エビと言えば、日本の伊勢海老などは高級食材に入り食べても美味しいですよね。
また、近年では様々な世界料理を味わう事が出来るようになり、中でも地中海料理に登場するオマールエビ(ロブスター)は大きくて食べ応えがあり日本でも大人気で好きな人は多いようです。
しかし、そんなロブスターを食べるだけでなくペットとして飼育を始める人もいるようです。
今回は、そんなロブスターの飼育方法や寿命、餌について解説したいと思います。
目次
ロブスターの生態や生息地は?
ロブスターは、エビ目・ザリガニ下目・アカザエビ科・ロブスター属に分類される海水で生きる甲殻類になり、エビ科の中でも最大級の大きさになります。
主に大西洋に生息しており、泳ぐことはなく海底を歩きながら移動し、ロブスターの種類によってもその生息地に違いがあります。
それらの生息地をまとめると以下のようになります。
・アメリカンロブスター
北アメリカ周辺の北西大西洋に生息します。
・ヨーロピアンロブスター
海ザリガニとも呼ばれており、主にヨーロッパ周辺の北東大西洋に生息します。
・ケープロブスター
アフリカ周辺の南東大西洋に生息します。
また、ロブスターには大きな鋏がある事が特徴的ですが、左右で鋏の大きさが違う事をご存知でしょうか?
大きい鋏の方を「クラッシャー」と呼び、小さな鋏は「カッター」と呼ばれそれぞれに役目があります。
大きい方のクラッシャーは、貝やカニなどの硬い甲羅などを砕くのに使い、小さな法のカッターは砕いた貝やカニを引き裂き、肉をつまんで食べる事に使うとされています。
しかし、左右どちらがクラッシャーかカッターかは、ロブスターの個体によっても違いがあるようで、生まれて2週間以内に初めて餌を砕いた方の鋏がクラッシャーになり、何もしない方の鋏はカッターになると言われています。
人間で言えば右利きや左利きのような感じと同じですが、因みに周りに砕くものがない環境で育ったロブスターの鋏はどちらも小さくカッターのままだと言われる事から、シーフードの王様と言われるロブスターも生まれた環境に順応して進化しながらたくましく生きている事が分かります。
ちなみにこんなきれいなロブスターもいます♪
寿命がないっていうのは嘘?
ネットで拡散されたロブスターの不老不死説はご存じでしょうか?
ほとんどの生物には寿命と言う物が存在し、どんなに長く生きていても天敵となる生物に捕食される事もあり、やがて死んでいくものですが、ロブスターには寿命がないと言われています。
「まさか・・・」と思った方、正解です!
つまり、寿命がないと言うのは間違いで、甲殻類のほとんどは成長と共に脱皮を繰り返す性質であり、ロブスターも同じように脱皮を数かい繰り返して大きくなっていきます。
しかし、この脱皮が他の甲殻類とは少し違っており、ロブスターの場合は内臓も一緒に脱皮をしています。
その為、脱皮を繰り返す毎に内臓も新しくなる事で長く生きられると言う事です。
ただ内臓と言っても心臓や脳などの重要な臓器ではなく消化器の内壁である為、長く生きられるとしても限界はあり、記録では推定年齢140歳のロブスターが確認されている事から長寿である事は間違いなさそうです。
飼育方法や飼うのに必要な物は?
