皆さんは、ジャイアントゲッコーと言う名前を聞いたことはありますか?
ジャイアントゲッコーは、南国の楽園と言われるニューカレドニア本島とイルデバン島に生息する固有種になり世界でも最大級クラスのヤモリの仲間です。
尾の形状から和名をツギオミカドヤモリとされており、別名「ニューカレドニアジャイアントゲッコー」・・・略してジャイゲコとも呼ばれています。
手に持った時の重量感やしっとりモチモチした感触が愛好家達の間ではたまらない魅力となり、ペットとしても人気が高いようです。
今回は、そんなジャイアントゲッコーの飼育方法や販売価格、寿命などについて解説したいと思います。
目次
飼育方法や必要なものは?
ジャイアントゲッコーの体長は、大きなもので全長40cm以上にも及び、ヤモリの中では一番の大型種になります。
また、ほとんどが樹上性である為、高木の樹冠や樹幹で生活することから飼育する場合は大型で高さのあるケージが必要になります。
飼育に必要な物は以下の通りです。
・ケージ
約90cm以上で高さのあるものを用意します。
また、足にある吸盤状のようなもので頭を下にしてはり付いている事が多い為、成体の全長の倍の高さが必要になります。
・流木
樹上棲である為、ジャイアントゲッコーがしっかりしがみ付ける太さの流木を立てて移動が出来るようにレイアウトします。
また、植物などを入れるとより自然な環境づくりができます。
・温度・湿度計
熱帯雨林に生息する生き物なので、温度は日中25℃前後、夜間は20℃前後を保つ事が大切です。
その為、パネルヒーターなどを使いケージ内に温度勾配を作ります。
尚、ジャイアントゲッコーはケージの側面にへばりつく為、これらの設置はケージの外側に据え付けるようにします。
また、夜行性である為、紫外線ライトやバスキングライとなどの必要性はありませんが寒さに弱い事から、冬季は保温球を取り付けてあげると良いでしょう。
湿度に関しては、多湿環境を好むため1日1回は壁面に霧吹きなどで吹きかけると良いでしょう。
湿度は65%前後を保ち、少なくても50%を切らない事が大切になります。
・水入れ
基本的に水分補給は霧吹きなどの水滴でとっているため水入れの必要性は特にありませんが、水入れを置おくことでゲージ内の湿度が高くなるので置く事も良いでしょう。
・床材
ケージ内の湿度を保つ為にもヤシガラは最適です。
また、そのまま燃えるゴミとして廃棄できるので便利です。
・エサ入れ
基本的には活餌を好む為、エサ入れの必要性はないですが、最近では人工フードでの飼育がメインにもなり、雑食なので果物も食べる事からエサ入れは必要な事もあります。
具体的な餌や与える頻度は?
ジャイアントゲッコーの食性は雑食であり、昆虫類、小型爬虫類、果実、花の蜜、又は小型の鳥類を食べる事もあります。
飼育下では、基本的にクレステッドゲッコーと同様の給餌になり、マウスやコオロギ、ゴキブリなどの活餌が中心ですが、最近では人工フードでの飼育がメインにもなっている為、与える餌に関しては特に問題がないとされています。
また、給餌の回数は幼体の場合、毎日与えても良いですが、与え過ぎるとそれなりに大きく成長してしまいます。
その為、食べ過ぎを防ぐためにも2~3日に1回のペースで大丈夫です。
ジャイアントゲッコーの食事の様子
販売価格や販売場所は?
ニューカレドニアでは野生動物の輸出が禁止されている事から、海外に持ち出され飼育下で繁殖された個体や日本国内で飼育繁殖された個体のみの流通になる為、価格は普通のヤモリに比べて高価になります。
販売価格はだいたい7万円~10万円以上で取引されており、高いものだと17万円するものもいるようです。
主に爬虫類専門店などで販売されますが、イベントなどを開催している爬虫類即売会などでも見かける事があり、「エキゾチックサプライ」や「black・out」、又は「ランバージャック」などは有名です。
また、たくさんのジャイアントゲッコーに触れたり見たりしたい場合は、新宿の「爬虫類カフェらぷとる」がおススメです。
平均寿命や病気になった時の対策は?
