昆虫の中でも一番好きなトンボですが、華奢な身体で大空を飛び回る姿には魅了されるばかりです。
また、トンボの中でも皆様はイトトンボをご覧になった事はありますか?
一般のトンボよりも更に華奢で、薄い羽を精一杯動かして飛ぶ姿には神秘的なものさえ感じてしまいます。
しかし、成虫をカブトムシやクワガタのように飼育することは難しい為、もし飼育する事を考えている場合は幼虫であるヤゴから始める事が良いようです。
今回は、そんなイトトンボのヤゴの飼い方や餌についてくわしく解説したいと思います。
目次
イトトンボの生態
イトトンボとは、トンボ目・イトトンボ亜目に分類されるトンボの一種であり、名前の通り糸のように見える事から、身体が細長く華奢な事が特徴的です。
また、種類も多く日本には27種が確認されています。
その中でも、日本で多く見かけるイトトンボの代表的な種類としては、美しい黄色のキイイトトンボや赤色をしたベニイトトンボ、オスの水色と黒のツートンカラーが美しいとされるセスジイトトンボやオオイトトンボ、クロイトトンボとほぼ全身が青色をしたルリイトトンボなどがありあります。
種類別に色彩や細かな形は違いますが、その他は同じ作りになっています。
イトトンボのヤゴの飼育方法
イトトンボの幼虫はヤゴであり、池や沼、湿地などに生息し細長く尾端に3個の尾鰓(ビサイ)を持ち、水中で鰓呼吸を行っています。
そんなヤゴの飼い方としては以下のようになります。
① 必要な環境は?
出来るだけ自然な環境が良い為、水槽やバケツなどに1日汲み置きした水を用意して、その中に生息していた場所の泥や砂利、又は水草を入れて一緒にヤゴも入れます。
直射日光を避けて涼しい場所に置き、棒か割り箸をしっかり立てて羽化した時に上陸できる環境を用意してあげましょう。
更には、エアーポンプなどがあると水槽内に酸素も行きわたるため備える事も必要かもしれませんね。
② 飼育方法は?
水温は25度以上になるとヤゴが弱ってしまうため、だいたい20度前後位に保てるように温度計などで管理しておきます。
また、狭い水槽の中で複数飼いを行うと共食いなども起きやすい事から出来るだけ過密状態を作らない工夫が大切です。
③ 餌はどんなもの?
飼育する際に一番難しいとされるのが餌になりますが、基本的にヤゴは小さくて生きた餌しか食べない為、水中に棲んでいるミジンコや糸ミミズ、又はボウフラ、赤虫などをその都度与える事になります。
しかし、毎回生きた餌を捕まえる事にも限界がある為、近くの釣具店やペットショップで購入することも良いかもしれません。
その際は冷凍の赤虫をピンセットでつまみヤゴの近くで動かしてあげると良く食べるようです。
ヤゴの餌やり
イトトンボのヤゴはどこで手に入る?
春ごろに溜池や河川、又は町の水路などに棲んでいる事が多く、また水田や学校のプールなどのように水のある環境なら大体見つける事は可能であり、網などで水草の下や泥ごと一気に掬うと簡単に採取できます。
イトトンボのヤゴを飼育する際の注意点は?
ヤゴを飼育する際は、生きた餌を与える事以外特に難しい事はありませんが、水槽内の水は時々替えてあげるようにしましょう。
また、酸素不足になると水草もヤゴも死んでしまうためエアレーションを行う事は大切です。
羽化が始まった場合、羽化失敗の原因にもなることから羽化の途中や羽化後間もない個体には絶対触れない事が大切になります。
出来ればヤゴからイトトンボに変わる成長過程を子供さんと静かに観察することで命の大切さを学んでほしいものですね。
羽化した後は、外に放し自由にしてあげましょう。
まとめ
イトトンボは一般のトンボに比べて細く華奢なうえ、行動範囲も狭く水辺の周りからあまり離れる事は無いと言われています。
その為、池や水田付近では見かける事は多く、水のある環境では小学校のプールでもみられる事が多く、そのままヤゴを採取して飼育をする小学生は多いようです。
ヤゴを飼育する場合、成虫もヤゴもどちらも肉食であり、生きたままの餌を食べるため、ミジンコや糸ミミズ、又は赤虫などを採ってきて与えるようにします。
また、餌不足になると稀に共食いも見られるので、出来れば過密状態を避けるためにも複数飼いはしないようにしましょう。
羽化が始まったらヤゴからイトトンボに変わる様子を子供さんと静かに見守り、羽化した後は、外へ放してあげましょう。
一般的なイトトンボの寿命は約1ヵ月程度で長くても2か月までとされており、その短い命についても子供さんと話しあう事は大切だと言えます。
以上、イトトンボのヤゴの飼い方や餌についての解説でした。