ディスカスは非常に美しい熱帯魚で、一度は飼育してみたいと憧れの対象にもなるくらい魅力的な魚です。
世のアクアリスト達から「熱帯魚の王様」と呼ばれているいます。
そんな美しいディスカスですが、飼育難易度は高めなので、しっかりと知識をつけても死なせてしまう可能性もあります。
ただ近年は飼育方法が確立されつつあり、情報が昔より入手しやすくなっているので完全に熟練者以外は飼育出来ない、と言う訳では無いみたいですね。
そこで、これからディスカスの飼育方法、病気や寿命、繁殖方法等についてご紹介しますので、飼育の参考にして少しでも長生きさせてあげましょう。
目次
ディスカスの生態
ディスカスは熱帯地方の水没林や、倒木の間などの周りを好んで群れを作り泳いでいる熱帯魚です。
熱帯魚の王様と呼ばれているだけあり、体の大きさは約16〜20cmと立派な大きさをしています。
横から見ると全体が円のような形で、尾ビレと背ビレが長いという特徴があり、ゆっくりと優雅に泳ぐため、鑑賞性がとても高い熱帯魚です。
主に飼育されている熱帯魚の多くは、カラシン系のネオンテトラやカージナルテトラは数cmほどの体長ですし、そこから大きい、グッピーやプラティは4〜5cmくらいですので、その差は歴然です。
個人で繁殖をしてオリジナルの品種を作り出すこともできるため、多岐にわたり飼育を楽しむことが可能です。
ただし、繁殖は非常に難しくなかなか成功することは少ないようです。ですが難しいからこそやり甲斐があり、割と挑戦する人も多いようです。
また、体の色は派手なものが多くカラーバリエーションも豊富で、品種改良も盛んに行われています。
そんなディスカスの性格は神経質で臆病なところがあるので、群れを作り泳いでいるのも性格が影響しているからでしょう。
ちなみに、ディスカスのこのような習性は野生の個体の方がより強くあらわれ、繁殖個体では弱まる傾向があるようです。
不安を感じたりしてストレスを受けると、体の色が黒色へと変化してしまうので、飼育の際は体の色もよくチェックすると良いでしょう。
飼育方法や必要なものは?
ディスカスを飼育する水槽は、体の小さな幼魚でしたら60cm水槽で10匹くらい飼育は可能ですが、成魚ですと同じくらいの水槽で5〜6匹程度しか飼育はできません。
なので、小さな個体から継続して飼育するのであれば同じ水槽でそのままという訳にはいきません。
水槽を大きなものに変えたり複数の水槽に分けるなどの工夫が必要になります。
また、ディスカスは上記しましたが臆病な性格で群れで泳ぐ習性がありますので、最低でも5〜10匹は同じ水槽に同種の個体を入れてあげる必要があります。
初めから大きな水槽で飼育するというのも1つの方法ですが、広すぎる水槽はストレスになる場合もありますので、流木などを入れて広さを調節すると良いでしょう。。
水質の維持のためにろ過装置は必須ですが、ディスカスは水を汚すスピードが非常に早いため、簡易的な浄化装置では効果がありません。
ある程度パワーがあるものを組み合わせるなどして、強力に水をろ過するようにしましょう。
ろ過装置だけではなく水換えも行う必要がありますが、頻度としてはろ過装置のパワーによって変わりますが、だいたい3日〜1週間くらいの間に一回という頻度が良いでしょう。
中には非常に強力なろ過装置があり、その場合は1ヶ月水換えを行わなくても平気なようです。
濾過している水槽♪
適正水温は幼魚で30〜32℃となっており、高い水温となっています。ですが成魚になると26〜30℃と温度が下がるため注意が必要です。
実はこの幼魚時の高温の理由は鑑賞性を上げるために行っており、こうすることにより活性化して体の色がより美しく成長するためです。
野生下のディスカスはもう少し低い温度で生活しているので、高温でなければ死んでしまうということはないようです。
飼育は基本的にベアタンクと呼ばれる底砂や水草を入れない水槽で飼育するのが一般的です。
これはディスカスが水を汚しやすいため、頻繁に水換えなどを行わなくてはならないため、掃除がしやすいようにしているためです。
なので底砂や水草を入れても問題はありませんので、入れてあげれば鑑賞性も上がりますし、水草は水質を整える作用もあるため最近では入れた方が良い、という動きが強まっているようです。
具体的な餌や与える頻度は?
