透明人間と言う言葉がありますが、誰でも一度は憧れを抱いた事はあると思います。
その目的を考えると割と不純である事が多く実現しない事が世の為ではないかと思ったりもします。笑
しかし、世の中には敵から身を守る為に半透明に進化した生き物がいるようです。
その名もグラスフロッグ(glss flog)!
名前からグラスのように透けている事が理解できそうですが、さてどんな生き物なのか気になりませんか!
今回は、そんなグラスフロッグの飼育方法や生態・販売価格・生息地などについて解説したいと思います。
目次
生態・生息地は?
グラスフロッグは、中南米の熱帯雨林で湿度の高い雲霧林の山地に生息する、アマガエルモドキ科のカエルです。
1872年にエクアドルの前人未踏の地で発見されて以来、中米や南米などでも発見されるようになり、2015年には新しい種類のグラスフロッグがコロンビアで発見されて話題になっています。
大きさが3cm前後と小さく、表側はライムグリーンと葉の色と同化しますが、裏側は透明である為、内臓が透けて見えるのが特徴的です。
この姿には生物の進化が絡んでおり、体の小さいグラスフロッグは捕食する側よりも捕食される側になる為、身を守る為にこのような体になったものと考えられています。
夜行性でありながら、動きはそれほど活動的ではなく逆に休息している事が多いと言われるのは、やはり敵から身を隠している事の表れとも言えそうですね。
なぜあのような目なの?
グラスフロッグは、アマガエルよりも小さく一見ゴムでできた玩具やお菓子のグミのようにも見える事から可愛らしい感じもあり、特に普通のカエルと違って目の位置が前を向いている為、どこかとぼけた感じで更に可愛らしいのです。
その飛び出た大きな目はセサミストリートの人気キャラクターにそっくりであり、見つめられるとそれだけで虜になってしまいそうです。
また、新種であるゴーストグラスフロッグの目には紫色の模様が入っている事が特徴的で、見つめられると催眠術にかかってしまいそうな気持ちにもなり、ある意味魔導師的な目と言っても過言ではないほど不思議な目を持っています。
ゴーストグラスフロッグ↓
これも敵からなるべく発見されない為に進化した表れとも考えられますが詳しい生態については不明とされています。
グラスフロッグは何種類かいる?
グラスフロッグの種類は、エクアドルで発見されて以来、約150種類以上にも及び、中南米だけでなくアフリカでもその存在は確認されていますが、病気や捕食などから年々その数は激減しており絶滅の危機にあるようです。
その為、敵から身を守る為にどんどん進化を繰り返して生き残ってきたと考えられ、2010年に発見されたマーブル模様の目が特徴的なゴーストグラスフロッグは、葉の色に完全に擬態して、まるでゴーストのように身を隠す事が出来る事から名前の由来にもなっています。
更に2015年には、皮膚の質感や色合い、又は鳴き声も今までの種類と違う新種が発見された事で話題になっています。
様々な生物は、弱いものなら弱いなりに長く生き残る為の進化を繰り返し、出来るだけ多くの子孫を残す事に強さを感じ、また神秘的な物さえも感じてしまいますよね。
因みに、150種類以上ある中で4種だけご紹介しますと以下のようになります。
・セントロレネキャラピタ
主に渓流沿いに生息しており後足に肉厚でジグザグ状の突起がある事が特徴的です。
背中にある黄色の斑点模様がペルー産の唐辛子に似ている事が名前の由来になっています。
・コクラネラグアヤサミニ
目の周りが黄色い円で縁どられている事が特徴的でオタマジャクシの間は鮮やかな赤みのあるピンク色をしていますが、成体の背中は緑色です。
・キメレラコルレオーネ
滝が水しぶきをあげる場所にしか生息しません。
また、上腕にスパイクのような骨がある事が特徴的。
・ヒヤリノバトラキウムアナコレタス
他の種は標高1000mほどで発見される事が多いですが、標高2060mの雲霧林で発見されたため、珍しい種として研究が続けられています。
このように4種だけでも新種のグラスフロッグが確認されており、謎が多い為研究も続けられています。
このまま研究が続けられれば、更なる新種が現れるのも遠い事ではないと思われます。
飼育方法や必要なものは?
