皆さんは、ヌートリアと言う動物をご存じですか?
容姿は、動物園でも大人気のカピバラとよく似ているところもあり、どちらもゲッパ類の仲間です。
しかし、同じゲッパ類の仲間でありながらカピバラは最強の癒し動物と言われ、ヌートリアは、害獣扱い・・・さて、その理由はどんなところにあるのでしょうね?
今回は、そんなヌートリアは食べる事ができる?駆除・生態・カピバラとの違いなどについて解説したいと思います。
目次
ヌートリアの生態
ヌートリアは、ネズミ目・ヌートリア科に属するネズミの仲間で、その大きさはネズミの中でも世界最大と言われています。
原産国は、南アメリカで、毛皮などの需要の為に飼育されていましたが、野性化してしまい、北アメリカ、ヨーロッパと日本を含むアジアに広く分布しています。
その為、ヌートリアはもともと日本に存在する生き物ではなく外来種になり、「沼狸」や「洋溝鼠」、又は「舶来鼠」の別名を持つ事で知られています。
泳ぎが得意であり、池や沼などの流れの弱い河川に生息し岸辺の土手辺りに巣穴を掘って主に番で生活します。
食性は、ホテイアオイやマコモなどの水生植物の葉や茎などを好んで食べており活動は朝方と夕方に餌を摂る為に徘徊行動し、日中は巣穴で休息している事が多いとされています。
また、繁殖率が高く、季節問わず年に2~3回出産をします。その生態系はマスクラットと似ている事から良く混同されるようです。
ヌートリアの被害
性格的には大人しく特に害はないように見えますが、アライグマやオオクチバスと同じように特定外来生物でもあり、野外繁殖や自然形態を壊す事から害獣扱いにもなっています。
日本では、第二次世界大戦終戦後、毛皮の需要が激減したことで飼育されていた多くのヌートリアが野に放され、天敵もなくそのまま野外繁殖をした為に増えてしまったものと考えられています。
現在は、環境省の外来生物法(特定外来生物による生態系などに係る被害の防止に関する法律)で特定外来生物に指定されており、生息が確認されている県は、岐阜県、愛知県、鳥取県など、少なくとも西日本のほとんどの地域に定着しているようです。
被害については、イネや大麦、野菜などの農作物を荒らし、その被害総額が全国で1億円以上とも報じられるほどです。
また、農作物だけでなく昆虫などの自然形態をも破壊し、深く複雑に入り組んで掘る巣穴で堤防決壊の恐れも懸念されており、住宅の庭先への侵入や漁網を食いちぎるなど被害も報告されているようです。
これがヌートリア!!!
ヌートリアの駆除方法
野性化したヌートリアは、繁殖力旺盛なうえに天敵もいない為、増え続ける事で更に被害も増すものと考えられ、自治体によっては捕獲することで謝礼金を払っている所もあるようです。
しかし、個人が捕獲する場合は免許や許可証の申請も必要である為、そう簡単にはできないようです。
その為、ヌートリアの捕獲には以下の3つの対策が行われています。
・猟友会によって捕獲
罠などを設置する他に、銃器なども使って捕獲する
・箱罠
自治体によっては箱罠を貸し出している所もあり、岐阜県では平成20年度の捕獲数が254頭中163頭が捕獲されたと言う事です。
・侵入防止策
ネットや金網、電気柵などを使ってヌートリアの侵入を防止します。
このようにヌートリアの駆除には様々な対策がとられていますが、もともと毛皮目的で飼育され必要が無くなった事で野に放され野生化した動物ですから、駆除されるいわれはないはず・・・
理不尽なやりかたとも言えますが、死活問題を考えれば致し方ないともいえますが、できれば「ヌートリアさん、ごめんなさい」と一言誤って欲しい所ですよね!
ヌートリアは食べる事ができる?
ヌートリアは日本でも毛皮を目的に飼育されていた生き物ですが、中国では食用にもされていたようです。
しかし、味は分かりませんが、食用や毛皮目的に大切に飼育されてきたのに、害獣扱いとして駆除されるわけですからヌートリアにとっても踏んだり蹴ったりで大変ですよね。
特に攻撃性も少ない生き物であるため気の毒にも感じますが、今はやりのジビエ料理などでその地位が復活することも無きにしも非ず・・・でしょうかね!
ヌートリアとカピバラの違いは?
ヌートリアは動物園で見かける事がありますが、よく間違えてしまうのがカピバラ・・・!
どちらもネズミの仲間であり、チョッと見るとその判別は難しい物もありますが大きな違いは、前歯と体の大きさ、そして尾の長さにあります。
・体の大きさ
カピバラは、1m以上
ヌートリアは、40cm~60cm程度
・前歯
カピバラは、あまり出てはおらず色は白
ヌートリアは、2本の歯が出ており色はオレンジ色
・尾の長さ
カピバラは、尾がみられません
ヌートリアは、長い尾があります
また、生態にも違いがありヌートリアは縄張りをもち番い、又は単独で行動することが多いですが、カピバラの場合は群れをつくって生活します。
これらがカピバラとヌートリアを見分けるポイントのようです。
ヌートリアは飼育することもできる?
前にも記述しましたが、ヌートリアは外来生物法(特定外来生物による生態系などに係る被害の防止に関する法律)で特定外来生物に指定されている為、飼育や移動などは禁止されています。
その為、動物園でも個人でも輸入や飼育、運搬、又は野外に放つ事は出来ません。
しかし、国から許可証をもらっている動物園だけは飼育が許されており、個人で勝手に飼育した場合は、1年以下の懲役や100万円以下の罰金が課せられるので、注意が必要です。
まとめ
カピバラとヌートリアは同じネズミの仲間でありながら、かたやドブネズミの別名を持ち、食用や毛皮を剥がれ、必要が無くなったと言っては野に放ち・・・
野性化して農作物に被害を与えるからと言っては害獣扱いで駆除対象にされる・・・
しかし、その実態は大人しい動物に過ぎず、ただ生きるために餌を求めているだけ・・・
死活問題と言えば仕方のない事ですが、ヌートリアに限らず特定外来種に指定された動物達にだって生きる権利はあるのでは・・・
その為にも飼育を始めた以上は、最後までしっかり責任を持つ事が大切になります。
そうでなければ動物たちの反乱があってもおかしくない世の中ですよね。
以上、ヌートリアは食べる事ができる?駆除・生態・カピバラとの違いなどについての解説でした。
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