そんなロブスターの人気は味だけでなくペットとしても人気が高く、飼育を試みる人は多いようです。
飼育に必要なものは以下のようなものになります。
・海水
ロブスターはザリガニの仲間ですが海水で生きる生き物である為、海水が必要です。
また、水温は20℃以下に保つ事が良く、20℃を超えると高い確率で死んでしまうため、15℃位が最適とされ寿命も長くなるようです。
その為、水槽用のクーラーも必須になります。
・水槽
ロブスターは泳ぐ事はなく歩いて移動する為、水槽を選ぶときは個体の大きさに合わせて用意します。
成体1cmにつき1リットルと言われる事から、30cmのロブスターの場合は30リットル以上の水槽で十分ですが、脱皮後の事を考えて大きめの水槽を用意します。
・濾過装置
ロブスターの飼育は、水が汚れやすい為、オーバー水槽や外部フィルターなどの水量の多い濾過装置を設置することをおすすめします。
また、1~2か月に1度位、掃除をするようにします。
・サンゴ砂
床底にサンゴ砂を浅く敷きます。
サンゴ砂は、水質を弱アルカリ性にする効果があります。
・隠れ家
人工ライブロックや天然ライブロックなどを隠れ家としてレイアウトすると見た目も美しい為、おすすめできます。
・エサ
人工餌料、冷凍の小魚でも良い。
具体的な餌や与える頻度は?
ロブスターの食性は主に肉食性であり、貝類や小魚、又はシュリンプなどを捕食しています。
しかし、中には海藻類も食べるロブスターもいる事から雑食性でもあります。
飼育下においては、人工餌料やクリル、又は冷凍小魚でも良く食べ、給餌頻度は2~3日に1度程度に与えます。
食べ残しは水質の悪化に繋がる為、早めに取り除きましょう。
ロブスターの給餌♪
販売価格や販売場所は?
日本でも生のロブスターを購入することは可能であり、ネットや専門店などでは3000円~7000円で販売される事が多いです。
しかし、大きさや種類によって変動することもあります。
また、冷凍保存した物や解凍したものであればもっとリーズナブルな価格で購入できます。
ロブスターの脱皮の際に気をつけることはできる?
ロブスターの脱皮は、多くの個体の死因にもなっており、命がけで行われています。
また、脱皮をしたあとは表皮が柔らかく動きも弱い状態である為、天敵に捕食される事も多いようです。
飼育下では、水換えを行ったり触ったりしない事が大切であり、脱皮した後の殻は2~3日そのままにして、食べないような時は取り除きます。
また、甲殻類には観賞魚に使用する薬などが使えないので注意が必要です。
調子が悪い時などは水を換える、又はエアレーションを増やすなどで対処するようにします。
ロブスターは痛みを感じる?
ロブスターに限らず甲殻類などは、生きたまま胴体を折られたり、熱湯に入れられたりして調理される事が多いですが、痛みを感じたりしないのだろうかと疑問に思う時はありませんか。
実は、研究でわかったことですが、ロブスターには痛みを感じる高度な神経を持っている事が分かり、熱湯に入れて死に至るまでの約2分間はロブスターも苦しんでいると言う事です。
また、身体の一部をもぎ取られても神経系統は1時間以上機能している事が分かっています。
その為、スイスでは生きたまま熱湯に入れる事を禁じた新たな法律が制定されたようです。
(CNN) スイス政府は13日までに、ロブスターがまだ生きている場合、調理のために熱湯に入れることを禁じる新たな法律を成立させた。今年3月から発効する。
新法は、ロブスターは痛みを感じる可能性がある高度な神経系を保持しているとする研究結果を踏まえたものとなっている。
今後は、調理前に気絶させるか、即座に絶命させることが必要になる。また、輸送する際の条件にも触れ、ロブスターを含む甲殻類を氷詰めの状態や氷水に入れたりして運ぶことを禁止。常時、自然の状態で保管しなければならないとした。
ロブスターに関してはイタリアで最近、レストランの台所で氷詰めでの保管を禁じる新たな法が成立していた。
まとめ
世界でもシーフードの王様として多くの人に食されているロブスターは、時折生簀などで見かける事もあるほど日本でも流通しています。
私達は、その美味しさに舌鼓をならし何気に食べていますが、ロブスターは痛みを感じる神経が敏感であると言う事が研究結果で明らかにされ、スイスでは生きたまま熱湯に入れる事を禁止し、新しい法律を制定したと言う事です。
今まで生きた甲殻類をみて「美味しそう・・・」と言っていた事にとても罪深さを感じてしまいましたが、皆さまはどのように感じたでしょう!
以上、ロブスターの飼育方法や寿命、餌についての解説でした。
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