数多い鮫の中でもノコギリザメの名を聞いたことはございますか?
ノコギリと付く名前から更に恐ろしい鮫を連想してしまいますが、性格的には大人しく人間に対して攻撃性は少ないと言われています。
また、同じような形態をしているノコギリエイもいますが、どちらも良く似ている為、見分けがつかないようです。
しかし、エサを捕食するときはどちらもノコギリ状の吻をブンブン振り回して切り裂いたり傷を負わせたりして食べるようですが、同じような吻をしていても良くみると違いが見えてきます。
今回は、ノコギリザメとノコギリエイの違いは?見れる水族館について解説したいと思います。
目次
ノコギリザメの生態
ノコギリザメはノコギリザメ目・ノコギリザメ科に属する魚の一種であり、学名pristiophorus japanicusとされており、日本産はその一種のみになります。
また、英名japanese sawsharkとなり、日本の名前が付いているだけに日本近海にみられることが多く、北海道から沖縄諸島の沿岸から朝鮮半島、シナ海、東アジアなどの広い範囲に分布しています。
体長は170cmほどで体は細長く、平べったい形をしており海底生活に適応しています。
鰓は体の横に開いており、ノコギリ状の長い吻の中央部腹側から一対のヒゲが生えています。
このヒゲがある事と鰓が体の横に開いている事が特徴的になります。
夜行性であり昼は海の底で休み夜になると餌を求めて動き始め深海から沿岸まで自由に動き回ります。
特徴的な事はこれだけでなく、ノコギリザメは海水も汽水も淡水も関係なく行き来することができます。
普通の鮫は尿素を作り出して浸透圧を調整することで脱水を予防するため海水に適応しますが、ノコギリザメの場合は腎臓で真水を作るため、尿素を作り出すことなく海水でも淡水でも適応できるようです。
繁殖に関しては、胎生であり12匹前後の仔魚を産み、子宮内の仔魚の吻は母体を保護するために膜で覆われています。
ノコギリザメの食べ物は?
ノコギリザメの吻は名前の通りノコギリ状の構造になっており、これを使って小魚や甲殻類、又はイカなどの軟体類を食べます。
水槽内では長い吻を押さえつけるようにして摂餌するのが観察されています。
ノコギリザメとノコギリエイの違い
ノコギリザメのように吻が長くのびた魚にノコギリエイがいますが、どちらも良く似ている為、見分けるのが難しいと言われています。
しかし、ノコギリザメはノコギリザメ目・ノコギリザメ科に属し、エイの方はノコギリエイ目・ノコギリエイ科に属するため、分類上でも全く異なる生き物になります。
それぞれの違いについての詳細は以下のようになります。
・ノコギリザメの吻の中央部腹側から一対のヒゲが生えていますが、ノコギリエイにはこのヒゲがありません。
・ノコギリザメの吻に生えている歯は大小様々ですが、ノコギリエイの歯は、ほぼ同じ大きさのものが同じ感覚で並んでいます。
・ノコギリザメの吻に生えている歯は抜け落ちても生えかわりますが、ノコギリエイの歯は、脱落したら生えてきません。
・ノコギリザメやノコギリエイには鰓が付いていますが、ノコギリザメの鰓は体の側面に開いており、ノコギリエイの鰓は、体の下面に開いています。
・ノコギリザメの大きさは最大でも2m前後ですが、ノコギリエイの大きさは、最大で8mに達する巨大な種もおり、ノコギリザメには巨大化は見られません。
この他にも違いはいろいろありますが、最大の特徴は髭の有無にあります。
ノコギリザメの遊泳
ノコギリエイ
ノコギリザメのノコギリは何に使うの
鮫と言うキーワードにノコギリとついたら、やはり獲物を捕獲するためと戦うと言う事が連想できますが、ノコギリザメは大人しい性質であるため他の魚と戦う事は無いので、やはり獲物の捕獲に使うものと考えられます。
実際、ノコギリザメは餌をみつけると小魚の群れに吻をブンブン振りいれて傷を負わせてダメージを与え、切り裂いて食べる様子が確認されています。
また、吻の中央にあるロレンチーニ瓶と言われる器官を使って生物が発する微弱電波を感知し、ノコギリの吻を泥に潜らせて獲物を書き出して捕食すると言われています。
つまり、長く伸びた吻は天然の魚群探知機の役目をしているとも言えますよね。
日本の水族館で見る事ができる?
日本は四方八方が海で囲まれており、海に生きる生き物との関連性は高く、世界中でも一番水族館の数が多いとも言われています。
しかし、ノコギリザメなどは生活環境の変化に弱くストレスなどを受けやすい事から、水族館でも扱いにくいため、ノコギリザメを展示している水族館は少なくネットで検索しても見つかりにくいとされています。
そんな中、ノコギリザメを唯一観察できる水族館は以下の場所になります。
・名古屋港水族館
・いおワールドかごしま水族館
・沖縄美ら海水族館
これら3か所が有名なところです。
特に沖縄美ら海水族館は2016年1月18日からノコギリザメ親子の展示開始を行っているので親子で泳ぐ姿が見られるかもしれませんね。
まとめ
鮫は海水に生息する生き物と思っていましたが、中でもノコギリザメは海水だけでなく汽水や淡水にも適応すると言う事に驚きましたね。
また、不思議はそれだけでなく深さ800mの深海から水深40mまで上がる事もあり深海から沿岸まで自由自在に動き回れる事にも驚いてしまいました。
長く伸びた吻は威嚇の為ではなく、エサをとる為に使われるもので、その捕獲の仕方はノコギリ状の突起がついた吻をブンブン振りまわして傷を負わせて切り刻む方法になる為、ユニークとも言えます。
このような捕食の仕方はノコギリエイも同じであり、どちらも良く似ている為、見分ける事が難しいとされていますが、吻の中央腹側にあるヒゲの有無で見分けがつくとされています。
機会があったら是非確認してみてはいかがでしょうか!
以上、ノコギリザメとノコギリエイの違いは?見れる水族館についての解説でした。
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