格の綺麗さでは無いでしょうか。
確かに最も美しい甲虫、と言われる気が分かる気がします。
ただ、あまり良く無い物の例えとして使われる事もあり複雑な気持ちですが。。。
でもその逆にタマムシは縁起のいい昆虫だとも言われていますよね?タマムシを財布に入れておくとお金が増えるだの、タマムシを箪笥の中に入れておくと着物が増える等の俗信がありますね。
いい意味にでも用いられ、逆に少し悪い物の例えにも使われる不思議な不思議なタマムシ。
言い換えれば、はるか古よりその美しさで人々を色んな意味で魅了してきていたのでしょうね。
以上、タマムシの種類・生態について解説でした!
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