ディスカスに餌を与える頻度は、大きさによって変わりますが成魚であれば1日に3回くらい与えると良いです。それよりも小さな未成魚や幼魚だとそれ以上与えてあげるのが理想的です。
しかし、働きに出ている人も多く、毎日何度も餌を与えるのは難しいと思われますので、朝起きてすぐに、家を出る前に、帰宅後すぐ、寝る前に、というような感じで、時間を少しズラして回数を稼ぐと良いでしょう。
ちなみに量は5分くらいで食べきれる量です。できれば食べ終わるまでの5分間は、食べている様子を確認して、食べ残しがないように量を調節してあげてください。
ディスカスに与える餌の種類は主にディスカスハンバーグ、冷凍アカムシ、人工飼料です。この3種類をバランスよく食べさせてあげると健康的で栄養が偏ることもありません。
ディスカスを飼育したことがない人にとって、不思議な印象を受けるディスカスハンバーグですが、人間が食べるハンバーグのようなものではなく、主に牛のハツなどで作られた生肉がペースト状になったものです。
この餌は非常に水質を悪くしてしまうため、食べ残しは極力減らしてください。適量を見極めるためにも5分以内で少量づつ与えるようにしましょう。
ディスカスハンバーグや冷凍アカムシはディスカスの食い付きも良いのですが、人工飼料に関しては、中には食べてくれない個体もいます。
特に冷凍アカムシなどの餌に慣れてしまっていると食べない傾向が強くなります。
ですが、人工飼料もディスカスにとって必要な栄養素を含んでいますし、体の発色も良くしてくれる効果もあるので、根気強く与えてあげましょう。
餌やりの様子
販売価格や購入場所は?
ディスカスはとても人気のある熱帯魚ですので、どのお店でも取り扱いはあるはずです。
しかし、ディスカスはレアな個体が多く、そのような魚を探しているのでしたらディスカス専門ショップやインターネット通販を利用した方が入手できる確率が上がるでしょう。
価格は一般的に販売されているものですと5000円が平均的な値段となっています。中には1000円くらいで購入できることもあるようです。
暖色系は高価になりがちですが、寒色系は安価なものが多い傾向がありますので、安い個体を探しているのでしたら、目安にしてみてください。
また、個人経営のショップですと大型のアクアリウム専門店などと比べて値段が安めな傾向がありますので、そういったお店を覗いてみてはいかがでしょうか。
飼育する際の注意点は?
ディスカスは臆病な性格ですので単独飼育ですと元気に泳ぎ回らないこともあるので、基本的に同種を複数匹水槽に入れてあげてください。
決して小さな魚ではないので、複数匹となると大きめの水槽が必要になりますので、導入が難しいようであればディスカスの飼育は諦めた方が良いでしょう。
狭い水槽では満足に泳ぎ回れず、ストレスとなってしまいますので、寿命も短くなる可能性も高くなります。
普通に飼育しているだけでも水が汚れやすいのですから、狭い水槽でしたら尚更です。
ディスカスが快適と感じる環境をなるべく作ってあげましょう。
平均寿命は?
ディスカスの平均的な寿命は5〜10年くらいといわれておりますが、なかなか10年飼育するのは難しいようです。
品種改良の個体は原種よりも体が丈夫な特徴があるため、長生きさせたいのであれば原種よりも、品種改良された種類の個体でしたら、寿命を10年に近づけることができる可能性も高くなるのではないでしょうか。
他の熱帯魚に比べて寿命は長いほう?
