ハリガネムシという生き物をご存知でしょうか。
見た目、ただの紐のようにしか見えない生き物なのです。
といっても、画像で見るくらいで日常的に生活していて遭遇することはあまりないと思います。
動画で見ればただの紐というよりは動きを確認できるのでもう少し違う表現ができると思います。
しかし、あながちただの紐という表現も間違ってはいなくて、乾燥すると針金のように固くなることから、ハリガネムシと呼ばれるようになった経緯があります。
漢字で書くとそのまま「針金虫」と書きます。
そんなハリガネムシはいったいどんな生き物なのでしょうか。
天敵はいるのでしょうか……飼育ができるのでしょうか。
そのあたりをまとめてみたいと思います。
目次
ハリガネムシの生態
ハリガネムシはカマキリやバッタなどに寄生する虫と知られているようです。
世界中に300種類以上、実際はもっと多く2000種類はいると言われています。
日本には14種類、確認されています。
ハリガネムシは水生生物なのですが、一部は昆虫に寄生して生き行きます。
またメスは糸くずのような卵を大量に産むそうです。その卵は1~2カ月かけて孵化し、-30度でも死なないそうです。
虫は暑さに弱かったり寒さに弱かったりである程度の気温を境に行動しなくなったり死んでしまったりするのに対し、ハリガネムシは-30度の極寒でも死なないとは、かなりの強者のように感じます。
ハリガネムシの成虫はどんな虫
ハリガネムシの寿命はだいたい1年くらいです。
春頃孵化しますので、活動期間は春~春ということになります。
夏の終わりから秋ごろ、寄生したカマキリなどの体内から出て水中で越冬します。
ちょうどこの辺りで成虫になったハリガネムシを見ることができるのだと思います。
体長は数十センチ、長いと50センチほどもある個体もいるようです。
直径1~2ミリくらいの太さで、数十センチある身体を無造作に丸めたような感じで水中にプカプカと浮かびます。
触れると柔らかいような固いような、なんともいえない感触で、針金と言われればそれに近い感触のです。
触れずに見た感じだと細いカテーテルのような感触なのかな……とも見えます。
ハリガネムシは飼育できる?
先に結論からいいますと、できないこともないかな……といったところでしょうか。
といいますのも、ハリガネムシは成虫になるまで2種の生き物に寄生しなくてはなりません。
成虫になった状態のものを飼育するといっても、寿命は1年なので数カ月後には死んでしまいます。
そこで、ハリガネムシが寄生する生き物を用意、もしくはハリガネムシの卵がある入れ物の中で飼育して寄生しやすい環境を作ります。
寄生された宿主が無事成長するまでしっかりと飼育をし、それをカマキリに食べさせます。
カマキリの体内で成虫になったハリガネムシが出てくるのを待ち、水中で越冬させ産卵させて……というのを繰り返していけば、飼育は可能でしょう。
卵を産ませるには雄雌のハリガネムシを用意しなくてはなりませんが……
なんかハリガネムシを飼育しているのか、寄生させる生き物を飼育しているのかがわからなくなりそうですよね・・・笑
ハリガネムシの天敵
ハリガネムシの天敵はなんでしょう。
カマキリにとってハリガネムシが天敵のなのはわかるのですが、ハリガネムシの天敵はなかなかみつかりません……
幼虫の時はほかの生き物に寄生しているので、寄生した生き物にとって天敵が彼らにとっても天敵かもしれませんね。
ハリガネムシの出し方
ハリガネムシに寄生されたカマキリのお尻を水につけると、お尻からニョロッと長いモノが出てきます。
ハリガネムシの成虫は水中で越冬し春に産卵しますので、出てきやすくなるのでしょうね。
カマキリならなんにでも寄生するというわけではなさそうです。
ハラビロカマキリにはほかのカマキリより寄生されやすいとのことで、ハリガネムシを寄生したカマキリから出してみたいときは、ハラビロカマキリを見つけるのがよいでしょう。
※閲覧注意 ハリガネムシがニョロっと出てきます
まとめ
ハリガネムシ、幼虫の時はほかの生物に寄生するので、人にも寄生するらしい的な不安があるかもしれませんが、人間に対しては無害らしいです。
そもそも、ハリガネムシに遭遇かるチャンスは夏の終わりから秋とかなり限られていますので、人の目にさらされる機会も少ないと思います。
それでも一度は現物を見てみたいとなると、ハラビロカマキリを捕まえてみるのが手っ取り早そうですね!
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