両生類であるイモリは、ペットとしても割とポピュラーで、たくさんの人が飼育しています。
ペットとしてのイモリはが色鮮やかな外来種が大半を占めていますが、古くから日本人の生活に関わってきました。イモリは井戸に発生する有害な生き物を排除してくれることから「井守」なったそうです。
数あるペットとして販売されているイモリの中から、イベリアトゲイモリについてご紹介しますので、飼育の参考にしてみてくださいね。
目次
どんな生き物?
生息地は主に、スペインやポルトガルがあるイベリア半島や、モロッコの方東部で、最大全長が30cmほどまで成長し、この大きさはイモリの中では最大です。
水草が密集している川や湖の水中を好み、昆虫やミミズなどの動物を食べて生活しています。
イベリアトゲイモリの最大の特徴は防御や威嚇として、自らの肋骨を使い皮膚から貫通させて相手に先端を向けることです。これは、元から出し入れできる構造ではなく、皮膚を破いて体外に骨を出すため、使用後は体に穴が開いてしまいます。
そして、強力な免疫システムがあり、すぐに皮膚が再生して元に戻ってしまうのです。
なんだかアニメや漫画のようですね。ちなみに飼育下ですと、ほとんど肋骨を出すことは無いようです。かわいそうなのでおすすめしませんが、体を強めに掴むとトゲのような肋骨の先端が出てきます。
体全体は黒っぽいような、灰色のような暗い色をしていますが、肋骨が飛び出す付近にはイボとオレンジ色の斑点があります。
その他にもペット用で販売されているイベリアトゲイモリにはリューシスティックと呼ばれる白い個体もいます。ほんのりピンク色で、目も赤いためウーパールーパーにも似ています。
飼育方法や必要なものは?
まずは水槽のサイズですが60cmサイズくらいが望ましいです。45cmでも飼育は可能ですが、イベリアトゲイモリは大きくなるので、飼い始める際に水槽を一緒に購入するのであれば大きいものを購入した方が良いでしょう。
イベリアトゲイモリは、食事量や排泄物も多く、さらに良く動き回ります。そのため水が汚れやすいので、水質維持のためにも大きな水槽で飼育してあげた方が良いですね。
環境適応能力は高めなので、多少は水質が悪化しても問題なく生きていますが、限度がありますし、長期にわたって汚染されている環境にいると病気になってしまう可能性が非常に高くなりますので、気を付けて下さい。
水槽の中に関しては、両生類ではありますが、基本的には水中で生活をしている生き物なので、陸を作る必要もありません。魚を飼育するように水槽いっぱいに水を入れてあげて下さい。
また、水槽内には水草などを入れてあげると、イベリアトゲイモリが休んだり隠れたりできるので落ち着くことができます。水槽内のレイアウトとしても見た目が良くなるので、なるべく入れてあげるようにしましょう。
ろ過フィルターは、なくても飼育が可能ですが、水質を維持するのに役に立つのでお世話が楽になり便利です。
水槽の底に敷くものは細かい砂は避けて下さい。イベリアトゲイモリが誤食してしまい腸に詰まらせてしまう危険もあります。底に敷くものは粒の大きなものを選ぶと安心です。
ちなみに底には何も敷かなくても問題ないです。掃除もしやすくなり、楽になる反面、水槽内が殺風景になってしまいますし、水草も安定し辛いです。お好みで決めていただいて大丈夫ですが、個人的には入れる方をオススメします。
水温は15~26℃を目安にして、一定の温度で飼育してください。そのためには水槽用のヒーターや、クーラーが必須となりますので、必ず設置してください。
30℃を超えると死んでしまうこともあるので、夏場は特に注意しましょう。
魚の飼育とは違い、イベリアトゲイモリは両生類なので水槽から脱走することも十分考えられるので、必ず水槽には蓋を設置してください。
脱走してしまうと、死んでしまう確率も上がります。長生きさせてあげるためにも、キチンと蓋を付けてあげましょう。
具体的な餌は?
割となんでも食べてくれるので、保存しやすく水質にも配慮されている人工飼料も食べてくれます。その他には冷凍のアカムシやイトメも食べますが、生きているとより喜んでたべてくれます。
イベリアトゲイモリは餌を与えれば与えただけ食べてしまいますので、その分排泄の量も増え、水質が悪化してしまう原因となります。また、食べ過ぎは胃の中で食化しきれず腐ってしまうと死んでしまうことにもなります。
人工飼料でしたら、記載されている適量を与えてあげて、その他の冷凍アカムシなどは、小分けになっている1個が1回分くらいで良いでしょう。
体の大きさで量が変わってきますので、目安としては頭の大きさの1個分くらいが良いでしょう。少し足りないくらいでちょうどいいので、与えすぎに気を付けて下さい。
イベリアトゲイモリの食事シーン
平均的な寿命や販売価格は?
イベリアトゲイモリは大体2000円ほどで購入できます。因みに色素の薄いリューシスティック個体ですと3000円くらいで販売されているものが多いです。
イモリ自体は長生きなものが多く、イベリアトゲイモリも割と長生きです。平均寿命は5年くらいですが、飼育下だと10年くらい生きている個体が多いです。
価格は安いので購入しやすいですが、その後のお世話の事も考えたうえでお迎えしてあげてくださいね。
飼育する際の注意点は?
飼育していると愛情が湧いてきて、触りたくなってきますよね。イベリアトゲイモリなどの両生類は基本的に体温が低いです。
そのため、人間の掌は高温に感じられ、やけどをしてしまうこともあるので、なるべく触らない方が良いでしょう。
どうしても触りたい時は、氷水に手を浸して温度を下げてから触ってあげて下さいね。
まとめ
水中で飼育するため、お魚のような感覚で飼えますがやっぱり両生類なので脱走してしまうので注意が必要です。
要点さえ押さえれば、飼育は比較的簡単ですし、魚に比べて表情も豊かに感じます。
変わったペットをお探しでしたらイベリアトゲイモリはいかがでしょうか?なんともいえないひょうきんな表情で癒してくれるハズです!
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