大型の熱帯魚の寿命は10年〜というものが多くみられるので、比べてみて極端に短いということはありません。
しかしディスカスは飼育が難しいと言われていますので、寿命よりも早く死んでしまう可能性も十分あります。
そういったことを含めて考えると、やはりディスカスの寿命は短めなのかも知れませんね。
かかりやすい病気は?
ディスカスは他の熱帯魚と違い特殊な病気にかかることもあるので注意が必要です。その中から特に発症しやすいディスカス病、エラ病、白点病をご紹介したいと思います。
【ディスカス病】
ディスカス病の原因は主に輸入された個体に付着した菌が水槽内で繁殖してしまい、発症するケースが多いです。水質の悪化は、菌が繁殖しやすい環境となりますのでより病気を発症しやすくしてしまいます。
感染力が非常に強く、ディスカスはもちろん他の熱帯魚にも感染してしまうため、全ての魚に感染してしまう恐れがあります。
症状は体が黒ずみ、表面は白いモヤがかかったような色になってしまい、ヒレをあまり動かさなくなり、ほとんどたたんでる状態でいることが多くなります。
【エラ病】
エラ病は寄生虫が原因でエラが剥がれてたり、ただれるなど、エラ周辺の一部分だけ異常があらわれる病気です。
エラの動きが変だったり、動いていないようならエラ病の可能性が高いです。
【白点病】
白点病は熱帯魚に発症しやすい病気で、認知度も高いためご存知の方も多いのではないでしょうか。ディスカスも例外なく発症しやすく、注意が必要です。
原因となっているのは白点虫という繊毛虫の一種が水槽内で繁殖してしまい、魚の体表に付着して白い点が付いているように見えます。
最初は体の一部分ですが進行とともに白い部分が広がっていったり、痒みも生じるため体を擦り付けるような仕草をするようになります。
病気になった場合どうしたらよい?
これらの病気にかかった際は、薬浴が有効的で、ペットショップや専門店には魚用の薬が病気別に売られているので、対応するものを購入して使用すると良いでしょう。
白点病に関しては、水温をあげると症状が改善されることもあるので、薬浴する前に試してみてください。
薬浴は治療に有効な手段ではありますが、少なからず魚へダメージを与えてしまいます。
1番は病気にならないことですので、水質の管理などを徹底したり、栄養満点の餌を食べさせてあげて病気に負けない体を作ってあげましょう。
病気にならないよう気をつけることは?
病気になってしまう原因は、寄生虫や細菌が主ですが、そういったものに感染しやすくしてしまうのがストレスです。
ストレスを感じているディスカスは色の鮮やかさが無くなりますので、そのような見た目の変化が現れているなら、ストレスの原因を突き止めてあげましょう。
広い水槽で飼育しているからストレスの心配は無いと思いがちですが、実は広すぎても警戒してしまい、ストレスを感じてしまいます。
飼育している数に対して広すぎる水槽でしたら流木などのオブジェを設置してあげて、広さを調節してあげると良いですよ。
ストレスを感じさせないことが病気になりにくくする上でとても重要ですので、無闇に驚かせたり不安がるような行動は控えてくださいね。
オスとメスの見分け方は?
ここからは繁殖について書いていきますが、まずは繁殖方法の前にディスカスのオスメスの見分け方をご紹介していきましょう。
繁殖させる為には当たり前ですが、オスメスペアが居ないとダメですもんね。
ただディスカスのオスメスの見分け方は少し難しいと言われています。
成魚にならないと判別がはっきりと分からない上、完全に言い切る事は難しいです。
見分け方としては一般的にはオスの輪精管とメスの輪卵管の部分を確認すると判別しやすいと言われています。
お腹の部分を見て、先端が細く尖って逆三角形ならオスの輪精管、真っ直ぐ太くて先端が平らであればメスの輪卵管になります。
上記の見分け方でもよく分からない場合は、同一水槽で5匹程飼育すればいずれペアが出来ます。
それを待つのも1つの手だと思いますし、他には販売店でペアになっているディスカスを入手するのも1つの方法だと思います。
同種の混泳で気を付けることは?
