大型の爬虫類は、姿かたちが恐竜を思わせるものも多く、その迫力のある容姿に圧倒される人は多いようです。
特に、フトアゴヒゲトカゲは名前の通り後頭部から首回りにかけて棘状鱗が一列に並んでおり、危険を感じると棘状鱗を広げて威嚇をします。
その姿は、怪獣感とペット感が相まって迫力がありますが、危険を感じた時以外でも威嚇のポーズを取るようです。
また、同時にストレスマークも出ると言われていますが・・・さて、ストレスマークとはどんなマークなのでしょうね?
今回は、そんなフトアゴヒゲトカゲが威嚇する!ストレスマークや脱腸について解説したいと思います。
目次
フトアゴヒゲトカゲの様子が変
フトアゴヒゲトカゲに限らず、生き物すべては常に心も体も平常とはいかない物です。
時には原因も分からずイライラしたり、具合が悪かったり、またいつもと同じ環境でも日によっては違う行動をとったりと体調や精神は常に安定している訳ではありませんよね。
特に体調が悪い時などは近づいて欲しくないのが野生動物であり、天敵に悟られない為にも極限まで隠してしまうため症状が表れた場合はかなり重症だったりします。
その為、ペットを飼った場合は毎日の健康チェックは大切であり、いつもと様子が違う事に早く気付くことが大切です。
因みに健康な状態のときは、目に力がありキラキラと輝いて見えますし、ゲップやシャックリ、又は鼻水もヨダレも目ヤニも通常は一切見られないと言う事です。
逆に目を閉じたまま、顎を床にピッタリ伏せて食欲もない場合は、明らかに具合が悪い状態である為、早めに獣医と相談しましょう。
フトアゴヒゲトカゲが威嚇する原因
動物は、お腹が空いた時や体調が悪い時のように興奮状態やイライラした時に近づく物に威嚇することが多いです。
威嚇シーン
このように威嚇する行動にはそれなりの原因がある物です。
・危険を感じた時
静かに寝ているとき、急に驚かされると人間でも気分は悪い物です。
同じようにフトアゴヒゲトカゲが熟睡しているときに手で急に触れた場合は危険を感じて威嚇してきます。
・環境の変化
飼育始めの頃は、フトアゴヒゲトカゲも興奮状態にあり拒食や威嚇の行動が表れやすいようです。
ケージの前を通り抜けただけでも威嚇してくる個体もいる為、落ち着くまで静かにしてあげましょう。
・体調不良
体調が悪いとき、動物はじっと動かず治るまで待ちます。
その時は、気が立っているため、むやみに触ろうとすると威嚇してきます。
・発情期
発情期になると興奮している為、特にオスは威嚇行動が多くなります。
このように威嚇行動は興奮しているときに多く見られ、大きく口を開け喉を真黒にし、棘状鱗を大きく広げて「カァーッ」と声を発します。
こんな時は、あまり刺激しない事が一番です。
ストレスマークの見分け方
フトアゴヒゲトカゲは飼育始め、環境の変化や餌の違いなどからストレスを感じる個体もおり、餌を食べなくなるなどの症状が表れる場合もあります。
このようにストレスの原因がはっきり分かっている場合は対処しやすいですが、ストレスは目に見えない為、どこからストレスのスイッチが入るのかは分からないものです。
フトアゴヒゲトカゲはその不思議な現象をストレスマークとして背中や特にお腹に黒っぽい網目模様を出して知らせてくれます。
しかし、種によっては頻繁に出している個体もいる為、見分ける判断としては色の明暗で決める事がよく、濃い色の場合は、不調、不機嫌であり特に顎の下まで黒い場合はストレスがマックスに達している状態とみます。
また、網目模様は完全に消える事はなく、薄い色の場合は特に問題がないようです。
背中にストレスマーク!!
脱腸時の対策
爬虫類はよく脱腸をおこしやすいと言われていますが、実際目の前で見たら内臓が飛び出してしまっている訳ですから驚いてしましますよね。
直ぐに病院へ駆けつけたいところですが、軽い症状なら簡単に治す事ができるようです。
先ず、菌が入らないようにぬるま湯で洗って汚れを落とし、温浴させると自然に戻るようです。
それでも戻らない場合は、優しく指で押し戻してあげます。脱腸は、力む事で起こりやすく一度おこすと繰り返す為、便秘や誤飲の為に腸が詰まった時は注意が必要です。
嘔吐時の対策
フトアゴヒゲトカゲは、歯の構造上噛み切るよりも砕いて飲み込む為、餌が大きすぎると喉に詰まる事から、吐き戻しをする事が多いと言われています。
また、吐いてしまう病気では消化不良が一番多く、解凍不足の餌や不衛生な餌を食べた時、又は環境温度が低い場合に消化不良をおこしやすくなります。
軽い症状であれば、ケージ内の温度を上げる、又は温浴(35~37℃位)を行いフトアゴの体温を上げてあげる事で解消される事もあります。
それでも回復がみられないときは獣医に相談しましょう。
ご飯を食べないときはどうしたらよい?
フトアゴを飼育し始めた時は、環境の変化や餌の変化などのストレスで拒食する個体も多くいるようですが、そのまま時間が経つと自然に食べるようになるので特に心配はいらないとされています。
また、餌を食べない原因としては、ストレスの他に環境温度の低下やビタミンB1不足も考えられている為、餌に栄養剤を混ぜる、又はストレスを与えない環境づくりなどから温度、湿度の管理はしっかり行いましょう。
しかし、長引く場合は餓死も考えられるため、回復しない場合は早め目に獣医と相談することが大切です。
まとめ
フトアゴヒゲトカゲなどの爬虫類は、もともと野生の生き物であり体が不調であっても自力で治して生き抜く術を持っているものです。
もちろん脱皮不全などや消化不良などの病気も自然界では起きているはずですが飼育環境よりは少ないと思われます。
くる病も普通に餌を捕食し日光浴をする事で起こり得るはずのない病気ですが、結局、ペットとして全く違う環境で飼育される事でその自然形態が変わり様々な病気がおきてしまっていると思わざるを得ません。
そんな野生動物をペットとして飼う以上、最適な環境を与え最後まで責任をもって飼うと言う覚悟のもとで飼育する事を忘れないようにすることも愛情の一つと言えそうですが、皆さまはどのように感じられたでしょうか!
以上、フトアゴヒゲトカゲが威嚇する!ストレスマークや脱腸についての解説でした。
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