庭の花が開花すると同時に様々な昆虫も姿を見せてくれますが、人を刺すような蜂はあまり嬉しくない来客ですよね。
特にクマバチやスズメバチなどは大きな音を立てて飛ぶため思わず警戒してしまいます。
しかし、クマバチはスズメバチと違って攻撃性がない事をご存知ですか?
調べると意外に可愛らしい蜂である事が分かります。
今回は、そんなクマバチとスズメバチの違い!天敵・オスとメスの見分け方について解説したいと思います。
目次
クマバチの生態
クマバチは、ハチ目、ミツバチ科、クマバチ属に分類される大型のハナ蜂です。
北海道から九州にかけて広く分布し、方言などでクマンバチと呼ぶ地域もありますが、スズメバチをクマンバチと呼んでいる地域もあるようです。
主に花の蜜や花粉を餌としており、中でもフジの花を好み集まるようです。
また、ミツバチのように集団で生活する習性が無く、単独行動をする事から養蜂業を営む事はなく、冬が近づくと一日かけて作った巣に卵と花粉団子をセットにして詰め、親子共々越冬し、作られた巣は、何世代にも渡って利用されるようです。
そんなクマバチのメスは、体が丸くてふっくらしている事からも言えますが、肝っ玉母さんのイメージが強く、働き者でしっかり者のイメージがありますよね。
尚、餌をとる場合は体が大きいのでミツバチのように小さな花の中に入って蜜を吸う事ができない為、丈夫な顎と太い口吻を駆使して花の根元に穴を開けて蜜だけを得ると言う盗蜜の行動をとります。
そんなクマバチは、体が大きい割に翅が小さい為、飛ぶ音はスズメバチと似た大きな音になります。
その為、獰猛な種類に見られる事が多いですが、性質は温厚で攻撃性もない事から人間を襲う事は無いと言われています。
ずんぐりむっくりとした丸っこい体型で胸にはフワフワの黄色い毛を持つクマバチはアニメに登場するハチのイメージが強く、ただひたすら花の蜜を吸って生きている姿には、健気で可愛らしく好感が持てそうです。
ただ、メスは繁殖期と巣作りの際、稀に攻撃的になる事もあるので、クマバチが活動する5月~10月の間は、刺激しない事が安全です。
クマバチとスズメバチの違い!
クマバチは名前にクマの字がつくことから獰猛と考えてしまい、飛ぶ音もブーンと大きい事からクマバチをスズメバチと勘違いしている人も少なくありません。
しかし、スズメバチとクマバチでは見た目からも全く違う種類になります。
そこで、クマバチとスズメバチの違いについて少しだけ紹介いたします。
(1) 大きさや見た目
・クマバチ
20mm~30mm
頭部と腹部は黒色で、胸部には黄色い毛が生えているのが特徴的です。
全体に大きくてずんぐりむっくりした丸い体型をしており、翅は体に対して小さいです。
オスには複眼の周辺に白い三角形があり、単独で行動します。
・スズメバチ
一般的にスズメバチと呼ばれる種類はスズメバチ亜科に属するもので、大きさは40mm以上あり、オオスズメバチなどの中には70mm以上にもなる種もいるようです。
見た目はクマバチと大きく異なり、全体にスリムな体型をしています。
腹部や頭部はオレンジや黄色と黒のストライプで、顎は鋭く尖っています。
集団で行動する為、養蜂業を営み攻撃する場合も集団で襲う事が多いです。
(2) 食べる物
・クマバチ
クマバチはハナバチと呼ばれる種類だけに花の蜜や花粉を主食としており、盗蜜の方法で花から花へと飛び回り、特にフジの花は好物です。
・スズメバチ
クマバチのように花の蜜や花粉を食べ、時には樹液なども食べます。
しかし、基本的には肉食であり、他の昆虫や別種のスズメバチの幼虫を襲う事があります。
餌などが少ないときは集団でミツバチや別種のスズメバチの巨大コロニーを襲撃することもあります。
(3) 毒針の有無
・クマバチ
