鳥類の祖先は、一億五千万年前のジュラ紀後期にさかのぼります。それは恐竜から進化して、鳥類と爬虫類の両方の特徴をあわせもった‘始祖鳥’といわれています。きっと一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
では現存する鳥類は何種類あるかご存知でしょうか?
およそ一万種もあるといわれています。
鳥類は、その生態はもちろんのこと、姿かたちも様々で、体重が5gの小さなハチドリから、100kgもあるダチョウまでいるのですから、地球上で最も種類が豊富な動物だといえるでしょう。
この様々な鳥たちは、地球上のほぼ全ての地域に生息しています。
私たちが生活している都会でも辺りを見回すと、雑踏の中でさえも自然に溶け込み生活をしている小鳥たちに、心が和む一瞬があります。現代では鳥は私たちに一番身近な存在となっているのかもしれません。
今回はアキクサインコの飼い方についてわかりやすく解説したいと思います。
目次
アキクサインコはどんな生き物?
アキクサインコはオウム目インコ科のアキクサインコ属する中型インコです。
オスの体長は21~23cm,体重は45~55g。メスの体長は19~21cm,体重は35~45gと一回り違うようです。
近年日本でもペットとして人気が上昇してきているアキクサインコは、一目見ただけで、誰もがかわいいと声に出してしまう程、パステルカラーのきれいなピンク色の羽の中に、水色のお腹、黄色の色彩が入るなど、とてもやさしい色合いに、かわいい大きな目をしています。
また‘小鳥のさえずり’という言葉がぴったりな、優しい声で鳴きますので、私たちを癒してくれるだけでなく、ご近所にも気にすることなく、都会でも飼うことができるでしょう。
野生では10羽前後の群れで生活をします。野生の個体数は少なくなってきていますが、近年ペットとしての繁殖が盛んにおこなわれるようになりました。
アキクサインコは暁(黎明)と黄昏の鳥ともいわれ、別名をナイトパロット(Night Parrot)というステキな名前がついています。
生息地域は、オーストラリア内陸部の広い乾燥地帯です。
一年を通して30℃を超える熱い砂漠気候のために、日中を避けて、涼しい時間帯の太陽が上がり始めた頃と日が沈み暗くなりかける頃に活動します。
そのためにアキクサインコの羽の色は朝焼けや夕焼けの空の色に溶け込むような色をしているのでしょう。
可愛い大きな目も、明け方や日没の暗い地面に降りてきて、歩きながらの採食や、夜行性の天敵から身を守るために進化して大きくなったといわれています。
アキクサインコの一番の特徴は、どの子もみんな素晴らしい色合いをしていることです。
種類と代表的な色合いを紹介します。
☆ノーマル(原種)・・・全体の色が灰色で、お腹から尾にかけては水色、雨覆い羽には黄色のおしゃれな縁取りがあります。
☆ローズ・・・体全体がピンク色で、風切り羽や尾羽は白・黒・紺の美しいコントラストをしています。目は黒い。
☆ルビノー・・・体全体がピンク色で、翼の端が薄い黄色のツートンの個体が多いようです。お腹や尾だけきれいな白です。赤い目をしています。
☆ルチノー・・・体は淡いピンク色と黄色です。風切り羽と尾羽は白が多いようです。赤い目です。
☆ファロー・・・体全体が淡い黄色・淡い灰色・淡い褐色をしています。赤い目です。
ここに紹介しました色合い以外にもたくさんあるようですので、種類の特定もとても難しいインコです。海外にはブルーやグリーンなどのアキクサインコもいるようです。
アキクサインコを飼うのに必要な物は?
☆鳥かご・・・それほど大きなケージは必要ないのですが、尾羽が長いので高さがあるもの。地面を歩いて採食しますので、50cm四方の底面積が広いものが良いかもしれません。
ケージの下にはペットシーツや紙などを敷くとお掃除が楽です。
☆エサ箱・・・歩いて餌をとる習性なので、金網に取り付けるのではなく、床に置きましょう。
☆水のみ
☆巣箱
☆おもちゃ・・・やわらかいボールなどが良いでしょう。
☆とまり木・・・尾羽が長いので、床につかない程度の高さに取り付けます。
餌については、アキクサインコはよく食べますので、市販のミックスシードの中型インコ用では高脂肪過ぎます。小型インコ用の殻つき用ミックスシードを体調を見ながら与えましょう。シードの中にはヒマワリの種を少量加えてあげると良いでしょう。
またシードだけではビタミン、ミネラルが不足しますので、小松菜・チンゲン菜・スプラウト・ブロッコリー・ニンジンなどの野菜で補いましょう。
最近はインコ用のペレットも市販されていますが、栄養価が高く、メーカーによって栄養成分も異なります。脂質の低いヒエ・キビ・アワなどをペレットに混ぜてもよいでしょう。
餌選びはとても大切です。体調などを良く観察し、必要であれば体重測定をしながら、その子に合ったものを選んであげてください。
アキクサインコの飼い方や販売価格は?
アキクサインコは、のんびりと穏やかな性格で、他のインコのように物をかじって破壊するような事もしません。静かに過ごすことを好みますが、飛ぶことも大好きです。ストレスをためないように、一日に一度はケージから出して、部屋の中を思う存分飛ばせてあげましょう。
野生では群れで生活し、協調性がありますので、複数で飼うこともできますが、その際は攻撃的でない種類を選んでください。
生息地域が砂漠気候の鳥ですので、暑さや寒さにも比較的強いので、過度な保温や冷房は必要ありません。
このようにアキクサインコは、比較的飼いやすい鳥と言えます。
アキクサインコの販売価格に関しては、種類や配色によっても変わりますが、原種のノーマルで1万5千円~2万円、改良された配色の物で2万円~3万円位です。
おとなしい性格なので飼いやすさから人気が上昇しています。これからペットショップでも多く見かけるようになると、価格も下がっていくかもしれませんね。
アキクサインコの寿命は?
