アクアリウムを始めたいと思った時、大抵は色鮮やかな水槽にしたいと考える方が多いと思います。そのような場合は海水魚のなどを入れると、とても色どりが良い水槽に仕上げることができますが、手入れなどが大変で水質の維持も難しいです。
ですが、アフリカンシクリッドであれば海水魚のような鮮やかさや、メタリックカラーの個体もいるので、まるで海水水槽の気分を手軽に味わうこともできるのです。
そんなアフリカンシクリッドの飼育方法は簡単といえど、ただ水に入れておけばいいというわけではありません。飼育の仕方をこれから説明していきますので、参考にしてみてください。
目次
生態は?
まずシクリッドという魚についてですが、主に南アメリカとアフリカ、東南アジアの一部などに生息している淡水魚です。
この魚のグループは非常に多く全体で約1300種類いると言われており、その中の魚のほとんどが飼育しやすく丈夫で世界中で観賞用として飼育されています。
このシクリッドというグループの中で、アフリカのマラウィ湖やタンガニーカ湖などに生息している魚がアフリカンシクリッドと呼ばれており、まるで海水魚のような色鮮やかな光沢のある姿が非常に美しいのが特徴です。
海のスズキから進化した魚と言われており、そのためかスズキ同様性格は荒く、縄張り意識がとても強いため、混泳の際は注意しなければなりません。
飼育方法や必要なものは?
種類によって大きさに違いはありますが、大体10cm程度に成長するものが多く、60cm以上の水槽で飼育するのが良いでしょう。
ちなみに60cm水槽では5匹くらい混泳は可能ですが、排泄量が多くすぐに水が汚れてしまいますので、水槽を大きくするか、飼育数を減らすなどして調整すると手間が少なくなるはずです。
また、ろ過装置も使用して水質の維持をすることになりますが、できれば大きめものを選んであげると水換えの頻度も減りますのでオススメです。
水換えの頻度は1〜2週間に一度、1/2もしくは1/3程度の水槽の水と新しい水に交換してあげてください。アフリカンシクリッドは丈夫な種類ではありますが、水質の変化には敏感なところもあるので慎重に行いましょう。
水流のある環境を好みますので、エアーレーション装置も使用して飼育するのが望ましいです。水流があると、何もない場合よりも運動不足になりにくく、肥満や病気の防止にも繋がります。長生きさせてあげるためにも是非使用してあげましょう。
水質は弱アルカリ性を好みますので、底砂やろ過装置の中にサンゴやカキ殻を入れてあげると手軽に、水質を傾けることが可能です。ただし、サンゴ砂を用いた場合は徐々にカルシウムが抜けてしまうため1〜2年を目安に交換してください。
水温は20〜28℃の間の温度が適していますので、この温度を一定に保つように水槽用のヒーターやクーラーを使用してください。急な温度変化は良くないので、水換えの際や、季節の変わり目は特に注意しましょう。
具体的な餌や与える頻度は?
アフリカンシクリッドの中でも特にマラウィ湖に生息している種類の魚は大食漢で、1日に何回あげても食べてしまいます。ですが、肥満防止や水質を維持するためにも給餌は1日1〜2回くらいで留めておきましょう。
餌は基本的になんでも食べ、人工飼料も問題なく食べてくれます。通常のフレークタイプの餌は水を汚しやすいので、できればシクリッド専用の顆粒タイプの餌の方が水を汚しにくく安心です。
その他にも時々、冷凍アカムシや、メダカなどを与えてあげると、より理想的な食事バランスとなります。これらの餌は食べ残しがあると、すぐに水質が悪化してしまいますので、食べきれるだけの量を与えてあげましょう。
販売価格や販売場所は?
熱帯魚などを扱うペットショップでは、アフリカンシクリッドを取り扱っている場合もありますが、種類は少ないと思われます。
一度にたくさんの種類の魚を見たり比べたい場合は、アクアリウム専門店や、中にはシクリッド専門店などもありますので、そのようなお店を覗いてみてはいかがでしょうか。
価格は小さな個体であればかなり安く入手することが可能で、800円くらいで販売されているものが多いようです。成熟した個体ですと高価なものが多く数万円ほどの値段が一般的ですので、初めての飼育でしたら安価な幼魚からじっくりと育てていきましょう。
飼育する際の注意点は?
新しく水槽を立ち上げてアフリカンシクリッドを飼育する場合は、いきなり魚を投入することはせずに、水槽の水を循環させてサンゴやカキ殻からカルシウムなどの成分が溶け出し、弱アルカリ性になるのを待つことが大切です。
もちろん、投入時はしっかりと水合わせを行い、魚がビックリしないようにゆっくりと慣らしてあげて水槽へ入れてください。ここで失敗してしまうと、せっかく購入してきたばかりなのにすぐに死んでしまったなんてことになりかねませんので、十分注意しましょう。
まとめ
アフリカンシクリッドは同じ種類の魚をまとまった数水槽内へ入れてあげると、群泳する種類もおり非常に鑑賞性も高くなります。一方、糞の量が増えて水が汚れてやすくなったり、給餌の際に餌にありつけない魚が出てしまうこともありますので注意が必要です。
飼育自体は難しくありませんが、このように少し手間がかかるため小まめに水槽のメンテナンスを行なったり、ろ過装置を強力なものを使用するなどして、アフリカンシクリッドが過ごしやすい環境を整えて飼育しましょう。
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