夏、休みを利用して自然の中で過ごす方もおられると思います。普段目にしない生き物との遭遇も少なくないでしょう。
ふと、この生き物はペットとして飼うことができるだろうか……そう思うことはありませんか?
夏の思い出とともに珍しい生き物との共同生活。
しかし、よくわからずに拾ってきてしまったり、購入してしまうのはとても危険です。
ここではそれらを事前に回避していただきたく、ベンケイガニとの共同生活に必要なこと、飼育上の注意などをお教えしたいと思います。
目次
ベンケイガニの生態?
ベンケイガニはオレンジ色の身体をしていていますが赤い色にも見えることがあります。
足の先が白っぽくなっていることも特徴のひとつです。
名前の由来は甲のゴツゴツ感が武蔵坊弁慶の厳つい顔つきのようなことから付けられたという由来があります。日本では房総半島でみられ生息しているようです。
河原や土手、森林など草木がある場所で生息しています。暗い場所を好み、日中明るい時に顔を出すことはあまりありません。
夏は繁殖期となり、1か月の間に5回、脱皮をします。その後、暗い場所での生活に移行します。
飼育するのに必要なものは?
しっかりと密封性の強い飼育用の入れ物が必要になります。水槽を活用することができますが、脱走防止をしっかりとしなくてはなりません。
湿気や暗いところを好むカニなので、ベンケイガニが浸るくらいの水位までの水、また身体を隠すことができそうな場所を作ることで、ベンケイガニがより安心してくれることでしょう。
魚用の砂と水草で代用できます。
ベンケイガニの飼育の様子
飼育方法は?
ベンケイガニは警戒心が強いカニのようですので、自然により近い環境で飼育してあげることが大切です。
繰り返しになりますが、暗い場所を好むベンケイガニですので、用意した飼育箱、もしくは水槽にそのような場所をつくりましょう。魚用の砂や砂利で応用できます。
湿度を好みや草の間に隠れる習性もあるので、水草などをいれてあげるのもよいでしょう。
水は身体が浸るくらい、海水ではなく淡水で大丈夫です。
ベンケイガニが脱皮をする場所を設置できる広さのある容器なら、それように水深のある容器を入れることで脱皮を失敗して亡くなるという事態を回避できます。
カニ類は脱皮を繰り返して成長する生き物なので、その場所も置ける容器を最初に選んだ方がよいでしょう。
餌は?
ベンケイガニは雑食です。
自然のベンケイガニは死骸から植物、小動物など食べられるものは食べてしまいます。
しかし家庭で飼育するのに小動物はかなり抵抗がありますよね。
必ずあげなくてはいけないわけではないので、海藻や野菜を細かく切ったものを与えるとよいでしょう。
ペットショップに行くと、魚用の餌とともに亀やザリガニの餌も売っています。ザリガニの餌を代用することもできます。
こちらの方が総合的な栄養などを考えて作られている餌なので、便利かもしれません。
平均寿命は?
甲幅によって寿命に差がでてしまうようですが、大事に育てれば10年以上生きたという話もあります。
少なくとも3年は生きるようなので、大切に飼育して長生きをさせてあげてください。
飼育する際の注意点は?
身体はあまり厚みがなく、隙間から脱走しやすい体質のようです。
密封性の強い飼育箱などが必須となります。
また寒いところで生息はしていないので、飼育する場所の温度に気を付けましょう。
ある程度の寒さに耐えられるようですが、0度を下回ったら水槽にいれるヒーターなどで温度をあげましょう。
数匹をひとつの容器にいれると喧嘩をするようです。
分けて飼育をするか、隠れやすいモノを置くなどして喧嘩を避ける工夫が必要となります。
まとめ
ベンケイガニを飼育するには、自然で生きるベンケイガニの習性を可能な限り再現してあげることが必要になります。
脱走が得意なベンケイガニ、折角飼育したというのに逃げられたら寂しいですよね。脱走し難い容器を選ぶなど、工夫をしましょう。
寿命は3年以上、10年以上生きる場合もありますので、大事に育てましょう。
湿度と暗闇を好み寒さにもある程度耐えられるようですが、0度以下になることは避けましょう。
餌はザリガニの餌を代用した方が飼育しやすいです。
飼育容器のスペースにゆとりがあるなら、脱皮用の水深深めの容器も入れてあげましょう。
意外と長生きなベンケイガニ、脱皮の度に成長していく姿を観察していくのはとても楽しそうです。
夜行性なので昼間働いて家をあけることが多い人にとてもあった生き物だと思います。
ベンケイガニの飼育方法についてでした。
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