ハチの毒針は、産卵管が変化した物なのでメスだけが毒針を持ちます。
その毒性はミツバチよりも弱く人間が死ぬような物ではありませんが、針が太い為に痛みが激しく、稀にアナフィラキシーショックを起こす事もあるので注意が必要です。
また、針を刺すとハチの腹部から抜けてしまい一度刺したら死んでしまいます。
普段は人を襲う事は無い蜂ですが、繁殖期や巣作りをしている近くを通った場合、稀に攻撃することもあります。
雄のホバリング
・スズメバチ
スズメバチもクマバチと同様に毒針を持つのはメスだけです。
しかし、その毒性はクマバチと比べ物にならないほど強く、攻撃性も高いため、毎年多くの方が被害に遭っています。
スズメバチの毒は神経毒であり強力な作用があり、ミツバチと違って毒液が続く限り何度でも刺す事ができるため危険度は高く、一度より二度目に刺された方が死に至る事もあるので刺された場合は早めに医療機関を受診しましょう。
また、毒針から毒液を飛ばす事もあり、目に入った場合は失明することもある為、早めの処置が大切になります。
クマバチの天敵
クマバチは、大きな体と大きな音をたてて飛ぶ事から、スズメバチ同様に獰猛なイメージがありますが、花から花へ移動しながら花の蜜や花粉を食べる可愛い種類の蜂です。
また、大きな体の割には翅が小さく、花の上をホバリングしたり移動する程度で、スズメバチのように速く飛ぶ事ができないため鳥や他の昆虫に捕食される事が多いです。
その為、天敵は多く肉食であるスズメバチに襲撃され食べられる事も多いです。
因みに天敵は、鳥類やスズメバチ、又はカマキリなどの昆虫などです。
オスメスの見分け方
クマバチはアニメのキャラクターのような可愛らしさがある為、子供達にも人気がありますが、可愛いからと言って手でつまんだら刺されたと言う事にもなりかねません。
そこで、オスメスを見分けるには、ホバリングの状態や花にとまった時の顔を観察する事で簡単に判別がつくようです。
ハチ全体に言えることですが、顔を良く見るとメスよりもオスの方が目が大きく、顔の正面に白っぽい三角マークがあるのが特徴的です。
メスは目が小さめで特に特徴もない事から顔全体が小さくクロっぽく見えます。
また、オスは縄張りを意識する為、自分の縄張り内に他の昆虫が侵入してきた場合は追い出す行動をとるので、ホバリング中にこのような行動が見られたらオスである可能性が高いです。
しかし、クマバチは蜂の中でも大人しく、小さな翅をフル回転させて花の蜜を食べているだけなので手を出さなければ攻撃することはありません。
捕まえるよりも可愛らしい姿を静かに見守ってあげる事も大切ですよね。
まとめ
クマバチは、体が大きく飛んでいる音も大きい事から、スズメバチのように獰猛なハチと思われていますが、実際には攻撃性は無く丸い体に黄色い毛がモフモフと生えた可愛らしいハナバチの仲間です。
また、大きな体に反比例した小さな翅をフル回転させて花から花へと移動し花の蜜や花粉を食べて生活し、冬が近づくとメスは卵と花粉団子をセットにして家の軒下などに作った巣の中に入れて一緒に中で越冬します。
ハチの仲間は全般に毒針を持ちますが、それはメスのみでオスは毒針を持ちません。
その毒性はスズメバチのような危険な物ではなくミツバチよりも弱く、針がふといために害は痛みだけのようです。
特に人を攻撃すると言う事はありませんが、巣作り中や繁殖期の雌を刺激した場合、稀に攻撃してくる事もあるので注意が必要です。
むやみに手を出したりせずに可愛らしい姿で花の蜜を食べている様子を観察するのも悪くないですよね。
以上、クマバチとスズメバチの違い!天敵・オスメスの見分け方についての解説でした
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