小学校の夏休みの課題として自由研究があり、それぞれ興味を抱いたものに対して自分なりに調べて一つのレポートにまとめるわけですが、中でも「アゲハチョウの幼虫の羽化の様子」などを題材にして提出する人は意外に多いですよね。しかも何故か決まって、男子!
蝶は卵からさなぎになるまでは約1ヵ月、そこから成虫になるまでを入れると1ヵ月半ほどである為、夏休みの自由研究には丁度良い期間なのかもしれませんね。
しかし蝶の寿命は短く、たったの2週間ほどしかない事をご存知でしたか?
今回は、そんなアゲハチョウの飼育方法について解説したいと思います。
目次
アゲハチョウはどんな生き物?
アゲハチョウは、チョウ目・アゲハチョウ科に属する蝶の総称であり、南極大陸を除いたほぼ全世界に分布しています。
日本で良く知られているものには、ナミアゲハ、アオスジアゲハ、クロアゲハ、キイアゲハ、などがあり、一般的にアゲハチョウと呼ばれているもののほとんどがナミアゲハを指す事が多いようです。
また、アゲハチョウ(揚羽蝶)の名前は、飛んでいる様子がフワフワと気ままに舞いながら空にあがるように見える事から由来すると言われています。
特にアゲハチョウは他の蝶よりも羽が大きい為、あっちにフワフワ・・・こっちにフラフラ・・・とあてもなくさまようように飛び回る事が最大の特徴になっています。
そんなアゲハチョウの成虫は3月~10月に多くみられ様々な花の蜜を吸って飛び回りその寿命は2週間ほどととても短く、その間に恋をして産卵をすると言うような事を年に3回~多くて6回ほどを一生のサイクルとして繰り返すと言われています。
また産卵をひかえたアゲハチョウは自分が子供の頃に食べた味を自分の足で記憶しており、フラフラと舞いながら産卵場所を探し自分の足センサーで幼虫の好む味を見つけて一粒ずつ産み付けると言われています。
野生のアゲハチョウは、このようにして200個近くの卵をあちらこちらに産み付けますが、そのうち大人になるのはたったの1頭か2頭くらいだと言われ、ほとんどは蜂やカマキリ、又は鳥に食べられてしまうようです。アゲハチョウの一生を考えると何とも儚さを感じてなりませんが・・・
皆さんにはどのように感じられたでしょうか?
アゲハチョウの餌は?
アゲハチョウの成虫は、春にはツツジ、夏には百日草、秋には彼岸花とその季節の花に集まり蜜を吸って生きています。
その為、蝶を飼育する場合は砂糖を水で薄めた物や、ハチミツを水で薄めた物、又はポカリスエットなどはそのまま与えると喜んで吸うようです。
与え方としては、蝶の羽を持ち針やピンセットなどで蝶の口吻の部分を伸ばして餌に付けてあげる方法や、蝶は前脚で味を感じる事から前脚を餌に付ける方法もあります。
アゲハチョウを飼う際のおすすめのケージは?
採取してきたアゲハチョウを飼う事は難しく、飼育ケースに入れた場合は暴れて羽を痛めてしまうためお薦めできません。
出来れば大型の動物を飼うようなケージなどを用意すれば良い所ですが、経済的にも部屋の広さから考えても、難しいですよね。
また、アゲハチョウの寿命は短いとされている為、ケースの中に入れて暴れた場合は更に寿命も短くなる事も考えられます。
どうしても捕らえた蝶を観察したい場合は、網と同じ生地でできた「羽化器」などが良いようです。
また、捕らえた蝶を観察するよりも幼虫から飼育をはじめ蛹の殻を破って美しい蝶が現れる瞬間を見る事の方がより感動的だと思われます。
アゲハチョウを飼育する際の温度は?
飼育ケースに入れたアゲハチョウは明るい方向へ活発に飛ぶ習性があることから、疲れさせる事になる為、出来るだけ暗い所に置く必要があります。
また、温度は15度~25度くらいが良く、夏場などで25度以上になると死んでしまう事もある為、注意しなければなりません。
他に必要なものは?
飼育する入れ物は高さのある物が良く、幼虫から飼育する場合は餌となる木の葉を大量に食べるため毎日たくさんの木の葉が必要になります。
それ以外に用意する物は以下のようなものになります。
・飼育箱
・キッチンペーパー
・脱脂綿
・ラップ
・輪ゴム
柑橘系の木の葉は萎れやすい為、ケースの中に葉を入れる場合は、ケースの下にキッチンペーパーを敷いて食草の切り取った部分を水に濡らした脱脂綿などで覆い、その上をラップで包み輪ゴムで縛ると長い間萎れる事がない為お薦めできます。
アゲハ蝶の羽化までの様子↓
アゲハチョウを飼育する際に気をつけることは?
アゲハチョウの幼虫の食欲は大変な物で、うっかりするとミカンの木から葉が全部なくなるほどの勢いで食べつくすと言われるほどです。
その為、蛹になるまでは絶えず新しい大量の木の葉が必要になります。
また、捕らえた蝶を飼う場合の餌は甘すぎない物を与える事が大切です。
甘すぎる餌を与えると蝶の消化器官に詰まり腹部が硬くなって死んでしまう事もある為、注意しなければなりません。
甘さ加減は、人間がなめて少しだけ甘さを感じる程度が良いようです。
まとめ
美しい蝶が優雅に飛んでいる姿は観るものを魅了するほどの魔力がありますよね。
モコモコ動く青虫からこんなに奇麗な蝶が現れるなどとは誰が想像できるでしょう・・・。
その魅力につられて蝶を捕まえてしまう事は理解が出来ますが、蝶の寿命は短く羽化してからたったの2週間位しか生きられないとも言われています。
その短い中でアゲハチョウ達は精一杯恋をして子孫を残して行くわけですよね。
出来ればそのまま捕らえる事はせずに自由にしてあげて欲しいと願うのは私だけでしょうか。
以上、アゲハチョウの飼育方法についてわかりやすくの解説でした。
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