レッドビーシュリンプは小さな体に赤と白で織りなす模様が美しいエビです。
熱帯魚と混泳させたりもしますが、水槽に入れると非常によく映え、苔取りに導入したのに気がつけば、熱帯魚よりもこちらの飼育がメインになっていたなんて方もいるようです。
このレッドビーシュリンプ、体も小さいし、簡単に飼育できそう!と思われがちですが、意外と水質や水温にシビアですので、初心者でも飼育できますが、慣れるまでは大変かもしれません。
また、生き物ですから病気にもなりますし、死んでしまうこともあるでしょう。少しでも長生きしてもらうためにも、なるべく病気にさせないことが大切です。
そこで今回はレッドビーシュリンプの飼育方法や、気をつけるべき水温、かかりやすい病気や、予防法などをご紹介しますので、現在飼育している方やこれから飼育予定の方は是非参考にしてみてください。
目次
どんな生き物?
レッドビーシュリンプは赤と白のバンド模様がキレイなエビで、この模様は個体差が激しく、色々な色の出方があるところも魅力のひとつです。
原種はビーシュリンプという横縞模様が蜂のように見えるエビの品種改良されたものです。
このレッドビーシュリンプの品種改良の経緯となったのが、1991年に愛知県の愛好家の水槽内で突然変異したビーシュリンプが発見され、その赤色を固定させたものが現在のレッドビーシュリンプなのです。
この赤と白が織りなす模様の数々は、その色の濃さや模様の美しさの違いなどでグレードが分かれており、価格にもかなり影響しています。
レッドビーシュリンプは品種改良されて生まれた個体ですので当然、野生のものはおりません。
では、原種であるビーシュリンプはというと、養殖は盛んに行われていますが野生個体の正確な分布や、個体の確認はされておらず、現在は野生の生息地は消滅してしまったのではないかとも言われております。
このエビ、体は小さく5cmくらいまでしかし成長しないので、小型水槽でも飼育が可能です。
なかなか、大きな水槽を買うことに手が出せなかったり、水槽を置くスペースが無い方でも飼育ができるので、気軽に飼育が始められます。
しかし、レッドビーシュリンプは水温に敏感なため、飼育は簡単とは言えませんが、それでも根強い人気があるのは、体の模様の美しさや、サイズが小さいので可愛らしいからではないでしょうか。
ちなみに、上記しましたが水槽内の苔も食べてくれるので、ある程度まとまった数を飼育すると水槽が汚れにくくなりますので、熱帯魚と混泳させて飼育しているという方も多いようです。
飼育方法や必要なものは?
レッドビーシュリンプは成長しても5センチ程度ですので、30cmくらいの小型水槽で飼育が可能です。
数匹程度のレッドビーシュリンプを観賞用として飼育するのであれば、このような小さな水槽で問題ありませんが、繁殖を行いたいのであれば大きな水槽が必要になりますので注意してください。
中にはとても小さくデザイン性の高い水槽も販売されており、それを使用してレッドビーシュリンプを飼育することも可能です。
しかし、このような小さな水槽は水量が少ないために水が汚れやすく、水温も変化しやすいです。
他にも、ろ過などの機材を取り付けられないという難点もありますので、よく考えて水槽を選んでみてください。
水槽内には鑑賞性を高めてくれる水草を設置するのがオススメです。
水草は見た目を良くしてくれるだけでなく、レッドビーシュリンプの隠れ家となったり、餌にもなります。
餌としても水草を設置する場合は、硬い草は食べられないのでウィローモスを入れてあげると良いでしょう。
水槽内の水質の維持は長生きさせるためには、常に清潔に保つ必要がありますの。
先ほど少し触れましたが、ろ過装置を使って水を浄化させたり、底砂も水を綺麗にしてくれる作用があるものも販売されております。
レッドビーシュリンプは苔などを食べてくれるため、水槽内のお掃除役としても利用されることがありますが、数が少ないと目に見えて効力が発揮されないので、人間の手でのお掃除も必要となるでしょう。
レッドビーシュリンプ飼育の様子♪
具体的な餌や与える頻度は?
