“イルカ”と言えば海の生き物と言うイメージを持つ人は多いですが、イルカの中にもアマゾンカワイルカのような淡水にすむ種類もおり、世界では4種類確認されています。
そんな淡水に生息するカワイルカの中でもアマゾンカワイルカは最大種であり、現地では面白い伝説も残っているようです。
目次
アマゾンカワイルカの生態
アマゾンカワイルカは、南アメリカのアマゾン川に生息する生き物で、鯨鋼偶蹄目アマゾンカワイルカ科・アマゾンカワイルカ属に分類される鯨類になります。
体長、208~250cm、体重が約85kgで海に生息しているイルカと変わらない大きさであり、通常群れを成す事はなく、単独か2頭で行動することが多いですが、稀に20頭ほどの群れを成す事があります。
本来イルカは、海で生活する生き物ですが、アマゾンカワイルカのような川で生活するカワイルカも元々は海で生活していたようです。
なぜアマゾンカワイルカは川で過ごすようになったの?
それが川で生息するようになったのは、今から約1500万年前に原始的な鯨だったアマゾンカワイルカの祖先が海の鯨との生存競争に負けたことで、アマゾン川の汽水域へと進出し生息範囲を川へ広げたことが始まりとされています。
川で生活するようになったカワイルカは川底の泥の中のエビやカニ、又は小魚を捕食しやすいように嘴が細長く進化しました。
そして川の中の小枝や石、又は植物などの間を自由自在に泳ぎながら餌を探す事ができるように首が90度まで曲がるほど柔らかく、また邪魔になる背びれが小さくなり逆に胸鰭が発達したとされています。
特に大きく進化した物は目であり、濁った川の中で必要性が無くなった目は退化し、種によっては盲目である場合もあります。
その為、目の代わりに聴覚と触角が発達し、細長い嘴の下に感覚毛と呼ばれる感知器のようなものが出現し、これで超音波や障害物などの位置を感知しながら餌を自由自在に捕食します。
超音波を発して環境を把握するのは、海のイルカと一緒ですね。
そんなカワイルカは、3千500万年前に生きていた原始的な鯨と同じ特徴を持つ事から生きた化石とも言われます。
生態や現在までの進化の過程はまだまだ謎に包まれた部分も多く、2014年にはブラジルで本種の個体群から新種が発見されており、その環境保全や生物学的にも注目されているようです
アマゾンカワイルカの伝説とは?
現地では、カワイルカの雄は魔物と考えられており、あまり良い印象を持たれない伝説があります。
調べて見ると、面白い事が分かりました。
夜中になるとカワイルカの雄が美男子に化けて若い女性に近づき、妊娠させて翌朝になると元のイルカに戻り川へ戻って行く・・・と言うように、父親の分からない子供の多くはアマゾンカワイルカの仕業と言い伝えられていたようです。
また、オスばかりでなくメスも絶世の美女に変身して、人間の男性をたぶらかし、腑抜けにして川へ帰って行くと言うようなとんでもない伝説が残っています。
誰ですか、絶世の美女なら一度たぶらかされてもいい・・・なんて考えている殿方は・・・!笑
因みにアマゾンカワイルカの目を見ると、一生悪夢を見続けると言う言い伝えもあり、美しさに引き寄せられつい見つめ合う事になったら大変な目に合いそうですよね。クワバラクワバラ・・・!
そもそもこのような伝説がたてられた理由には、アマゾンカワイルカの雄の生殖器が人間の男性の生殖器と良く似ているためにこのような言い伝えになったようです。
この事から、年頃の若い女性に対して体を大切にしなさいと言う注意にもとれ、全世界の共通項でもあると言えそうです。
背泳ぎするアマゾンカワイルカ!!
アマゾンカワイルカに天敵はいる?
アマゾン川の中には約500万種を超える生物が生息しており、その中には毒を持つものや肉食であるものなど危険な生物も多くいる為、アマゾンカワイルカにとっては天敵の中で生活しているといっても過言ではないようです。
中でもピラニアは獰猛である事は知られていますが、そんな獰猛なピラニアもアマゾンカワイルカには捕食されるようです。
しかし、ピラニアを捕食すると言っても天敵がいないわけではなく、ワニやメジロザメ、アナコンダ、ナマズ科のカンディル、ジャガーなどの他に、魚の捕食や漁具に損傷を与える事で現地の漁師からの駆逐や環境汚染などによる脅威に脅かされる事はあります。
その為、4種類のカワイルカのうち3種類は国際自然保護連合(IOCN)により絶滅危惧種に指定されており、カワイルカの中でもアマゾンカワイルカは安定して生息している方ですが、数が激減しているのも確かなようです。
アマゾンカワイルカの寿命は?
野生でアマゾンカワイルカの寿命は不明ですが、一般的に水族館で飼育されているイルカの寿命はストレスなどの影響から約5年~7年と短いようです。
しかし、ドイツの水族館で飼育されたものでは40年以上も生存していた個体もいる為、一概には言えませんが、野生では50年くらいは生きるのかもしれませんね。
恐い・きもいと言われるのはなぜ?
カワイルカにはピンク色をした物が多い事から別名を「ピンクイルカ」とも呼ばれており、一説ではオス同士の喧嘩で負った過去の傷跡とも言われています。実際、ピンク色の可愛いイルカほど気性は荒い傾向にあります。
また、魚に似つかわしくないピンク色などが異色ともとれ、きもいと思われるきっかけにもなったのではないでしょうか。
また、海のイルカに比べて嘴が細長く、口を閉じても鋭い歯が見え、盲目である為、目が小さい事などが肉食性である姿に対して恐いと言われる要因にもなったようです。
しかし、海のイルカと同じように人間には友好的であり可愛らしい性格をしているようです。
その為、見た目だけで判断されるアマゾンカワイルカは少し可哀想とも言えますよね。
実際、ピンクのイルカを見ると幸せになれると言う言い伝えもあるようなので、海のイルカ同様に愛してあげてはいかがでしょうか。
日本の水族館で見る事ができる?
そんなアマゾンカワイルカは、残念ながら日本国内の水族館では見られないようです。
しかし、30年前には千葉の鴨川シーワールドで飼育していたと言う記録があり、日本でアマゾンカワイルカを飼育した水族館はこの1件だけのようです。
この時期にピンクイルカを見られた方は幸運とも言えますよね。
まとめ
人間と友好的なイルカは、海だけの生き物と思ってきましたが、川にも生息している事に驚いてしまいましたね。
更に、その姿は3千5000年前に生きていた原始的な鯨とほぼ同じ特徴を持つと言われ、とても貴重な生き物であるとも言えます。
元々海の生き物だったのが生存競争に敗れて川に生息するようになった為、川の中で生活しやすいように長い年月を経て進化したとも言えます。
その姿は嘴が細長く、目や背びれは退化してしまい身体全体も軟らかくなり、体色はカワイルカに多いとされるピンク色をした容姿です。
その為、別名をピンクイルカとも呼ばれており、現地では様々な伝説を持ちあまり良いイメージはもたれないようです。
また、残念ながら30年前に鴨川シーワールドのみ飼育されて以来、日本の水族館では見る事ができず、今では数も激減し絶滅に瀕している状態です。
海のイルカと同様に人には友好的な性格である為、同じように愛されるイルカになって欲しいと願わずにはいられません。
以上、アマゾンカワイルカの伝説って?天敵・寿命・恐いと言う噂もの解説でした。
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