ペットで“ウルウルの大きな瞳”、と言えば犬のチワワを連想する方は多いと思いますが、ヤモリにも同じような瞳を持つ種類がいるようです。
その名も、ソメワケササクレヤモリ!
ソメワケササクレヤモリは、女優の新垣結衣さんも飼っていると言うヒョウモントカゲモドキと共に人気が高く、1990年においてヤモリブームの火付け役的な存在にもなりペットとしても飼育しやすいと言われていますが、成体で全長15cm前後と、とても小さい事からその飼育方法などが気になるところです。
今回は、そんなソメワケササクレヤモリの飼育方法や販売価格、品種などについて解説したいと思います。
目次
飼育方法や必要なものは?
ソメワケササクレヤモリは、マダガスカル南西部の固有種であり、可愛らしくて小さい割には丈夫で飼育しやすい事からペットとしての人気が高いようです。
その飼育方法は、低地の乾燥した草原、又は森林に生息する生き物なので温度や湿度管理に注意すれば特に難しい事はないとされています。
また、全長が15cm前後と小さい為、飼育ケースは小さい物で十分です。
飼育に必要な物は以下の通りです。
・飼育ケース
プラケースや水槽、又は爬虫類用のケースなどの通気性がある物なら何でも良いとされています。
また、四肢には趾下薄板があるがあまり発達していない為、重さのある成体は垂直壁を登る事が出来ませんが、幼体の場合は、身体が軽いので垂直壁を登る事ができます。
その為、脱出予防の為に蓋は必要です。
・シェルター
夜行性である為、昼間は岩の隙間や倒木の下などで過ごす事から、シェルターは必須です。
・水入れ
ある一定の湿度を保つ為にも水入れは必要ですが、時々霧吹きなどをかけてあげるだけでも十分だとされています。
・保温器具
パネルヒーターなどで温度を保つ、又は断熱材などで飼育ケースを覆う事も良い方法です。
・温度・湿度計
ソメワケササクレヤモリは、適応力があり様々な環境に生息する事が出来ますが、低温の場合だと消化不良を起こしやすい為、25℃前後を保ち、少なくても20℃を下回らないように注意しますます。
また、比較的乾燥した草原や森林に生息する生き物ですが、極度の乾燥は好まず、湿度が低すぎると脱皮不全などのリスクが高くなり、逆に高過ぎると呼吸器感染症のリスクも高くなる事から、だいたい30%~40%の湿度を保つ事が大切です。
・床材
パームチップなどが良いですが、無ければ新聞紙やキッチンペーパーなどでも十分です。
・ライト
バスキングライトや紫外線(UV)ライトなどを設置して温度勾配、又はくる病対策なども考えてあげましょう。
具体的な餌や与える頻度は?
基本的に食性は動物食である為、コオロギやバッタ、ミルワームなどの昆虫を与え、おやつとして配合飼料などを与えます。
また、野菜や果物も好んで食べる種類もいる為、様子をみて与えます。
その頻度は、幼体の場合は毎日与えますが、成体は週3回位で十分です。
食事シーン
販売価格や販売場所は?
ヤモリの中では比較的繁殖力が高く、流通量も多い事から価格的には安価でありますが、品種や体色などで価格に若干の違いがあり、爬虫類即売会のイベントやセール時には3000円程で販売される事もあります。
しかし、平均的には8000円から取引される場合が多いようです。
販売場所は、爬虫類専門店、又は即売会などで比較的多く見られる為、興味のある方は足を運んでみてはいかがでしょうか。
平均寿命や病気になったときの対策は?
小さくて弱々しいイメージのあるソメワケササクレヤモリの寿命が気になるところですが、平均寿命は5年~15年とされており、飼育下では餌の与えすぎなどで肥満傾向になり寿命が短かくなる傾向にあるようです。
長生きをさせたいのであれば動物全般にも言える事ですが、腹八分目位が丁度良いのかもしれません。
また、ソメワケササクレヤモリはくる病に罹りやすいとされている事から、餌などにカルシウム剤やビタミン剤を混ぜて与える事が必要です。
カルシウムやビタミンD不足によって骨の形成障害で骨折や骨変形を引き起こし、ほとんどの場合は死に至る為、注意しなければなりません。
その他には、温度や湿度管理が不十分だと消化不や脱皮不全のリスクが高くなる為、温度25℃前後、湿度30%~40%をしっかり保てるように管理することが大切です。
更に爬虫類などをしっかり診てくれる動物病院を飼育前にチェックしておくことも必要です。
どのくらいの品種がいる?
ソメワケササクレヤモリは、ヒョウモントカゲモドキに比べると品種は少ないですが、繁殖個体数が多い為、様々な品種が増えています。
その品種には以下のようなものが存在します。
・ザンティック(黄色色素が多い)
・トライストライプ(3本のストライプがみられる)
・ゴースト(白い品種)
・アルビノ(淡いオレンジ色が多い)
・トランスブラックアイ(眼が真っ黒)
・アネリ(幼体は透明感があるが、成体になるにつれて白・黒があらわれる)
・スノー(アルビノと似ているが透明感が違う)
・レディシシュ(新品種、赤みの強い個体が多い)
・ブルーアイ(目が青い個体)
主にこれらの品種が考えられています。
雌雄の見分け方や繁殖方法は?
爬虫類の雌雄判別は難しいとされていますが、ソメワケササクレヤモリの場合、雄であれば肛門の後ろにヘミペニス(交尾器)がおさめられている為、先端が2つに分かれた大きなふくらみが確認できます。
その為、背面から見ると尾の両脇にはみ出した形に見えますが、雌の場合は背面からは確認できないので、このようなところから容易に判別できます。
また、ソメワケササクレヤモリの繁殖力は高く、雄と雌を一緒のゲージに入れる事で、周年繁殖が可能であり、交尾後2~4週間後くらいに産卵を始めます。
交尾後は別々のケースに移し、雌のケース内には産卵床を設ける事が必要であり、3cm位の高さのタッパーにヌカやオガクズなどを入れる場合がありますが、赤玉だけでも十分です。
産卵が確認できた後は、上下逆さにしないように卵を取り出し、湿らせた赤玉などの上に乗せて、温度28℃前後、湿度60~70%で管理すると、約2か月前後で孵化します。
飼育する際の注意点は?
ソメワケササクレヤモリの飼育や繁殖は簡単で、基本的な事を守れば特に問題ないとされていますが、湿度や温度管理はしっかり行う事が大切です。
また、驚くほど繁殖力が高い為、基本的には単独で飼育することが望ましいです。
更に、水入れなどを入れた場合は、サルモネラ菌が発生している場合もある為、掃除をする際には、注意が必要です。
時々、ケースごと丸洗いをするなどして衛生管理を十分に行う事が大切です。
まとめ
ソメワケササクレヤモリはマダガスカルの固有種であり、小さくて可愛らしく、飼育もしやすい事からペットとして世界中に輸出されています。
また、繁殖力も高いため流通量も多く、品種も様々な種類が出回っています。その為、販売価格は比較的安価であり安い物では3000円から販売されているものもありますが、平均的には、8000円から取引されるものが多いようです。
平均寿命は5年~15年とされており、飼育環境によってその寿命も左右されるため、温度や湿度管理、又は衛生管理などをこまめにおこなって出来るだけ長く生きられるように飼育環境を整えてあげましょう。
以上、ソメワケササクレヤモリの飼育方法や販売価格、品種についての解説でした。
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