レッドビーシュリンプは雑食性のためなんでも食べますが、メインとしては人工飼料を与えるのが無難でしょう。
レッドビーシュリンプ専用の餌が販売されていますが、ザリガニの餌も食べますので特にこだわりもなく、価格を抑えたいのであればザリガニの餌で良いでしょう。
水槽内に食べることのできる水草や苔の発生がないようであれば、植物性の餌を与えてあげると栄養バランスの偏りを解消することが可能です。
植物性の餌としては、茹でたほうれん草を与えるのが一般的なようですが、必ず無農薬のものを与えないと死んでしまう可能性もありますので気を付けましょう。
餌の頻度は1日に1〜2回くらいが目安となっています。
水槽内に苔や、食べることができる草があれば数週間何も与えなくても死んでしまうことはないので、給餌の頻度はそれほど徹底しなくても問題ないでしょう。
稚エビへの給餌♪
販売価格や販売場所は?
ペットショップやアクアリウム専門店などで購入が可能ですので、店舗に足を運んで模様を確認して好みの個体を探してみてください。
インターネット通販でも購入は可能ですが、個体を確認できないので、レッドビーシュリンプのように模様の個体差が激しい生き物は、直接確認できる方法で購入するのが一番良い方法だと思います。
模様を気にせず大量に購入する場合は、逆にインターネット通販の方がお得だと思われますので、色々検討してみてください。
価格は、模様の出方や発色などで違いがあるため非常に金額差が出ており、5匹程度で1000円くらいの個体から10000円の値段がついているものまで存在しています。
特にこだわりがなければ、一番安い個体でも十分飼育は楽しめますので、無理に高価なレッドビーシュリンプを購入する必要はないでしょう。
適切な水温は?
レッドビーシュリンプの飼育で最も難しいのが水温の維持や調節で、適正水温は20〜27℃とされていますが、目安としては24℃前後で水温を保つのが良いでしょう。
水温が低すぎても高すぎても死んでしまいますので、水槽にはヒーターやクーラーを使用して温度を一定に保つようにしましょう。
特に小さな水槽で飼育している場合は、温度の変化が激しいので特に注意が必要です。
夏場などは窓の近くに水槽があるだけで水温がすぐに上昇してしまいますので、窓際の設置は避けた方が無難です。
水温の変化でレッドビーシュリンプが死んでしまうときは、一度に全滅するというよりは少しづつポツポツ死んでいく感じですので、立て続けに何匹も死んでいるようなら水温をチェックしてみましょう。
レッドビーシュリンプのオスとメスの見分け方は?
レッドビーシュリンプの性別の見分け方はお腹を見るとすぐに分かりますので、見分けやすいと思います。
メスのレッドビーシュリンプはお腹が膨らんでいるような、丸い印象を受けますが、オスはお腹まわりはスラッとしており、見比べると全く違う体つきなのがすぐに分かるはずです。
その他の特徴として、オスはヒゲが長いことや、メスは体の中に黒い影が見えるといった違いがありますが、結構分かりにくいです。
なので、大抵はお腹を見て性別を判断することは一般的となっています。
同種の混泳で気をつけることは?
同種同士であれば特に問題なく飼育することが可能ではありますが、狭すぎる水槽ですとストレスがかかってしまい、寿命が短くなってしまいます。
レッドビーシュリンプそれぞれがある程度の距離を保って飼育できる環境を作ってあげましょう。
レッドビーシュリンプの適度な距離感を保つためにも、水草や流木があると隠れ家として役立ちますので、複数匹を同時に飼育するのであれば設置してあげましょう。
繁殖方法と必要な物は?
