1976年に公開された「グリズリー」と言うアメリカ映画を覚えていますか?公園に巨大なハイイログマが出現して人間を襲うシーンは、まさに恐怖そのものであり、クマに対する怖さを改めて実感しました。
巨大グマと言えば北海道に存在するエゾヒグマは、川を遡るサケを捕るイメージが強く、似ていると言われても凶暴なグリズリーとはどこか重ならない感じがします。
ヒグマとグリズリー、いったいどこが違うのでしょうね?
今回は、グリズリーの大きさ!体重・寿命・動物園・ヒグマとの違いなどを解説したいと思います。
目次
グリズリーの生息地
グリズリーは、北アメリカ北西部、アラスカ、カナダ西部、アメリカ合衆国北西部に生息するクマ科・ヒグマの亜種に分類される大型動物であり、別名ハイイログマとも呼ばれています。
かつては北アメリカ大陸北西部に幅広く分布していましたが西部開拓とともに生息数が減少し、現在はアラスカ州、アメリカ合衆国北西部、カナダ西部に生息が確認されてました。
亜種全体としてアメリカ合衆国では、絶滅危惧特別個体群、カナダでは絶滅危機特別個体群に指定されており、連邦法と州法の二重に保護されています。
グリズリーの大きさ・体重
クマの中で最大級とも言われるグリズリーは、日本のヒグマとほぼ変わりはなく、平均的な体長はオスで2,5m~3m、体重260kg前後、メスで1,8m~2,5m、体重が170kg前後であり、最大では体重800kgあるオスのグリズリーが確認されています。
食性が雑食性である為、草食獣の肉やサケ、マスなどの魚類の他に植物の実や昆虫、など何でも食べますが基本的には肉食傾向になります。
その為、体の大きさは食性の違いから同じ種類でも個体に差が生じてしまいます。
ヒグマとの違い
アメリカに生息するグリズリーと北海道にいるヒグマは近縁種の関係にあり、北米では内陸部に生息する個体をグリズリー、沿岸部に生息する個体をヒグマと呼び分けていますが、実際のところはヒグマと区別する明確な基準は無いとされています。
しかし、平均的な大きさは日本のヒグマとたいして変わりないですが、グリズリーは肩の筋肉が発達している為、瘤のように盛り上がっている事が特徴的です。
・ヒグマ
ヒグマは食肉目(ネコ目)、イヌ亜目、クマ上科、クマ科、クマ属、ヒグマ種に分類されホッキョクグマと並んで最大種になります。
ヨーロッパからアジアにかけてのユーラシア大陸と北アメリカ大陸に幅広く生息しており、日本ではエゾヒグマとして北海道が生息地になります。
・グリズリー
グリズリーは、食肉目(ネコ目)、イヌ亜目、クマ上科、クマ科、クマ属、ヒグマ亜種に分類されるハイイログマと呼ばれるものですが、体色は淡褐色から赤褐色、又はほとんど黒色のものまで様々です。
大きい物では2.5mを超えるものもおり、主に北アメリカやカナダに生息する巨大クマです。
近年では、環境の開拓や人間との軋轢によって数が激減しており、アメリカで絶滅危惧特別個体群、カナダでは絶滅危機特別個体群に指定され保護対象になっていますが、人なれしたグリズリーが人里に入り人間に脅威を与えている事から、自然保護の難しさも問題になっているようす。
グリズリーの寿命
グリズリーの平均寿命は約25年と言われていますが、野性下では天敵や病気などで死亡するケースもあり、詳細は分かっていません。
しかし、動物園などで飼育されている場合は最長50年生きたグリズリーもいる事から、野性下よりも飼育下の寿命が長い事が分かります。
因みに、日本のヒグマの寿命は20年~30年とされています。
クマは、凶暴と言うイメージから、人間に遭遇するとすぐ殺されてしまい、また病気になっても自然死を待つしかなく、野性下でのクマは本来の寿命を全うできずに死んでしまう場合が多いようです。
グリズリーの天敵はいる?
グリズリーは体が大きい上に動きも速く、しかも木登り上手・泳ぎ上手である為、食物連鎖の頂点にいるとも言える事から天敵はいないと言えます。
それでも、環境の開拓や家畜を襲う害獣として人間に殺されることなどから近年では数が激減しており、保護の対象になっているようです。
また、グリズリーの出産は1~2頭であり、子供はトラなどに襲われるなどを考えると、天敵はトラや人間と言えそうですよね。
日本の動物園で見れる?
日本では様々なクマを動物園で見る事ができます。
勿論、パンダもクマの仲間であり上野動物園では一番人気が高いようです。
大きなクマを見たい場合は各地のクマ牧場で見る事ができ、秋田県の八幡平クマ動物園では世界最大と言われるコディアックグマを見る事ができます。
また、グリズリーを飼育している動物園はほとんどないですが、唯一阿蘇のカドリー・ドミニオンで見られ為、興味のある方は是非足を運んでみてはいかがでしょう。
こんなグリズリーが世界にはいます♪
まとめ
巨大なクマと言えば、日本では北海道に生息するヒグマが知られており、木の根や木の実だけでなく動物の肉やサケなどの魚も食べる事から、雑食でありながら肉食獣とも言える為、遭遇したら恐いですよね。
また、カナダや北アメリカではグリズリーと呼ばれる巨大グマがおり、ヒグマの一亜種として近縁関係にあるとされています。
ヒグマと同じ食性を持ち、その大きな体を維持するために様々な物を食べて生きていますが、近年では家畜を襲う害獣として殺される事もあり、また環境の開拓などの影響から数が激減しており保護対象になっているようです。
しかし、人なれしたグリズリーがゴミを漁る事や民家の近くに来るなど人に脅威を与えている事から保護団体は自然保護の難しさに頭を悩めていると言う事ですが、もともとグリズリーは人間を恐れ近づかなかった生き物です。
それをこのような形に追い込んだのは全て人間の仕業であり、開拓を行った事でクマの餌場となっていた環境が消えてしまった事の結果だと言えます。
もっと、自然を大切にしてほしいと願わざるを得ません。
以上、グリズリーの大きさ!体重・寿命・動物園・ヒグマとの違いについての解説でした。
よかったらこちらの記事もどうぞ♪
→危険!?飼うのに覚悟のいる世界のペット10選