蝶の種類で「ナミアゲハ」って名前を聞いた事がありますか?
「ナミアゲハ」は余り聞いた事が無くても「アゲハ蝶」と言えば大半の方は聞いたり見たりした事がある方は多いと思います。
日本で「アゲハ蝶」と呼ばれている蝶は一般的にこの「ナミアゲハ」の事を指します。
我々が生活している範囲で比較的見掛ける蝶でもあり、非常に馴染み深い蝶であると言えると思います。
このナミアゲハと少し似た蝶で「キアゲハ」と言う蝶も比較的よく見掛ける事があります。
余談にはなりますが、成虫のナミアゲハとキアゲハは姿形が似ていますが、幼虫期(終齢幼虫)は明確に違いが分かります。
アゲハ蝶の幼虫は緑色をしていますが、キアゲハの幼虫は薄緑色をベースに黒い横縞模様でオレンジ色の斑点があるのが特徴です。
若干話が逸れましたが、今回はナミアゲハの幼虫に関しての飼育方法等をまとめていきたいと思います。
目次
生態は?
ではその前にナミアゲハの生態についてご紹介していきましょう。
ナミアゲハとはチョウ目アゲハチョウ科アゲハチョウ属に分類される蝶の一種で日本全国幅広く分布している蝶で海外でも中国・台湾・朝鮮半島等にも分布しています。
成虫は4~6㎝程のサイズになり、3~11月頃に見る事が出来ます。
アゲハ蝶は年3~4回産卵する事が知られており、メスのアゲハ蝶は卵から孵化した幼虫が食べる事になる植物に産卵します。
卵から孵化した後の幼虫期は5段階あり、順を追って説明すると下記の様になります。
①1齢幼虫
卵から孵化した段階の幼虫。
産まれてきた卵を食べます。
サイズは米粒よりも小さい程のサイズです。
②2齢幼虫
この時期になると体色が黒っぽい色に白い斑模様が入っています。
これは鳥の糞に見える様に擬態していると言われています。
③3齢幼虫
この時期になると少しサイズも大きくなり目視で確認しやすくなってきます。
④4齢幼虫
この頃になると体色の黒っぽい部分が少し茶系に変化し、白色の部分が目立ってきます。
個人的にはこの時期がより鳥の糞っぽい感じだと思います。
⑤5齢幼虫
この五齢幼虫になると緑色をした幼虫になります。
それまでとは見た目が全く変わってきて、ナミアゲハの幼虫として皆さんがイメージする状態がこの状態では無いでしょうか?
そしてここから蛹へと変化し、蝶になっていくわけです。
ざっくりとですが、ナミアゲハの幼虫期はこの様な感じで成長していきます。
初期の1~4齢幼虫の色からどうやって5齢幼虫の緑色になるのか不思議なものですね。
まあ、もっと言えばその緑色の幼虫が綺麗な蝶になる訳ですから神秘と言う以外に言葉が見つからないですよね。
飼育方法や必要なものは?
では、そんなナミアゲハの幼虫を飼育するにあたって何が必要なのでしょうか。
幼虫を飼育する為に揃えなくてはいけない物を下記に記載していきます。
揃える物は少ないので簡単に用意出来ますよ。
①飼育用のケース
昆虫採集する時に使う虫かごの様な物で大丈夫です。
もしくはタッパーでも代用出来ます。
②幼虫が食べる餌
餌に関しては下記の項目で詳細をお伝えします。
基本的には以上が必要な物になります。
他に、幼虫が食べる葉の根元を包むティッシュ等もあってもいいかと思います。
具体的な餌や与える頻度は?
ではナミアゲハの幼虫は何を食べて成長するのでしょうか。
まずここで注意して頂きたい点は蝶の種類により食べる物が変わってきます。
冒頭で「キアゲハ」について少し触れましたが、「ナミアゲハ」と「キアゲハ」では幼虫期の餌となる葉は異なる物を食べています。
キアゲハの幼虫はセリ科の植物を食べ、ナミアゲハの幼虫はミカン科の植物を食べます。
今回はナミアゲハの幼虫に関してお伝えしていますので、餌としては柑橘系の葉を食べますのでミカンやキンカン等の葉を与えましょう。
餌となる葉を結構食べますので毎日取り替えてあげましょう。この際に結構糞もしますので掃除もお忘れなく。
脱皮をするってほんと?
ナミアゲハの幼虫は脱皮をする事により大きく成長していきます。
上記で幼虫期を1~5齢幼虫に分けてご説明しましたが、次のステージに成長する為に脱皮を繰り返しています。
簡単に説明すると、1~2へと2~3へと成長する毎に脱皮をして大きくなり成長していきます。
そして最後は蛹となり蝶へと変わっていきます。
寄生されてしまった場合はどうしたらよい?
ナミアゲハの幼虫を飼育する際に気を付けなくてはいけない点がありますが、それは寄生虫です。
しかしながら、幼虫が寄生虫に寄生されているのか否かを見極めるのは難しいです。
この寄生する虫なのですが、属に言う「寄生バエ」と「寄生バチ」と呼ばれる種類の昆虫に寄生される事により蝶になる前に死に至らしめられます。
正直、こうなると対処法は無く自然の掟と捉えるしかありません。
予防法としては寄生される確率を減らすくらいになってしまいます。
その為に、室外で飼育するとその様な外敵にさらされる機会が多くなってしまいますので室内飼育だと幾分確率は少なくなります。
越冬するにはどうしたらよい?
まずナミアゲハの蛹には蛹になる時期(秋口)によって越冬するタイプの蛹が出てきます。
これは成長している間の昼の長さによって越冬タイプかそのまま羽化するのかが変わってくるからです。
秋口に蛹になったものの、中々羽化しない様であれば越冬蛹だと思われます。
この場合、越冬させる為には極力自然環境に近い方が望ましいので雨風を凌げ、温度変化があまりない所に置いてあげるとよいでしょう。
まとめ
ナミアゲハの幼虫に関してまとめてみましたが、幼虫期から綺麗な蝶に変化するのは不思議ですよね。
幼虫期の鳥の糞に擬態している状態からのギャップが激しいですよね。
まあ、そのギャップの部分は置いといてナミアゲハの幼虫の飼育に関してはお子さんと一緒に取り組める事だと思うので夏休みの自由研究で一緒に育てられる方も多いかと思います。
今はもう冬を迎えている時期なので、お子さんがいらっしゃれば来年の夏にでも自由研究のテーマとして取り上げて飼育してみては如何でしょうか?
以上、ナミアゲハの幼虫の餌や飼育方法について解説でした!
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