今回は「擬態のスペシャリスト」と呼ばれているナナフシに関して、その生態や種類等についてお伝えしていきたいと思います。
まずはナナフシの生態等に関する情報からご紹介しましょう。
ナナフシとは漢字で書くと「七節」と書くのですが、これは体節が7つあるから、と言う訳では無く「七」と言うのは数多く、沢山、と言う意味合いだそうです。
一部の種類のナナフシにはオスが存在しない若しくは数が少なくメスのみで単為生殖を行いで子孫を残しています。
単為生殖と言うのは簡単に説明するとメスのみで子を作る事です。
日本に存在しているナナフシですが種類に関しては下記項目でお伝えしますが、分布域は本州~四国~九州と幅広く分布しています。
都市近郊にも生息しているのですが、見た事が無いと言う方は、ナナフシの完璧な擬態により気が付かないだけかも知れませんね。
まあ確かにじっくりと観察せず、パッと見ただけでは分からないですよね。
食性は草食性で様々な葉っぱを食べて生活をしています。
翅も退化して完全に飛ぶ事が出来ない種類と少し翅が残って若干飛ぶ種類に分かれますが日本に生息している種類は翅が無い種類の方が多いです。そしてナナフシの特徴の1つとも言える点が、外敵に襲われた際に自らの脚を切り離す「自切」と言う防衛手段を持っている事です。
この自切行為で失われた脚は若齢幼虫期であれば脱皮と共に再生する事が可能なのですが、成虫及び終齢幼虫期に自切を行うと再生されないと言われています。
基本的に自らを守る術がこの自切しか無いので進化の過程で擬態により身を躱す術が長けていったのでしょうね。
では下記よりナナフシの種類に関してご紹介していきます。
目次
どのくらいの種類がいるの?
ナナフシの種類に関してですが、何種類存在しているか分かりますか?
世界中で見ると約2,500種程存在し、日本国内では約18種と言われています。
ただこれに関しては補足があり、ナナフシの分類は全てが把握されている訳では無く見直しを要す物もあるので近い将来に数が変わっている可能性もあります。
それはそうとして、よく2,500種も見つける事が出来たな、とそっちに感心してしまいます。
擬態に特化した昆虫なので探すのがとても大変だろうなと思ってしまいます。
そんなナナフシではありますが、勿論全てはご紹介出来ませんが一部を種類毎にご紹介していきましょう。
具体的な種類紹介
ナナフシモドキ
特徴:「ナナフシ」と言われると、この種の事を指します。
本家みたいな感じですが何故か「モドキ」と付く不可思議さですね。
メスだけで単為生殖を行う事からオスを見つける事は稀です。
寿命:成虫になってからカウントすると約3ヶ月前後と言われています。
販売価格:500円前後が平均的な販売価格になります。
エダナナフシ
特徴:ナナフシモドキと並び比較的よく見掛ける事が出来る種類のナナフシです。
見掛けると言っても探しに行ってよく見ると言うニュアンスですが。
ナナフシモドキとよく似ていますが触角の長さで違いを見極めます。
本種の方が触角が長いのが特徴です。
寿命:ナナフシモドキ同様、約3ヶ月くらい寿命になります。
販売価格:こちらも500円前後が平均的な販売価格になりますが、流通数は少ないので自力採取が一番早いかも知れません。
トゲナナフシ
特徴:名前が表す様に体に小さなトゲトゲがついており、パッと見、木の枝にしか見えない様な姿をしています。
体色が茶褐色系の色をしているので注視しないと見つけられないでしょう。
こちらもナナフシモドキ同様、メスのみでの単為生殖を行い、オスはほぼいません。
寿命:約3ヶ月程度が寿命になります。
販売価格:販売しているショップはあまり見掛けませんがオークションサイト等では1,000円前後で販売されている事があります。
トビナナフシ
特徴:ニホントビナナフシとも呼ばれている種です。
短い翅を持っている点が特徴的です。
体色は綺麗な緑色で葉っぱの上にいると見分けが付かないくらいです。
寿命:概ね約3ヶ月程度が寿命になります。
販売価格:1,000円前後で販売されていますが、流通数は少ないと思われます。
アマミナナフシ
特徴:オキナワナナフシとも言われている種類で日本最大クラスのサイズを誇ります。
オスで約100㎜前後、メスで約130~14㎜程度と結構な大きさです。
褐色系の体色をしている物が多いが、中には緑色の個体も存在します。
寿命:約3ヶ月前後が寿命となります。
販売価格:500~1,000円くらいで販売されていますが、爬虫類用の餌として販売されている事もあります。
ナナフシの種類を僅かですがご紹介致しましたが、ナナフシモドキ以外はあまり販売しているのを見掛けません。
恐らく自然採取した物をショップで販売しているのか時期に寄って偏りがある可能性はあります。
寿命に関しては種類により特に差は見られませんでした。
勿論、自然界にいる物と飼育環境下にいる物では違いは生じますのでおおよその目安として捉えて下さい。
まとめ
ナナフシの種類等に関してまとめてみましたが、ここでご紹介したのは、ほんの一部に過ぎません。
後1つだけご紹介しようと思う種類がいますので最後少しだけお付き合い下さい。
先程日本最大クラスのアマミナナフシをご紹介しましたが、日本を紹介したら世界も紹介しないとダメですよね。
世界最大サイズのナナフシは「フリーガニストリア・チャイネンシス・ツァオ」と言う名前のナナフシになります。
2014年に中国で発見されたそうなのですが、そのサイズがなんと62.4㎝!「昆虫」と言う括りで見ても最大だそうです。
何かこういうのを見たり聞いたりすると、なんだかワクワクしてきますね。
以上、ナナフシの種類やそれぞれの特徴について解説でした!