マツカレハという昆虫をご存知でしょうか。
幼虫は松毛虫とも言われている生き物で、松林に発生する害虫の一種です。
日本全国に分布しており、幼虫の時は毒針毛があります。
成虫になるとこの毒針毛が無くなるので、幼虫の時の方が危険ということになります。
幼虫は松や杉を食べ、大量に発生してしまうと食害にまで発展してしまいます。
過去には樺太で大量発生し、森林が食い荒らされてしまったという記録が残っています。
それほどまでの害虫マツカレハとはいったいどんな昆虫なのでしょうか。項目ごとに簡単にまとめてみたいと思います。
目次
マツカレハの生態・毒性
マツカレハは年に1回の発生で、幼虫の時に越冬します。
幼虫は3月から6月頃に活発になり、この時に松や杉などを主食として食べて成虫へとなります。
成虫の活動時期は6月から10月頃で、そのあとに松に卵を産み付けます。
毒針毛を持っているのは幼虫のときだけで、成虫にはありません。
幼虫の毒針毛に刺されると痛みからはじまり湿疹、続いて痒みが最大3週間ほど続きます。
幼虫・成虫の発生場所は?
成虫のマツカレハは松の樹上に卵を産み付けます。
孵化した幼虫は樹皮などに身を潜め越冬しますので、マツカレハにとって松住処そのものなのかもしれませんね。
松にとっては迷惑極まりないといったところでしょうか・・・
幼虫・成虫の発生時期は?
越冬した幼虫が活発になるのは温かい春になってからです。
だいたい3月ころから活動しはじめ6月頃まで幼虫のままで過ごします。
この時期、大量発生されてしまうと松にとっては食害となってしまいます。
マツカレハは草食で、松や杉を特に好むためです。
マツカレハに刺されたときの症状は?
マツカレハの成虫には毒性がありませんので、無害です。
しかし幼虫の時には頭部と腹部に毒針毛があり、それに触れてしまうと刺される可能性がでてきます。
刺されてしまうと幹部に激しい痛みが伴い始めます。
続いて湿疹、この湿疹は蕁麻疹に似ているとも言われています。
蕁麻疹って痒いですよね……当然、マツカレハの幼虫に刺された時も湿疹が現れ始めると痒みがでてきます。
この痒みの期間はとても長く、3週間ほど続くとも言われています。
マツカレハの駆除方法
マツカレハの幼虫は松にとっても人にとっても有害でしかありませんね。
見つけたら迷わず駆除してしまいましょう。
成虫は無害ですが、卵を産みますので見つけた時期関係なくとにかく駆除です!
(1)おすすめ薬剤
オルトランという薬剤をおすすめします。
こちらはケムシやアブラムシのほかにマツカレハにも対応しています。
マツカレハの場合はマツカレハが発生する直前に直接樹幹に打ち込むだけのやり方になります。
使用回数などに上限があるようなので、使用前にはしっかり使用方法を熟知しましょう。
(2)業者に頼む
大量発生してしまったら業者に依頼しましょう。
業務用だとマツカレハ専用の薬剤があるようです。
それらを越冬前の秋ごろに行ってくれるようです。
もちろん幼虫が越冬し終えたあと、成虫になってからでも対応してくれるようです。民間の駆除会社や環境サービスセンターなどに問い合わせてみてください。
発生予防のためのコモ巻き♪
マツカレハの天敵は?
松にも人にも有害なマツカレハ、そんなツワモノの天敵はいるのでしょうか。
自然界に無敵の存在はないと信じたいものです……当然、マツカレハにとっての天敵が存在します。昆虫ではないのですが、野鳥が天敵のようです。
そういえば野鳥って虫を食べますよね……
野鳥は個人で捕獲したり飼ったりすることはできませんので、意図的に野鳥に駆除してもらおうというのはできそうにはありません。
ところが同じ虫の部類でも天敵がいたのです。
サシガメです!
サシガメは益虫ですので、虫に抵抗がなければマツカレハの近くに置いてみるのもよいかもしれません。
ほかにもアシナガバチやクモなども天敵になるようです。
まとめ
樹木にとっても人にとっても有害、マツカレハが存在している意味があるのだろうか……と思ってしまいます。
幼虫は毒を持っていますので、発見したから捕まえて駆除……というのは危険すぎるように思います。もちろん手馴れているのならいいのですが……
できるだけ早く駆除してしまいたいという気持ちもあるでしょうが、3週間も痒みに悩まされるのも嫌ですよね。
薬剤で駆除か業者に頼むなどして、適切な駆除を心掛けましょう。
以上、マツカレハの幼虫の毒や駆除方法などについてでした。
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