キョンの鳴き声！害獣で食用なの？捕獲・駆除はOK？

皆さまは、キョンと言う動物をご存じでしょうか？

鹿に良く似ている為、鹿の子供と見間違われる事も多く、可愛らしい顔をしています。

しかし、最近では動物園から脱走したキョンが恐ろしく増えすぎてしまい、農作物への被害も多く報告されている事から、生息数の低減化を図る為に全頭駆除を目標にしている地域もあるようです。

今回は、そんなキョンの鳴き声！害獣で食用なの？捕獲・駆除はOK?について解説したいと思います。

キョンの生息地

キョンは、シカ科ホエイジカ属になり、大きさはシカよりも小さく小型のシカと見間違える事がありますが、目の下に臭腺を持つ事で区別がつきます。

その為、目が４つあるように見える事から四ツ目鹿の別名を持ちます。

そんなキョンは、中国南東部や台湾などに自然分布しており、森林地帯や低木のある草原などを生息地としています。

日本では、現在は閉館されている千葉県の勝浦市の動植物園行川（ナメガワ）アイランドと、大島の都立大島公園の動物園で外来生物として飼育されていましたが、逃げ出した個体が繁殖して野生化し、広く分布するようになったと言われています。

キョンの鳴き声

キョンはシカの仲間である為、鳴き声もシカのように鳴くのかと思いがちですが、「キャ、キャ」と普段は犬に似た鳴き声のようです。

しかし、外敵に出会ったときや危険を感じたときなど興奮状態のときは更に大きくなり、同時にひずめで特殊な音をたてて仲間に知らせると言われています。

その鳴き声が「ギャオー、ギャオー」と吠えるように聞こえるため、可愛らしい顔からはとても想像できない鳴き声であり、夜中にこんな声が暗闇に轟いた場合は気持ちの悪いものですよね＾＾；


少し聞こえづらいですが遠くで鳴いています

キョンは害獣で食用？

キョンは、一夫多妻制でメスは生後６か月もすると妊娠が可能になり特定の繁殖期がない事から、１年中繁殖することができる為、恐ろしいほど繁殖率が高い生き物になります。

その爆発的な繁殖力により、１９９０年にキョンの野生化が確認されてから１７年間の内に４０００頭まで増え、２０１４年末の調査ではその１０倍以上の４万７０００頭まで増えてしまい、それと並行するように農作物などへの被害報告も年間を通して増え続けていると言われています。

キョンの赤ちゃん！

その為、２００５年から特定外来生物の指定となり国内へ無許可で持ち込んだり飼育する事を禁止していますが、繁殖率が高い上に特定する外敵もいない事から増え続ける事に歯止めとなるものがなく害獣扱いとなっています。

台湾では特定保護動物に指定されて守られており、中国では普通に食用として料理の材料に使われており、シカの肉よりも柔らかく、癖もないので美味しいと言われています。

その他にはなめし皮がきめ細かい事から楽器やカメラなどのレンズの手入れに使われる事が多く高級品としても利用されているようです。

このように中国では食用だけでなく高級品としても扱われていますが、日本では増え続ける事で多くの被害が報告されています。

キョンの被害

キョンの食性は、木の葉や果実以外に小さな哺乳類も食べる事から雑食性であり農作物なども荒らす為、多くの被害も報告されています。

代表的な被害では、伊豆大島の名物でもある明日葉がキョンによって食べつくされてしまい、年間で４００万円もの被害が出ています。

また、明日葉に限らずミカンやカキ、菊の花、更には筍や稲などへの被害報告もあります。

被害は農作物だけでなく生態系に関わる被害報告もあり、本来ニホンジカが捕食しないアリオドシなどをキョンが食べてしまう事でニホンジカと植物の間に成り立ってきた従来の生態系が崩れるとされており、キョンが定着するイギリスでも昆虫類や食草の減少などの指摘もあります。

キョンは捕獲・駆除は可能？

キョンは鳥獣保護法で狩猟対象にならない為、捕獲する場合は罠を使った方法でしか捕獲できない事になっています。

しかし、狩猟者登録を行っている猟友会の者であれば狩猟期間内に捕獲することができますが、何と言っても繁殖率が高い為、決まった期間内に捕獲しても結局イタチごっこでしかありませんよね。

法律が変わらない限りキョンを駆除することは難しいようです。

駆除ではなく他に良い方法があれば良いのですがね！

キョン料理とは？

ジビエ料理としてシカを食べる地域はありますが、キョンの肉も中国では薄くスライスして野菜と炒める料理が中華料理では主流になっています。

しかし、人間は牛や馬、鳥、シカ、鯨・・・とどんな動物も美味しく食べてしまうわけですから地球上で最強とも言えますよね！

恐れ入りました！

キョンの天敵は？

キョンは日本では動物園などで繁殖して増えた状態から逃げ出し、環境的にも天敵となるクマやオオカミも少ないため、更に大繁殖したと考えられます。

農作物の被害状況などから千葉県では生息数を低減化する為にも全頭駆除の実施も考えている為、やはり一番の天敵は人間と言う事になりそうですね。

まとめ

如何でしょうか！

シカにも良く似たキョンの存在が少しは理解できましたでしょうか！

顔をみるととても可愛らしく凶暴性もない為、害獣に指定されているうえ食用にもなっている事には理不尽さも感じますし、理解する事ができませんが、自然環境の破壊や生態系を壊してしまう事では死活問題でもある為、致し方ないのかもしれませんね。

それもこれも全ては人間がもたらしたものであり、動物園から脱走した時点で速やかに対処すればこんなことにはならなかったのではないだろうかと考えざるを得ませんが、皆さまはどのように感じられたでしょうか！

以上、キョンの鳴き声！害獣で食用なの？捕獲・駆除はOK?についての解説でした。
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