クサフグは釣り好きの方には割と有名な魚で、餌の横取りをされてしまったり、クサフグばかり連れてしまうなど、苦い思いをさせられた人も多いでしょう。
ですが、クサフグ自体は割とかわいい姿で、飼育してみるとプカプカ泳ぐ姿に癒されたりもするので、嫌われ者というわけではないようです。
クサフグの飼育は簡単ではありませんが、飼育方法などについてご紹介していきますので、飼育に興味のある方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
目次
クサフグとは?
クサフグは草河豚と表記し、体の色が緑色のようだからという理由のようです。他にも砂に潜ることのあるためスナフグ(砂河豚)や、アカメフグ(赤目河豚)と呼ばれることもあるようです。
主に北海道の道南から沖縄までの広い範囲に生息しており、海外では朝鮮半島の南部や中国の南部などの浅い岩礁や砂地などで見ることができます。
海で生活をしているクサフグですが、時に塩分濃度が ほとんどない河川の下流でも見ることができ、なぜそのような場所にいるのかはハッキリとは解明されていないが、体についた寄生虫を落としていると考えられている。
クサフグはもちろんフグの仲間ですので、泳ぎ方も同じように胸ビレや背ビレ、尾ビレを羽ばたかせるかのように動かし泳いでいます。もちろん素早く泳ぐことができず、水中を漂うように浮かんでいます。
体長は10〜25cmほどで、フグ特有の猛毒テトロドトキシンを含んでいます。毒性が強い部分としては、内臓や皮、更に毒性が強いのが肝臓、腸、卵巣です。
実はこのクサフグは、フグを捌く許可がおりている調理師が処理すれば食べることも可能で、味は淡白で美味しいそうです。
だからと言って多量に食べると、毒が致死量に達してしまうため、食べ過ぎには気を付けて下さい。「当たったら身の終わり(美濃・尾張)になるとも言われ、コモンフグやシナフグなどのフグを合わせてナゴヤフグ(名古屋)なんて呼ばれることもあるようです。
クサフグの飼育方法や必要なものは?
クサフグを飼育する水槽は60cm以上のものが良いでしょう。飼い始めは小さても、すぐに成長してしまうため、最初は少し広めに感じるかも知れません。しかし、すぐに買い足すよりは、初めから大きめのものを用意した方が手間が省けて楽だと思いますよ。
ちなみに大きめの水槽なら水草や流木といったレイアウトも十分に楽しめますし、水の量が多くなるため水質が悪化しにくいというメリットもあります。
水槽の中にはクサフグがすっぽり入れるくらいの厚みの底砂を入れてあげます。クサフグは危機を感じると砂の中に潜る習性があり、シェルターの代わりにもなります。隠れられないことでストレスを感じてしまうこともあるので、底砂は必ず入れてあげましょう。
砂の種類は体を傷つけないように粒が細かいサンゴ砂などがオススメです。砂の粒が大きいものは避けた方が良いでしょう。
クサフグは水温が高いのは苦手なため、温度は25℃くらいに保ち、変化しないように水槽用のクーラーや、ヒーターを使用して下さい。
冬場はヒーターを使用すると、水が蒸発しやすくなり、塩分濃度が高めになりがちです。そういったことを防ぐためにも、こまめに海水比重計でチェックして、適した濃度を保つようにして下さい。
水換えは月に2回ほど行い、水槽の1/3程度変えるくらいで十分です。海が近くにある場合は、海水を汲んできて使用しても良いですが、必ず紫外線ライトで殺菌し、その後ろ過してから使用しましょう。
クサフグを水槽に入れても、初めのうちは砂に隠れて出てこない場合もありますが、慣れると出てくるので、そっとしておきましょう。
クサフグの具体的な餌や平均寿命は?
クサフグは小さなうちから飼育していると人工飼料もよく食べ、とても楽なのですが、ある程度成長した個体は食べない場合もあります。そのようなときは、オキアミやゴカイなどの天然のものを与え、徐々に人工飼料へと移行していけば問題ないです。
餌やりの頻度は3、4日に1回程度で、お腹いっぱい食べさせてあげて大丈夫です。少しづつ与えて、食べる量をよく確認して、食べ残さないようにして下さい。
寿命は約5年で、それ以上生きる個体もいるようです。ペットで5年というのは意外と短く感じますが、飼育環境を整えてあげれば長生きするとのことなので、なるべく長い時間一緒にいられるように、水質や水温に気を使ってあげましょう。
クサフグの販売価格や販売場所は?
クサフグはアクアリウム専門店などで販売されており、価格は500〜2000円と割と安く、購入しやすいです。
クサフグは病気になりやすいため、少しでもそのリスクを回避するには大きな個体を購入した方が変化などに強いです。飼育するなら、小さなものから大きく育てあげたいという気持ちから小さな個体を購入しがちですが、初心者は特に大きな個体の方が良いでしょう。
クサフグを飼育する際の注意点は?
クサフグはウロコを持っていないため、雑菌などに弱く白点病などにかかりやすいです。水の中に適度なバクテリアがいないと、クサフグに有害な菌が増えやすくなるので、水換えやろ過装置などを使って、水質の維持を心がけて下さい。
ライブロックを入れるとバクテリアが増えるので、こういったアイテムを使用するのも効果的でしょう。
クサフグの飼育の様子
まとめ
警戒心が強いクサフグは、飼い始めはあまり姿を見せてくれないかも知れません。しかし、慣れてくると可愛らしく泳ぐ姿を見せてくれるので、それまでは刺激せずに耐えることも必要です。
また、クサフグは食べることは可能ですが、絶対に素人が捌いたりはしないでください。高い確率で食中毒により死んでしまいます。クサフグか味わうのではなく目で楽しみましょう。