ディスカスの同種混泳で気を付ける事は基本的にディスカスは群れで行動する熱帯魚なので単体飼育より複数飼育の方が望ましいです。
その際の注意点としては複数と言っても2~3匹での飼育になると弱い個体はいじめられる可能性が出てきます。
5匹~程度での飼育になると上記の可能性は0では無いですが少なくはなるので5匹~くらいでの飼育が望ましいと言われています。
繁殖方法と必要な物は?
ディスカスの繁殖方法ですが、グループで飼育をして晴れてペアになるディスカスが現れた時に、そのペアだけを隔離して繁殖活動をさせたいので別水槽が必要になります。
ペアを別水槽に移し落ち着いて繁殖出来る場所を作ってあげましょう。
ディスカスの繁殖行動の時に「ディスカスダンス」と呼ばれる物があります。
ディスカスダンス♪
それは、体をブルブルと小刻みに震わせたり、ペアが向き合ってお辞儀をする行為が見られるかと思います。
ディスカスを繁殖目的で飼育するのであれば見ておきたいですよね。
繁殖する際に気を付けることは?
繁殖時に気を付ける点としては、まず前提としてこの時期のディスカスは神経質になっているのでむやみに手出ししない事です。
極力ペアに任せ、餌も食べ残しが出ると水質悪化になるので適度に与え、尚且つ良好な健康状態を維持する。
そのペアが繁殖活動をしやすい環境を整える事に努める事が最大の注意点かも知れません。水換えもしにくくなるので上記で記載した餌の食べ残しには注意しましょう。
晴れて孵化して稚魚になるとディスカスは子育てをします。
稚魚は親のディスカスの周りを泳ぎ、この時に親ディスカスの体から分泌される「ディスカスミルク」と言われる物を摂取し成長していきます。
非常に珍しい生態ですよね。
ディスカスの繁殖に成功した家庭へ訪問♪
他の種類の魚との混泳可能?
基本的に他種との混泳は向いていないと言わざるを得ません。
神経質な上に気が荒いときているので他種は攻撃される可能性が大きくなります。
色んな熱帯魚と混泳しているシュリンプ系も餌になってしまうので避けましょう。
個体の性格にもよるので混泳が完全NGだ、とは言い切れませんが出来る事なら同種で飼育する方が余計な気を使わなくていいのでは無いでしょうか?
まとめ
熱帯魚の王様と呼ばれるディスカスに関してご紹介させて頂きましたが、王様と呼ばれるだけあって飼育も一筋縄ではいかないですね。
何より、単一での飼育は望ましく無いので複数飼育をしなくてはいけないので、それに伴い大型の水槽にもなるし、水質の悪化も早くなるのでこまめなメンテナンスを要す点等が難しいと言われている所以でしょうか。
ただ清潔な環境作りはディスカスに限った事では無く、どの熱帯魚でも同じですからね。
それより、ディスカスを複数飼うだけの大型水槽の場所を確保する事の方がなかなか難しそうです。。。
ディスカスの成魚の平均サイズは20㎝程なので、それを5匹飼育すると考えたらどれだけの水槽サイズになるかはご察しの通りですよね。
そして、ディスカス特有の病気は完治させることができないため、治療をしても進行を遅らせるだけなので、発症してしまったら寿命は確実に短くなってしまいます。
なるべくこのような病気にならないためにも、水の汚れなどに注意して飼育してみてください。
また、何か異常をすぐ見つけられるように普段からよく観察しておくようにしましょう。
早い段階でしたら、魚へのダメージも少しで済むことが多いです。少しでも長生きできるように、できることは全て行いたいですね。
以上、ディスカスの飼育方法に関してまとめさせてもらいました!
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