レッドビーシュリンプの飼育の楽しみ方のひとつとして繁殖を行うというのがあります。
これは個体数を増やす、という目的もありますが、個体を掛け合わせて新しい模様を作るということを楽しんでいる愛好家も多いです。
オリジナルの模様ができるのは確かに嬉しいですし、面白そうですよね!
レッドビーシュリンプを増やすために繁殖を行う場合、水槽内になるべく多くの個体を用意すると効率が良いです。
もちろん、オスとメスが必要ですから、偏らないように用意しましょう。
割合としてはメス7のオス3くらいで、メスを多めに入れてあげると効率がいいですし、逆にオスが多めですと、メスを奪い合って死んでしまうオスも出てきますので注意しましょう。
飼育する数は最低でも10匹はいた方が良いので、割合をそのまま使用すると、メスが7匹でオスが3匹以上必要になります。
繁殖水槽♪
しかし、大抵はオスとメスを分けて購入できるところは少ないため、多めに購入して選別して水槽に入れることになります。
中には性別を分けて販売している業者もあるようですので、性別の判断が心配な方は、こういったお店を利用してみてはいかがでしょうか。
レッドビーシュリンプを繁殖させる水槽は20〜27℃の間の温度を一定に保ち、水質も同じように変化させないように注意を払ってください。
水質に関しては専用の繁殖液というものも販売されていますので、確実に成功させたいのであれば使用をお勧めします。
あとは自然とペアを作り繁殖行動へ移り、抱卵するようになります。
そして孵化するまでは、刺激を与えないように水換えは避けて、手はかけずにそっとしておいてあげることが重要です。
刺激を与えてしまうと、孵化に失敗してしまうこともありますので、そっとしておくことが成功のカギとなっていますので、十分注意してください。
しかし、水が汚れれば当然水質は悪化しますので、水換えを行わなくても水質の維持ができるようにろ過装置は強力なものを使用すると良いでしょう。
ちなみに孵化までは1ヶ月程度となっていますので、その間は水換えできないと考えておいてください。
孵化したあとは、いよいよ稚エビの飼育に移りますので、今度はたくさん手をかけてあげる必要があります。
楽ではありませんが、立派なレッドビーシュリンプに育てて行きましょう。
繁殖する際に気をつけることは?
全ての個体に共通するわけではありませんが、レッドビーシュリンプは一度抱卵するとそのあと1ヶ月おきに抱卵するようになります。
水槽内にいるメスが多ければ多いほど、どんどん増えていきますので、明確な用途がない場合は手に負えなくなるので気をつけてください。
レッドビーシュリンプ1匹は小さいですが何十匹、何百匹となると、かなり大きめの水槽も必要になりますので、繁殖させる前に全て用意しておく必要があります。
なるべく不必要に繁殖させないように心掛けましょう。
ただ数を増やす繁殖ではなく、親エビ同士を決めて繁殖させるとなると、より難しいようでなかなか繁殖行動へ移らないこともあるようです。
こちらに関しては気長に待つしかありませんので、どっしりと構えて抱卵するのを待ちましょう。
他の種類の魚と混泳可能?
混泳させた場合、大抵は捕食されてしまうので、魚と一緒に飼育するのは控えるべきです。
中には捕食しない魚もいますが、人気のある熱帯魚の多くは捕食するものばかりなので、できないと思っていた方が間違いないでしょう。
水槽内に水草をたくさん設置してジャングルのようにすると、捕食されにくくなりますので、どうしても混泳させたい場合は、このようにして飼育してみてください。
ただし、絶対捕食されない訳ではないので、あくまでも自己責任でお願いします。
平均寿命は?
レッドビーシュリンプの平均的な寿命は2年くらいですが、この年数は稚魚からなので、ショップで購入した個体である場合は、これよりも寿命は短くなるでしょう。
お店に並んでいる成体のレッドビーシュリンプは大体生後1年くらいですので、実際に飼育できる期間は1年ほどだと思われます。
また、水温の変化にも敏感で、寿命でなくても死んでしまうこと十分考えられます。水槽内の温度は一定に保つように心掛けましょう。
他の熱帯魚に比べて寿命は長いほう?
