野生動物は、生きて行くために自分で狩りをしなければなりませんが、それには常に危険が付きまとうものです。
中には、独特な採食方法によって自分の命を縮めてしまうカツオドリもおり、その一生は、過酷なうえに悲しく、壮絶な運命を背負った鳥と言われています。
今回は、カツオドリは失明後、狩りができる?また、日本では見る事ができる?について解説いたします。
目次
カツオドリの生態
主な生息地はインド洋、南大西洋、そして太平洋の西部と中東部、カリブ海などに分布する熱帯や亜熱帯であり、独特な採食方法で鰯や小魚などを捕食しながらコロニーを形成して生活しています。
鳥の中では大型種になり、体長は平均64cm~74cm、翼を広げると130cm~150cmもあり、体重は約1kg前後と言われています。これはかなり大きいですよね!!
また、種類が多く、中でもアカアシカツオドリ、アオツラカツオドリ、アオアシカツオドリ、ナスカカツオドリなどは代表的であり、特にガラパゴス諸島に生息するアオアシカツオドリは、エサの影響によって足の色が青くなる事が特徴的です。
これは、エサである鰯に含まれるカロテロイドと呼ばれる色素が影響するものであり、エサを沢山食べているものほど青い色が濃くなるとされています。
その為、繁殖期になると水かきのある青いアシを自慢するようにペタペタと交互に上げてメスの気をひこうとする求愛ダンス行動がみられますが、この姿がユーモラスで可愛いと人気があります。
こちらです↓
カツオドリの巣は、海岸の断崖や草原に営巣し、1回に1~2個の卵を産み、オスメス交代で約43日間かけて抱卵し、孵化した後は親鳥が何度も餌を運んで子育てをします。
しかし、カツオドリのヒナは、野性界の厳しい掟に従うかのように、強いヒナが他のヒナを殺すこともあり、親鳥の子育ては1羽になる事が多いと言われています。
求愛行動は可愛らしくても、野性の動物たちは強いものが勝ち残り弱い者は淘汰されてしまうと言う自然界の厳しい法則のもとで生きて行くしかないと言う事なのでしょうかね!
そんなカツオドリの採食方法は独特であり、10m以上もの上空から垂直に大集団で海に突入する狩りは多くの人に目撃されており迫力があります。
しかし、この狩りの方法が悲しくて壮絶な運命でもあり、寿命20~30年とカツオドリの寿命は長いのですが、この狩りは死へのダイブと呼ばれるように狩りを繰り返す事で寿命を縮めていることになります。
アオアシカツオドリが求愛行動の時に見せる自慢のアシが、やがては光を失う事に繋がる採食方法に原因があるなんて知るわけもなく、得意げにダンスを踊る姿が悲しく見えるのは私だけでしょうか。。。
カツオドリは日本で見ることができる?
カツオドリは、鰹漁などの時に追われて海面に上がってきた小魚を捕食する為、カツオドリの集まるところには大きな魚がいると言う事から、漁師の間では魚群の案内役とも言われています。
その為、漁師がつけた事が名前の由来にもなり、そのまま和名になったとされています。
また、カツオドリの繁殖期は熱帯では1年中見られますが、日本では3月~8月になり、集団でコロニーを形成するする姿が確認されています。
その為、日本では亜種が生息しており、伊豆諸島、小笠原諸島、尖閣諸島で繁殖し、鹿児島湾や瀬戸内海でも観察記録が残っています。
また、2017年の9月に小笠原の南硫黄島でアカアシカツオドリの集団繁殖が国内で初めて確認されましたが、現在は鰯の数が減った事やカツオドリの乱獲によりアオアシカツオドリ同様に絶滅危惧種に指定されているおり、今後静かに見守る方針になっています。
その為、ガラパゴス諸島の固有種であるアオアシカツオドリは現地でしか見る事は出来ませんが、アカアシカツオドリやアオツラカツオドリなどは運が良ければ日本でも見る事は可能です。
この大きな鳥を生で見たらきっと迫力があるのでしょうね!!
狩りを繰り返すと失明するってホント!?
カツオドリの狩りは、カツオなどの大型の魚が鰯や小魚を海面付近に追いやる事で海面に浮上する為、それを狙ってカツオドリが上空から集団で海にダイブし、10m~30mも潜って小魚を捕食します。
その為、何度も激しいダイブを繰り返す事で頭を水面に叩きつける形になり、羽をたたむタイミングや水に入る角度が悪いと骨折や怪我などで命を落とす事もあります。
激しいダイブ!!
特に無防備でもある目などは一番弱く、ダイブの時の衝撃で網膜を傷つける事からやがて失明してしまうと言う事です。
その為、死亡原因のほとんどは失明によるものがほとんどのようです。
生きるために餌を探し、狩りをする事が失明に繋がり、それが原因で寿命を全うすることができないなんて、悲しい事ですね。なんとかこれを解決する遺伝子が発達すればよいのですが、、、、なかなか難しいのでしょう。
失明後生活はできるの?
失明したカツオドリのその後は、それを助ける仲間も当然いるはずもなく、野生動物が光を失うと言う事は、即死を意味する事になります。
自然淘汰と言ってしまえばそれまでですが、「何か他に良い方法がないのかな?」とも思えます。
しかし、それがカツオドリと言う鳥であり、一生とも言えます。
まとめ
生き者たちは、皆餌を捕食して生きて行くものですが、その餌の狩りの仕方で自分の命を縮めてしまうと言う事は、悲しい事ですよね。
野性界で生活するカツオドリは、そんな悲しく壮絶な運命を背負った鳥なのです。
でも、当のカツオドリはそんなことなど考えもせず、自分たちに与えられた運命をただひたすら生きぬき、繁殖期が来れば自慢の足をアピールしてダンスを踊り、雌の前で自分は狩りの名人(鳥)だと誇らしげにアピールするわけです。
人間社会で考えると、なんとも健気とも言えますが、今日も生きる為に餌を求めて激しいダイブを繰り返しているのでしょうね。
以上、カツオドリは失明後、狩りができる?また、日本で見る事はできる?についての解説でした。
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