動物の中には角を持つものが数種類存在します。
中にはヤギのように角だけでなく髭も伸びる場合もあり、見るからに強そうなイメージがありますよね。
しかし、ヤギの角は頭の上から後方に向かって伸びているため、殺傷能力はなく、あくまでも威嚇用であり鋭い牙や爪を持たない草食動物にとって唯一の武器とも言えます。
また、一生伸び続ける事から家畜用のヤギの場合、ほとんどが子供のうちに除角されている場合が多いようです。
ところで、ヤギの角は除角されたら生え変わるのでしょうか?
また、角は雄だけのものなのでしょうか?
気になるところです!
今回は、そんなヤギの角は雌雄で種類が違うのか、或いは切ると生え変わったりするのか?について解説したいと思います。
目次
ヤギの角は雌雄で違う?
ヤギはウシ科ヤギ属の動物の総称であり、ウシ科動物の特徴として、雌雄に関係なくほとんどの種が角を持つ事になります。
しかし、様々な種類の交配によって角のある物とない物が存在するようになりました。
つまり遺伝学的に角のある物が優性であり、角の無い物が劣性になる事から、角のある同士の子供には角が生え、角を持たないもの同士の子供は角を持たない事が言えます。
因みに、日本在来種でもあるザーネン種は角のある個体が多いとされています。
また、ヤギの角は頭の上から後方に湾曲して伸びており、雌の場合は細長くオスよりも小さく、雄の場合は太くて大きい事が特徴になります。
ヤギの角にはどんな種類がある?
ヤギの角は頭の上から上方に向かって伸び、成長と共に湾曲するものが多いですが、ヤギの品種によっても変化があり、真っ直ぐ伸びた物、ねじれた物、或いは湾曲した物と様々にあります。
特に羊よりもヤギは左巻きに生える場合が多く、中でもミミナガヤギの場合はねじれがはげしい事で知られています。
しかし、ほとんどのヤギは緩やかにカーブしている事が多く、代表的なザーネン種やカシミア種、ピグミーゴート種などは、成長と共に湾曲して伸びている事が多いようです。
また、世界には様々な形をした種もおり、アダックスなどは角にネジのような線がついている事から、「ねじれ角レイヨウ」と言うニックネームがついています。
更に世界で最も大きなヤギと言われるジャイアントイランドの場合は、バリエーション豊かな角を持つ事で知られており、頭の上できつめの渦を巻き、上に真っ直ぐ伸びた角を持っています。
もうこの辺のレベルになると芸術とも言えますし、存在そのものも優美ですよね。笑
その為、立派な角を持つが故に人間に狩られている種類も多く、絶滅の危機にさらされている種が多い事も確かです。
立派な角を持つヤギ!!
ヤギの角は切ると生え変わる?
ヤギの角は、前頭骨の角突起と角鞘から出来る洞角と呼ばれるもので、徐々に下から盛り上がるようにして大きくなったものです。
その為、鹿の角と違い中には血液や髄液が入っている為、触ると温かく感じる事から体の一部と考えられており、根元から折れたり切ったりすると一生生え変わる事はないとされています。
また、切ると痛みや出血もある為、感染症などへの注意が必要になります。
ヤギの角は販売されている?
ヤギは古くから家畜として乳用や肉用などを目的として飼育されてきましたが、中には立派な角に魅了される愛好家も多い事から、インテリアの装飾用として狩猟される事もあります。
また、ヤギの角はきれいに抜けると中が空洞になる事も特徴的である為、様々な装飾品に利用される事が多く、ネットなどでは1000円前後で販売されている事もあり、壁掛け用のオブジェとしては1万円~2万円以上もの値がつけられている事もあります。
なぜヤギが悪魔のイメージに使われるの?
ヤギと言えば、アニメでもお馴染みのアルプスの少女ハイジに登場する「ユキちゃん」の存在は有名ですが、もう一つには悪魔のイメージとして使われている事をご存じですか?
それには様々な説がありますが、有力な説では、新約聖書ではヤギを悪しきものと扱うくだりがありますが、これは古くからヤギは神に対しての生贄であり、ギリシャ神話のバンやエジプト神話のアモンなどのヤギ神や、祭示がヤギの角がついた仮面をかぶって獲物の豊穣を願い踊りを踊った事が邪神化された異教神のイメージと重なった事でヤギの頭を悪魔と考えたとされています。
また、中部アフリカのルワンダでは、女性がヤギの肉を食べると髭が生えると言う言い伝えもあります。
つまり、今でいえば動物愛護法とも言える事であり、ヤギにたいしてもっと神聖なものと考えなければならないと言う戒めともとれそうですよね。
まとめ
ヤギはウシ科ヤギ属である事から、本来はほとんどのヤギに角が生えている事が当たり前になりますが、古くから家畜として飼われてきたヤギは様々な交配がなされた結果、偶発的に角のないヤギがうまれた事で角のないヤギや角のあるヤギが出来たとされています。
その為、角の有無は雌雄に関係なく遺伝的要素が強く、角のない物は優性であり角のある物を劣性としています。
また、この角は鹿の角と違ってヤギの角は洞角であり、徐々に下から盛り上がるように大きくなったものである為、角の中は血液や髄液が通っている事から一度根元から折れたり切ったりすると一生生え変わる事がないと言われています。
中には立派な角を持った種もいる事からインテリアの装飾品として利用される事もあり狩猟が頻繁に行われるようになってから絶滅の危機にさらされる種も多いようです。
ヤギはどんな立派な角を持っていても人に危害を加える事はないので、出来ればハイジに登場するユキちゃんのように誰からも長く愛されるヤギであって欲しいと願いたいですね。
以上、ヤギの角は雌雄で種類が違う?また切ると生え変わったりするの?についての記事でした。
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