小さな熱帯魚の寿命は3年くらいのものが多いので、それに比べるとレッドビーシュリンプの寿命は非常に短いです。
環境によっては長生きさせることも、もしかしたらできるかもしれませんが、劇的に長生きさせることは難しいでしょう。
寿命は短いものと割り切って飼育するしかありませんが、かといって適当に飼育するのも無責任ですので、寿命を全うできるように、環境を整えてあげましょう。
かかりやすい病気は?
レッドビーシュリンプに限らず、エビに起こりやすい症状として一番にあげられるのが「白濁」です。
原因はさまざまですが、主に体調が悪いと体全体が白く濁ったような色に変化してしまいます。
寿命で死んでしまう場合もだんだん白濁していき、死んでしまうようなので、飼育年数によっては病気では無い可能性も考えられるでしょう。
また、レッドビーシュリンプ特有の病気で「琴を弾く」と呼ばれている症状があります。
この症状は、じっと動かなくなり同じ場所に留まっているのですが、手足だけは琴を弾くかのように左右にずっと動かします。
その後体の色が赤みを増していき、2〜3日で死んでしまうことがほとんどのようです。
ちなみに、この症状があらわれた個体がいる水槽では、全て同じ病気になっていることがほとんどですので、一度に死んでしまうことはないようですが、最終的には全滅してしまうでしょう。
病気になった場合どうしたらよい?
レッドビーシュリンプのような小さな生き物の場合は、病気にかかってしまうとほぼ治療することは難しく、死んでしまうのを待つしかありません。
水換えなどで水質を良くしたりすれば、数日は長生きできることもありますが、基本的にはなすすべがないというのが現状でしょう。
病気にならないよう気をつけることは?
水温や水質を悪化させないことが一番の予防法ですので、餌を与え過ぎないようにしたり、ろ過装置などを使用して、水質の維持を心掛けましょう。
そして、水温の変化も起こさないように水槽用のヒーターやクーラーを設置するなどしてあげてください。
特に季節の変わり目や、水換えの際は水温が変化しやすいですので、特に気をつけましょう。
また、上述した「琴を弾く」という症状ですが、なぜこのようになってしまうのかハッキリとした原因は分かっておりません。
そのため、効果的な対策法が無いのが現状のようですが、アンモニアが原因では無いか?という意見もあるようです。
水槽内のアンモニア対策には、やはり水換えが一番ですが、酸素濃度が高いと発生しにくくなるのでエアーレーションを行うなどしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
見た目が赤と白なので、金魚みたいな雰囲気も併せ持つレッドビーシュリンプは、交配させて違う模様の個体を誕生させたりすることも楽しいです。
また、インテリアとして気軽な飼育を楽しむことができるのもレッドビーシュリンプの良い点ですので、色々な飼育の楽しみを見出してみてはいかがでしょうか。
最近では、繁殖させたレッドビーシュリンプをオークションなどで販売したりも盛んなようで、買う人も多いようですが、売れ残るリスクもあるので始める際は注意してください。
レッドビーシュリンプの寿命は短いですが、繁殖させるときりがないほどどんどん増えますので、繁殖したくない場合はオスとメスで水槽を分けるなどして対処していってくださいね。
ただ、小さなレッドビーシュリンプにとって病気にかかることは、死んでしまうということを意味していますので、病気になってからでは遅いです。
少しでも長生きしてもらうためにも、水槽内の環境を整えあげて病気を予防してください。
また、魚などと混泳させていると病気ではなく捕食されて死んでしまうこともありますので、さまざまなものに目を向けてレッドビーシュリンプを守ってあげましょう。
以上レッドビーシュリンプの飼育方法、繁殖、寿命のまとめでした!
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