水生の生き物の中でトンボの幼虫でもあるヤゴなどは知名度が高く多くの人がご存じかと思います。
また、トビケラと呼ばれる昆虫もヤゴと同じようにその幼虫は水中で生活する生き物です。
そんなトビケラの種類は多く、種類ごとに大きさや餌などにも違いがあり、特に巣の作り方は独特だとも言われています。
今回は、トビケラの幼虫の種類や大きさは?また、エサと巣の特徴も解説いたします。
目次
トビケラの幼虫の種類
トビケラは、2億年前のチョウ目との共通祖先から進化したものと言われており、チョウの仲間ではありますが姿かたちは蛾に良く似た完全変態をする一群です。
そんなトビケラ目は極地を除く世界各国に分布するほど数が多く、世界中に13000種も存在すると言われています。
日本では約430種ほど確認されており、そのうちの118種以上が兵庫県での確認が報告されています。
トビケラの幼虫の形態は、細長い芋虫状をしており胸に付いている脚の部分は良く発達している為、流水性のカワゲラやカゲロウと肩を並べる程と言われています。
トビケラの幼虫は幼虫期と蛹期を淡水中で過ごしますが、種類ごとに水域が異なり、渓流のような奇麗な川に棲むものや湖や沼、池などの流れの無い場所に生息する種類もおり、中には湧水や岩盤を流れ滴る場所や海、陸に棲む種類も僅かながら確認されています。
身近にみられる種類だけをあげてみると以下のような種類になります。
・ナガレトビケラ
・ヒゲナガトビケラ
・コガタシマトビケラ
・エグリトビケラ
・ニンギョウトビケラ
・オオシマトビケラ
またこの他にも
・フトヒゲトビケラ
・アシエダトビケラ
・・・など等、数えきれない種類が存在しています。
その為、トビケラは作る巣の形が種類ごとに違う事から、巣の形状で種類を判断する事もできます。
大きさはどれくらい?
トビケラの成虫は蛾に良く似た形態をしていますが、鱗粉や口器は未発達で弱く、縦長の体型に細長い触角が棒状に伸びて目が赤い事から不快害虫とも言われています。
そんなトビケラの平均的な翅長は約5~40㎜程度と小・中型の種類が多いです。
また、幼虫は食べる餌によって種類ごとに大きさが違いますが、だいたい10㎜~40㎜前後ほどであり、中でもエグリトビケラはトビケラ目の中では最大とされており成虫の翅長の大きさが60㎜もあり巣の大きさも60㎜と言われています。
トビケラの幼虫のエサは?
トビケラの成虫は、口器の発達が弱い為、蛹から羽化して成虫になった後は、ほとんど餌を食べずに、短い生涯を終えるようです。
その為、エサを捕る時期は幼虫期や蛹期の時だけであり、主に水中を流れる藻や枯れ葉等の有機物を食べて過ごしますが、種類によっては小さな昆虫などを食べるものもいます。
トビケラの幼虫は種類ごとに食べる餌も違い、水中の有機物をたくさん食べて大きくなるわけですが、やっと羽化して飛び出した成虫は数日で短い生涯を終えてしまうため、初めから口器が発達していないと言う事にショックを受けます。
つまり、成虫の大きさを決めるのは、如何に幼虫期、蛹期にたくさん食べたかで決まるとも言え、トビケラの一生は成虫期よりも幼虫期に重点があるとも言えますね。
巣の特徴は?
トビケラ類の幼虫はイサゴと呼ばれ、その多くは巣を作る事でも有名です。
その巣作りは、自分の口から絹糸様の分泌物を出して小石や枯れ葉などを巻きこみながら円筒状、又はその他の巣を作り、巣の中で蛹になり有機物を食べながら水中を動きます。
特に、ニンギョウトビケラ類などは砂や小石を集めて水底に巣を作り、幼虫期はその巣を背負って移動しながら餌を捕食します。
また、蛹になる前に流されないように岩や石などに巣を固定するわけですが、その巣の形が人形に似ている事で名前の由来にもなったようです。
それぞれの種類によって巣の作り方にも個性がありますが、観察していると面白そうですね。
まとめ
トビケラ類の種類の多さに驚いてしまいましたが、幼虫は口から絹糸を分泌する事から石蚕の語で表され、そのユニークな巣作りにも興味が持てそうです。
また、種類によって巣の形態も大きさも違い、巣の形から種類が判別できると言うところにも興味が持てますよね。
そんなトビケラの大きさは、小さな物で5mm程度の物から、最大60㎜まであり、その大きさは幼虫が食べる餌によっても左右されるようです。
しかし、成虫になったトビケラの口器は発達しておらず、羽化して飛び出したとしても数日しか生きられないとされています。
トビケラの一生の中で活躍できる時期が幼虫期・蛹期でしかないと言うのも悲しい物を感じますね。
以上、トビケラの幼虫の種類や大きさは?またエサと巣の特徴についての解説でした。
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