水族館などで見かけるオウムガイは、水の中をプカプカと浮かびながら気持ちよさそうに移動している為、見ているだけでも癒されますよね。
そんなオウムガイは、姿かたちが巻貝のように見える事からアンモナイトと同じ巻貝の仲間と考えがちですが全く別の種類のようです。
では、何の仲間なのでしょうね?
今回はそんな、オウムガイの泳ぎ方!生息地・種類・天敵・イカと同種かについて解説いたします。
目次
オウムガイの生息地
オウムガイは、南太平洋やインド洋、オーストラリア近海の暖かな海に分布しており、サンゴ礁が広がる奇麗な海水に生息する生き物です。
普段は、100m~600mもの深海にすんでおり、昼は深い所にいて夜は100mくらいまで浮上してきます。
その為、漁をしている人が時々釣り上げる事もありますが、泳いでいる姿を見る事は難しいようです。
また、800m以上になると殻が水圧に耐えられず壊れてしまう事から、600m以上の深海に生息することは不可能だとされています。
オウムガイの種類
約4億5000万年前の古生代であるシルル紀からデポン紀にかけて出現したオウムガイは、5億年前に出現したチョッカクガイが進化した生物とも言われており、長い年月の間姿かたちが変わらない事から生きた化石とも呼ばれています。
そんなオウムガイにもいくつかの種類があり、
パラオオウムガイ
ヒロベソオウムガイ
コベソオウムガイ
オオベソオウムガイ
オウムガイ
の5種類が確認されています。
それら全て外見上が良く似ている為、違いはよく判りませんが、近年ではDNAによる研究結果でヒロベソオウムガイは別の種類である可能性があるとも言われています。
オウムガイはどうやって泳いでいる?
海の中でプカプカと移動するオウムガイの泳ぎ方は独特であり、興味のあるところですが、なぜこのような泳ぎ方なのかを知っている人は少ないのではないでしょうか!
それは、オウムガイの殻の中に秘密があります。
殻の中にはいくつかの部屋に仕切られた空洞が連なってます。
その空洞の最も広い出口の部分に体を収めている訳ですが、その殻の中の空洞にガスを溜めて浮力を得、このガスを上手く調節しながら深い所や浅い所へと移動するようです。
また、タコやイカと同じように漏斗(ロウト)と呼ばれる部分から海水を吸い込み、その海水を吐き出す反動を利用して泳いでいます。
つまり、上下の浮き沈みはガスによる浮力の調節であり、左右の移動は漏斗を利用することで独特の泳ぎ方になると言えます。
オウムガイに天敵はいる?
オウムガイは、生きる化石とも呼ばれていますが、長い年月の間には近しいアンモナイトなどは絶滅しています。
イカやタコは殻を捨てて生存を図ったのに対し、オウムガイがその姿を変えることなく生き続けられた理由は、環境が安定しているうえにオウムガイの殻をかみ砕く天敵がいない深海に生活圏を移した事にあります。
また、肉食性ですが他の魚を襲うほどのスピードもなく、死んだ魚介類や脱皮した殻を食べて生きる事ができるので長い時代を生きられたとも言えます。
しかし、現地では高級食材として食べられることも多く、模様の入った貝殻も土産や民芸品として利用されています。
つまり天敵は人間と言う事になりますね。
オウムガイはイカの仲間?
オウムガイの姿かたちは巻貝であるため、貝の仲間と考えてしまいますがイカやタコのような頭足鋼に属する種でありイカやタコと同じ仲間です。
ただ、イカやタコのように泳ぎが素早くない為、食性は肉食でも生きた魚介類を捕食することは無く、目もイカやタコのようなカメラ眼とは違いレンズの構造を持たない事からオウムガイの視力は良くないです。
また、オウムガイの祖先はチョッカクガイであり巻貝(腹足類)から進化したと言われている事から、腹足類や頭足類も祖先は同じと言う説もあります。
まとめ
水族館でしか見られないオウムガイは、アンモナイトと同じ貝類の仲間だと思っていましたが、イカやタコと同じ頭足類である事に驚いてしまいましたね。
しかも5億年前に出現したチョッカクガイが祖先になり、そこから進化して以来今日までその姿を変えることなく生き続けてきた事は、まさに生きる化石そのものです。
その生き残りの主な理由には、深海に生活圏を移した事にあり、偶然なのかオウムガイの知恵なのか分かりませんが、何かを考えてのことだとしたら素晴らしいことですよね。
今も尚、研究が続けられているとのことですから、また新たな発見も楽しみです。
以上、オウムガイの泳ぎ方!生息地・種類・天敵・イカと同種かについての解説でした。
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