初夏から夏の終わりにかけて、庭先には様々な蝶が舞い込んできます。
中でも大きくて真っ黒いアゲハチョウはフワフワと優雅に飛び、メタリック的な輝きを放つ種類もおり、その美しさには魅了されますよね。
しかし、同じ黒い蝶の中にも様々な種類が存在しますが、クロアゲハやカラスアゲハなどの違いってどんなところにあるかご存知ですか?
今回はそんなクロアゲハとカラスアゲハの違い!幼虫の食べ物などについて解説したいと思います。
目次
クロアゲハの種類
一口にアゲハチョウと言っても様々な種類があり、クロアゲハもアゲハチョウの一種になります。
因みに黒いアゲハチョウの仲間には、ナガサキアゲハやモンキアゲハ、ジャコウアゲハ、オナガアゲハ、カラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハなどが存在しており、多くは山間部や平野部で見かける事が多く花の蜜や山道などの湿った地面で吸水などをして生息しています。
また、シッポの有無や翅の模様も種類によって様々であり、オスとメスでも違いがあります。
中には翅の付け根付近に赤い紋がある物もいます。代表的なクロアゲハの種類をあげると以下のようなものになります。
・ナガサキアゲハ
尾状突起がなく、翅の付け根に赤い紋があります。
・モンキアゲハ
大きく黒いアゲハチョウであり、後翅の白い紋が特徴的です。
・ジャコウアゲハ
ウマのスズ草が生えている森林のふちや河原をゆっくり飛び、腹部の横に赤い模様があり、体内には鳥などに食べられないように毒を持っています。
・オナガアゲハ
翅の裏模様に特徴があり、腹部に赤い模様がありません。
・クロアゲハ
黒いアゲハチョウの中では一番多く見られる種であり、森の中のような暗い場所を好んで飛び、湿った地面での吸水や花の蜜などを吸蜜する姿が確認されます。
また、日本産のクロアゲハは他のアゲハチョウと違い尾状突起が短い事が特徴でありオスは後翅前縁に白い帯があります。
カラスアゲハの種類
カラスアゲハもクロアゲハと同じ黒いアゲハチョウの一種になり山間部や平野部に生息して、川辺などでは集団で吸水する姿を見る事があります。
同じ類似種にはミヤマカラスアゲハが存在しており、カラスアゲハに良く似て翅が青や緑色のメタリック状に輝いていますが、後翅の裏に白い筋があり個体によっては消える事もあります。
クロアゲハとカラスアゲハの違いは?
クロアゲハとカラスアゲハは、黒いアゲハチョウの種類になり、一見すると似ている為、見分けられない事もあります。
そこで、違いについて少し紹介したいと思います。
・クロアゲハ
大きさは45~70mm
時期は4月~9月
本州・四国・九州・沖縄に分布します。
黒っぽくて大きな種であり、柑橘類の葉を好んで卵を産み付けます。
オスは前翅に白い紋と呼ばれる模様がありメスには無く、その代り後翅にオレンジ色の紋模様があります。
黒いアゲハチョウの中では特に多く目にする種類であり、暗い場所を好む事から山道などの湿った地面で吸水する姿を見かける事が多いようです。
また、ミカンやゆずなどの柑橘類に集まる傾向があります。
・カラスアゲハ
大きさは45~80mm
時期は4月~9月
北海道・本州・四国・九州・沖縄に分布します。
クロアゲハと同じ黒っぽくて大きな種になり、翅の表面が緑色~青色に光りメタリック状に輝き、見る角度によって微妙に変化する為、とても綺麗です。
山の湿った地で集団で吸水することが多いですが、郊外でも見る事があり、ツツジなどの花の蜜を好んで吸蜜します。
また、専門家などが見ると飛び方も違うため、遠くからでも区別しやすいと言われています。
蝶にはいつも同じルートを飛ぶ「蝶道」と呼ばれる独特のルートがあり、種類によって飛ぶ癖があります。
カラスアゲハなどのアゲハチョウは明るい場所を好んで飛びますが、クロアゲハは、暗い場所を好んで飛ぶようです。
これは、近くで観察しなくてもクロアゲハとカラスアゲハの違いを確認する目安にもなりますね。
クロアゲハの幼虫の食べ物は?
アゲハチョウの幼虫は、成虫になるまで数回の脱皮を繰り返して蛹になり成虫になります。
その成長過程は、卵→1~5齢幼虫→蛹→成虫となり、卵から孵った1齢幼虫は、3mm~4mmの黒い姿で少し濡れた感じがあります。
先ずは自分の卵の殻を食べてから植物の柔らかい新芽などを食べ始め、脱皮を行う毎に殻を食べて葉を食べると言う事を繰り返して成長していきます。
その餌となる葉は、主に柑橘類が多く、カラタチ、山椒、イヌサンショウ、カラスサンショウ、ミヤマシキミ、ゆず、レモンなどの葉を好んで食べます。
まとめ
庭先に蝶が飛んでくるとつい見入ってしまいますが、それがどんな種類なのか分かっていない人は多いと思います。
黒くて大きく奇麗な蝶や、青や緑色のようにメタリック状に輝きを放つ蝶であれば尚嬉しくもなりますが、全体的に黒くて大きい物はクロアゲハ、光の当たり具合で微妙な輝きを放つのがカラスアゲハと呼ばれます。
その違いは飛ぶ癖や、集まる植物などから違いが判断できるとされています。
大きくて奇麗なアゲハチョウは、子供達にも人気があり捕まえて飼育する事もありますが、運よく難を逃れて蛹から蝶になったとしても、フワフワと優雅に飛んでいられる期間は短く、寿命は1ヵ月にも満たないとされています。
そんな事を考えると、捕まえて自由を奪ってしまうよりも、アゲハチョウとしての生涯を精一杯生きて欲しいと願うばかりですが、皆さまはどのように感じられたでしょうか!
以上、そんなクロアゲハとカラスアゲハの違い!幼虫の食べ物についての解説でした。
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