コクワガタは日本にも生息していて、割と見る機会も多く、昆虫としてはポピュラーな種類のクワガタムシです。
このコクワガタを幼虫から育てて、羽化させ成虫に育てることにチャレンジしてみませんか?今回は、幼虫からの飼育に重点をおいてご説明いたします。
目次
コクワガタとは?
コクワガタというのは和名で、小さいクワガタという意味でとても小さい昆虫のように感じますが、大きさ的には中型のクワガタムシです。
大きさは2~5cmほどで、体の色は黒や赤褐色をしたものもいます。
コクワガタの生息地は主に森林や雑木林ですが、それ以外にも街路樹や公園の樹木、都市部の小規模な緑地でも姿をみることができるので、とてもなじみ深い昆虫です。
成虫のコクワガタは5~10月中旬ごろまで活動しており、主にクヌギやコナラなどの広葉樹の樹液に集まっていたり、夜間に街灯や自動販売機の明かりに集まってくることもあります。
飼育をするのは比較的簡単で、エサと加湿した昆虫マットを用意すれば、長い期間の飼育することも可能です。
昆虫の飼育の初心者でも苦労せずに育てられるので、これから昆虫の飼育にチャレンジしたいという方にはピッタリです。
コクワガタの幼虫の飼い方① 必要な環境は?
まずは雄雌ペアのコクワガタを用意します。
飼育ケースは一般的に販売されているプラスチックケースで大丈夫です。ただし、産卵させるために昆虫マットの中に産卵材の朽木などを入れるので、それが入る大きさのものが良いでしょう。
飼育ケースの中には昆虫マット、産卵用の木材、転倒防止用の木材、昆虫ゼリーなどになります。
昆虫マットは腐葉土などを使うと良いですが、クワガタ用のマットというものも市販されていますので、お好みで使用してみてください。
一般的にコクワガタは木材に産卵するため、朽木などを土の中に入れる必要があります。
土の中に入れる際は木材の皮を剥いて、軽く水に10秒ほど浸します。その後陰干ししたものを昆虫マットの中に入れてください。
マットは固めに入れた方が良いです。産卵用の木材が隠れるまで固めに詰めたら、あとはふんわり被せて大丈夫です。
マットの上には、成虫のコクワガタが転倒した際につかまって起き上がれるようにいくつか木材を置いて、昆虫ゼリーも設置してあげましょう。
コクワガタの幼虫の飼い方② 飼育方法は?
野外で採集したもの、購入したものや、人の手で飼育されたものであっても、温度は25~28℃くらいで飼育してください。
オスとメスを同居させて1ヶ月くらいしたら飼育ケースを別にしても大丈夫です。
あまりメスの姿が見られないようであれば、産卵している可能性が高いです。
メスのコクワガタを入れて1ヶ月、さらに産卵後1ヶ月で計2ヶ月ほど経過したら、木材を割り出してみましょう。
マットの中の木材を取り出してみてボロボロになっているようなら、幼虫がいる可能性が高いです。幼虫を傷つけないように丁寧に割ってください。
幼虫は菌糸ビンや、昆虫マットを詰めた昆虫用の容器に移して飼育しましょう。
この時の容器は、100円ショップなどの食品用の容器を使うと蒸れて、水分がマットなどから出てしまい、幼虫が死んでしまうこともあります。
確実に成虫に育てるためには、専用の容器を使用しましょう。
菌糸やマットがあまり減らなくなってきたら、さなぎになった可能性が高いです。
さなぎの期間は1~2ヶ月ほどですので、その間はむやみに動かしたりせずに、安静にしておきましょう。
コクワガタの幼虫の飼い方③ 餌はどんなもの?
コクワガタは菌糸やマットを食べて成長します。
なので、エサとなるこれらのものを入れた容器に入れて、さなぎになるのを待ちましょう。
ただ放置するのではなく、たまに様子は見るようにしてください。
菌糸ビンはたまに、カビが発生することもありますので取り除いたり、ひどいようなら交換してあげることも必要です。
コクワガタの菌糸交換
コクワガタの幼虫はどこで手に入る?
販売されているのは成虫の方が多いですが、幼虫もペットショップやインターネットなどで販売されています。
それ以外では、今回ご説明したようにペアのコクワガタを購入するか、採集してきて産卵させるという方法もあります。
初心者でしたら、菌糸ビンに入った状態のコクワガタの幼虫も販売されていることもあるので、そういったものを利用するのも良いでしょう。
コクワガタの幼虫を飼育する際の注意点は?
産卵後、オスのコクワガタが同じ飼育ケースに入れていると、オスが幼虫を食べてしまうこともあるそうです。
メスが産卵した形跡があれば、飼育ケースを移した方が無難でしょう。
コクワガタの幼虫は振動や温度変化に敏感なので、直射日光や振動を与えるのは良くありません。なるべく自然に近いような暗い場所に保管しておくのが良いですね。
まとめ
比較的簡単に飼育できるコクワガタの幼虫ですが、産卵から始めると結構手間がかかりますがその分、成虫となったときの喜びは大きですね。
もっと手軽に始めたいなら、菌糸ビンに入った幼虫を購入してみてください。
頻繁にお世話は必要ありませんが、たまに確認してあげれば立派な成虫になってくれるでしょう。
成虫になってからも大事に育ててくださいね。