グラスフロッグはカエルの中でも珍しい種類であり、見かける事も少ないですが、日本では静岡県のあわしまマリンパーク水族館で見る事ができ、ヴァレリオアマガエルモドキとして紹介されています。
グラスフロッグはアマガエルモドキ科である為、飼育の方法は普通のアマガエルと変わらないようです。
その飼育に必要なものとしては以下のようになります。
・飼育ケースか水槽
3cm前後と小さい為、小さ目の飼育ケースか水槽で十分ですが、樹上棲である事から蓋つきで高さのある入れ物が最適です。
・床材
カエル飼育専用の敷砂が最適ですが、保湿のあるヤシガラなどを敷き詰める事が良く、他にはキッチンペーパーなどでも代用できます。
・のぼり木や観葉植物
グラスフロッグは樹上棲の為、小川のある高い樹冠に棲み観葉植物の葉の裏で休む事から、登り木や観葉植物などでレイアウトした環境を作ると最適です。
・水入れ
湿気の多い環境を好むため霧吹きや水入れは必須になります。
・餌
生きた小さな昆虫など。
具体的な餌や与える頻度は?
自然界では主に小さな昆虫を食べて生きている事から、肉食性であり生きたコオロギやハエ、バッタ、又はミミズや蜘蛛などを与えます。
また、生きた昆虫が苦手と言う場合は、ミルワームや爬虫類専用の人工飼料などをふった生肉のかけらを糸に結んでブラブラさせてもよく食べるようです。
与える頻度は、1日に2~3匹位を与えてみますが様子を見ながら与えていきます。
カエルは、動きのない昆虫は食べない為、死んだ昆虫などがあれば取り除きます。
販売価格や購入場所は?
南米の生物は全般に輸出が厳しく、更には前人未踏の地で発見されたグラスフロッグなどは、発見されて間もないと言う事から扱っているショップもなく、売られていない事が多いようです。
こちらの「カエル通販フィーバー」さん、かなりの種類のカエルを扱っているので、問い合わせてみると良いかと思います。
また、日本では静岡県のあわしまマリンパーク水族館で見られるため問い合わせて見てはいかがでしょうか。
平均寿命や病気の予防は?
一般的にアマガエルの寿命は、野生下で3~5年と言われていますが、小さいうえに天敵も多い事から正確な事は分かっていませんが、飼育下では5~10年くらいと言われており、飼育環境次第では更に延びるとも言われています。
また、両生類に罹りやすい病気などもあり、その種類は以下のようなものです。
・カエルツボカビ
両生類に感染しやすい病気であり、高い確率で死に至るとされています。
中南米では致死率が90%と高く、世界中の両生類の約3分の1が絶滅危惧に瀕しているとも言われているほどです。
残念ながら効果的な治療方法はなく、感染したカエルを隔離するか死亡したカエルは焼却処分する事が必要です。
・レッドレッグ
両生類の病気では一般的であり主に飼育環境の不適切さが原因となり免疫力が低下して発症するようです。
発症した個体は隔離して両生類などを診てくれる医師に相談します。
因みに、野生下での報告はないと言われています。
・骨の形成不全や低カルシウム血症
飼育下ではコオロギやミルワームなどを餌として与える事が多いですが、これだけでは骨の形成不全や低カルシウム血症を引き起こしやすくなります。
その為、人工飼料などを生肉のかけらに混ぜて与える事も必要です。
このように飼育下では様々な事が原因で病気を引き起こす事があり、特に床材が汚れているとカビの原因にもなる為、小まめに取り替える事が大切であり食べ残したエサなども早めに取り除きましょう。
まとめ
如何でしたか?
グラスフロッグが発見されたのは極最近の事で、それまではエクアドルの前人未踏の地でひっそりと暮らしていたカエルだったようです。
また、厳しい自然界を生き抜くために様々な進化を遂げてきた結果、150種類もの仲間が存在しており、擬態能力を持ち環境に同化するように半透明な体を持つようになったと言う事ですが、不純な気持ちで透明人間にあこがれる人間とはレベルが違うようですね。
そんなグラスフロッグの研究はまだまだ続けられており、この先も更なる新種が発見されるものと思われます。
以上、グラスフロッグの飼育方法や生態、販売価格、生息地についての解説でした。
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