身近な川魚のヨシノボリですが、愛好家の間では根強い人気があり愛されている魚です。飼育に慣れてくると、ちょっと難易度をあげて繁殖させてみたい、という気持ちが出てきませんか?
そこで今回は、ヨシノボリを繁殖するために必要な情報をまとめてみたので、ご紹介したいと思います。
目次
ヨシノボリを繁殖させたい!
ヨシノボリといってもいくつかの種類がおり、その中で最も繁殖させやすいのがカワヨシノボリという種類です。カワヨシノボリは、他のヨシノボリに比べて稚魚のサイズが大きいため、丈夫で、死んでしまう確率も下がります。
ですが、他のヨシノボリでも稚魚を育てることが不可能な訳ではありませんので、手間をかけて大切に育てて行きましょう。
ヨシノボリのオスとメスの見分け方は?
ヨシノボリの性別は、成熟した個体ならば判別は可能ですが、種類によってあらわれる特徴には違いがあるため、一概には言えません。
ただし、繁殖可能なオスはメスよりも色が薄くなり目立ちようになる、という特徴は割とどのヨシノボリにもあらわれるので、判断基準の1つとして目安にしてみて下さい。
水槽内でやけに色が薄い個体が出てきたら、それはオスなので、水槽内にメスがいれば自然と交尾しますので、繁殖を希望しない場合は、水槽を移すなどの処置をしましょう。
ヨシノボリの混泳で気をつけることは?
ヨシノボリは縄張り意識が強いため、同種混泳でも注意が必要です。オスとメスのペアでも相性が悪いと攻撃することもありますので、石や水草などを設置して隠れられる場所を確保してあげたり、広めの水槽を使用するなどしてそれぞれの縄張りを確保できるようにしてあげましょう。
特にオスのヨシノボリは繁殖期は非常に気性が荒く、縄張り内に他の魚が入ってきただけで、相手に攻撃を仕掛けます。
ですが、ヨシノボリを単独飼育するというのもあまりないと思いますので、隠れ家やスペースを確保しつつ、万が一のために備えて別の水槽を用意しておくと良いでしょう。
繁殖方法と繁殖に必要な物は?
繁殖可能なオスは自分の縄張りに巣を作るので、そのような行動を取っていたらメスを移し、うまくいけば後尾に移ります。
手順としてはオスのいる水槽をガラスやアクリル板などで仕切り、お互い行き来できない状態にしてから、オスのいない側の水槽にメスを入れます。
しばらくこの状態で様子を見て、特に争うそぶりがないようであれば仕切っていた板を外して、メスがオスの巣に入っていったら産卵をしているということです。その後、巣からメスが出てきたら、メスを水槽から出して、水槽内にはオスだけにします。
孵化するまでに2週間、オスは餌を食べずに卵の世話をしています。その時、水槽を頻繁に覗くなどして、オスを刺激してしまうと、卵を食べてしまうこともあるので注意しましょう。
卵が孵化したら、オスから稚魚を離し、別々に飼育していきます。
ヨシノボリの飼育の様子
繁殖する際に気をつけることは?
ヨシノボリをうまく繁殖させるには、オスとメスのヨシノボリを、まず1匹づつ飼育しておくのが良いです。メスは複数になってしまっても問題ないことが多いですが、オスは1匹で飼育するのが繁殖を成功させるコツです。
オスは自分の縄張りに巣を作るので、複数のオスがいると縄張りが被ってしまったり、縄張り内に入ってしまい、攻撃されストレスを受けたり死んでしまうこともあります。
それ以外には、卵が孵化して稚魚が泳ぎだしても、同じ水槽にオスを入れておくと、稚魚をオスが食べてしまうことがあります。そういったことを防ぐためにも、水槽は別々にする必要があるでしょう。
他の生き物と混泳可能?
ヨシノボリは基本的には混泳に不向きな魚ですが、不可能な訳ではありません。
ヨシノボリより体の小さな魚や、泳ぎの苦手な魚は必ず齧られるなどの被害に遭ってしまいます。なので、混泳はヨシノボリより大きく泳ぎの上手な魚にする必要があります。
10cm以上ある大きな魚とは、混泳できることが多いようですが、絶対ではないので同じ水槽に入れた後はしばらく、よく様子を伺うようにして下さい。
ちなみにエビなどもヨシノボリは捕食しますが、体の大きなものは攻撃しないようです。
まとめ
見た目はおっとりしていそうなヨシノボリですが、じつは気性が激しく攻撃的だったのですね。
そんな荒々しいヨシノボリも卵を何も食べずにしっかり世話をする姿は、まるで育メンのようです。
繁殖には水槽が複数必要になるので、個数を確保するのと、置く場所も確保しなくていけないので、繁殖自体は簡単でも手間がかかる印象です。
ヨシノボリの繁殖を行いたい方は、複数の水槽を一度に飼育するのが可能かよく考えてから、実行して下さいね。