価格的には高価でありますが、平均的な寿命は30年と比較的長寿である為、長く飼育することが出来れば価格以上の価値があるかもしれませんね。
また、熱帯雨林に生息する生き物なので高温多湿の環境を好む事から極端な低温環境だと消化不良に陥る事もあり、更に乾燥にも弱いとされています。
その為、温度と湿度の管理は毎日チェックしておくことが大切です。
また、飼育を始める前に爬虫類などを診てくれる動物病院を事前にチェックしておくことも大切です。
どのくらいの種類がいる?
ニューカレドニアジャイアントゲッコーの和名は尾の形状からツギオミカドヤモリと呼ばれており、ヤモリの仲間になります。
そのヤモリの種類は全48種類存在しており、中でも世界で一番大きい種類がツギオミカドヤモリ(ニューカレドニアジャイアントゲッコー)です。
また、その種類の分類は住んでいる地域によるものであり、以下のような種類が存在します。
・グランテラ
ニューカレドニア本島に生息しており、ジャイアントゲッコーの中でも特に大きくなる種類です。
・ヘンケリ
ニューカレドニア本島以外に生息している亜種になります。
体色は、白やピンク、又は黄色といったカラフルな個体も存在するようです。
体長はグランテラよりも小型であり、尾が短く、ふくよかな体型をしています。
これらの他には、グランテラとヘンケリを掛け合わせた雑種も存在すると言う事です。
雌雄の見分け方や繁殖方法は?
一般的にジャイアントゲッコーの雌雄判別は難しいとされていますが、雄の場合は、普段尾の付け根部分の袋にしまっているヘミペンス(交尾器)が繁殖期になると大きく膨らんでくるため、簡単に雌雄を見分ける事が出来ます。
また、発情期を迎えたオスは噛みつくなど攻撃的な様子が多くなります。
そんな状態の雄とアダルトサイズに成長した雌をペアにする事で繁殖は可能だと考えられます。
繁殖形態は卵生であり、野生種の場合は樹洞や地中に1回2個ずつの卵を年に数回分けて産むとされており、卵が孵化するまで120日~150日かかり温度や湿度が最適な状態でないと難しいとされています。
この事から、飼育下で繁殖を試みる場合は比較的暖かい時季を選ぶ事が大切であり、ゲージ内に産卵床を作ってあげる必要があります。
産卵床はジャイアントゲッコーの体が入るくらいの大きさの物を用意して水苔を10cm程の高さに入れ、バーミキュライト土と水を1:1の割合で溶かした物を入れて温度管理を最適な状態に保つようにします。
しかし、国内繁殖もまだまだ前例が少ないと言う事から繁殖は難しいと言う事を心しておくと良いかもしれません。
飼育する際の注意点は?
ジャイアントゲッコーはヤモリの中でも大型種になり、その全長は世界最大級とも言われています。
しかし、見た目よりは攻撃的ではない為、慣れてくるとハンドリングも快くしてくれますが、雄の場合は発情期を迎えると気が荒くなり噛みつくこともある為、注意が必要です。
また、幼体で飼育を始めても直ぐに大きくなる為、ゲージは90cm以上の大型の物を用意して登り樹などをレイアウトする必要があるので広さよりも高さのある物を選びます。
食性は、小型爬虫類やマウス、コオロギなどを活餌する事が一般的ですが、飼育下では人工フードをメインに与えている事から、必ずしも活餌を与えなければならないと言う事はなく、くる病など様々な病気を予防する為にもカルシウム剤を餌に混ぜて与えるようにします。
その他の注意点としては、極度の低温は苦手な生き物なので、温度や湿度管理はしっかり行いましょう。
まとめ
世界最大級とも言われるジャイアントゲッコーは、ニューカレドニア本島に生息する固有種であり、見た目と違いハンドリングなども可能である為、ペットとしての人気が高い種類になります。
しかし、確かな繁殖方法も確立されておらず流通量も少ない事から価格的には高価であり、高い種類では17万円以上もするようです。
運よく飼育できた場合は、寿命も30年以上と比較的長寿である為、最適な飼育環境の下で管理してあげましょう。
その為、温度は日中、25℃前後、夜間は20℃前後を保つようにパネルヒーターなどを使いゲージ内に温度勾配を作る必要があり、湿度は50%を切らないように注意しましょう。
以上、ジャイアントゲッコーの飼育方法や販売価格、寿命についての解説でした。
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