個体差はありますが、大体8~15年ぐらいです。中には15年以上生きることもあります。
インコ自体は割と長生きの傾向があり、アキクサインコも割と長命ですね。
他のインコに比べて寿命は長い?
人気のあるインコで比べてみますとこのような感じです。
セキセイインコの寿命は、大体5~8年とされています。
コザクラインコは、7~8年です。
オカメインコですと15~25年です。
アキクサインコは8~15年ですから、やや長寿な方だと思います。やはり、この中では一番大きいオカメインコが長生きですが、大きさが似ているセキセイインコやコザクラインコと比べると長生きなのが分かりますね。
また、逆に長生きしすぎるのも困る場合もあります。飼い主さんがご高齢の場合は、ペットよりも先にご自分がなくなってしまうケースも少なくありません。
最後まで面倒をみられない場合は、飼育は見送ったほうが良いです。安易に購入せず、寿命までの年数を考えたうえで飼ってくださいね。
アキクサインコがかかる病気はどんなものがある?
インコという種類は消化器の弱い鳥なので、アキクサインコも注意が必要です。
通常の便を把握しておくと、下痢などの異常な便の際に気づきやすいです。ストレスや、換羽時期などにもこのような下痢の症状が出ます。
数日経っても改善が無いようなら病院に連れて行ってあげましょう。目の周りや、くちばしのつけ根、足などにダニが寄生し、感染症を引き起こすことがあります。
目や、くちばしの周りの皮膚が荒れていて、痒そうにしているようでしたら、疥癬(かいせん)という病気の疑いがあると思われます。
この場合は、すぐに病院へ連れて行ってあげてください。そのままにしておくと、くちばしが変形したり、足に病変が及ぶこともあり危険です。
インコは病気になっても普通に振る舞うことが多く、異変に気づきにくいです。なので、普段から様子をよく見て、異変があったときに気づいてあげられるようにしましょう。
アキクサインコを飼う際の注意点は?
おとなしく良く懐くので、幼鳥から慣らしていくと、手乗りになりますが、他のインコのように飼い主と触れ合う事はあまり好みません。
飼い主の肩や手にとめるなど、ゆっくり休ませながら静かにコミュニケーションをとりましょう。美しい姿を眺めながら、穏やかな時間を一緒に過ごしていると、心も癒されますし、いつまでも綺麗なさえずりを聞かせてくれるでしょう。
しかし性格は温厚で、懐くこともありますが、臆病な面もあります。懐いているアキクサインコでも、触られるのがあまり好きではありません。
手乗りができる子でも、スキンシップを求めてくることは少なく指の上でじっとしています。
あまり触り過ぎたり、びっくりさせるなどのストレスを与えてしまうと、どんなに懐いていても、懐かなくなります。手乗りでも、乗らなくなってしまうので気を付けてください。
また、アキクサインコは体の割にはたくさん食べます。なので、肥満に注意が必要です。
アキクサインコの大きさは中型インコに分類されます。
ですが、中型インコ用のミックスシードですとカロリーが高く、たくさん食べてしまうので肥満になりやすくなります。
小型インコ用のミックスシードに少しヒマワリの種などを混ぜてあげて、与えるとよいでしょう。
食事に関しては他に、ビタミン、ミネラル補給のために青菜や、カルシウム補給にはカトルボーンやボレー粉は必ず与えるようにしてください。
また、暑さや寒さに比較的強いため、過度に冷やしすぎたり、温めすぎるのは危険です。冷房や暖房をつける際は気を付けてください。
アキクサインコの飼い方動画
まとめ
ところで皆さんはインコ?とオウム?の違いをご存知でしょうか?分類上では、インコはオウム目インコ科、オウムはオウム目オウム科です。
インコ科は・・・
約330種以上で、生息地域はアフリカ、アメリカ、アジア、ポリネシア、オーストラリアなど温暖な地域に広く分布しています。
体長15~40cmと小形で尾が長いもの、全身が緑や赤など鮮やかな色彩が多いようです。インコは頭が良く、特にオスはよく言葉を理解して、話すことができます。
ヨウムやフクロウオウム、ミヤマオウムなどはインコ科です。
一方オウム科は・・・
約20種で、生息地域はインコ科に比べますと狭く、オーストラリア、ニュージーランドおよびその周辺の島々に分布しています。近年の人間の乱獲で絶滅してきているようです。
体長は30~60cmでインコより大きく、鮮やかな色彩ではなく、白や灰色など比較的地味な傾向です。
外見上の決定的な違いは、オウム科の鳥は、頭頂部に「冠羽」(トサカ)とよばれる立派なかざり羽がついているので区別できます。オカメインコ、モモイロインコなどインコという名前が付いているにもかかわらず、冠羽が付いているので、オウム科なのです。
この頃、都内の住宅街できれいな緑色の体に赤いくちばし、尾羽の長いインコの群れを見かけたことはありませんでしょうか?
これはインドやスリランカからペットとして輸入されたワカケホンセイインコ(首の模様から別名ツキノワインコ)が逃げ出して、繁殖したものです。夜は一千羽前後がイチョウの木など大きな木のねぐらに集まり、日中はそれぞれの繁殖地で餌を探しているようです。
かわいい姿につい見過ごしていましたが、農作物の被害をはじめ、電柱に巣をつくり漏電をするなど外来種の繁殖に困っている方も多いようです。
可愛いアキクサインコも部屋のなかで、たっぷり飛ばせてあげることが必要ですが、逃げ出さないように注意をして責任をもって、育てましょう。
以上 アキクサインコの飼い方についてわかりやすく解説でした。
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