「渡り」をする生き物と言えば、ツバメやカモメなどの「渡り鳥」は知られていますが、昆虫である蝶の中にも渡りをする種がいる事をご存じですか?


特にアサギマダラは「旅をする蝶」として有名であり、大きくて美しい事から飼育してみたいと考える人は多いようです。


しかし、生態や解明されていない部分もあり謎の多い蝶である為、難しいようです。


今回は、アサギマダラの幼虫の飼育や餌・期間・脱皮・毒について解説したいと思います。

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目次

アサギマダラの幼虫を飼う!

アサギマダラは、チョウ目・タテハチョウ科・マダラチョウ亜科の蝶の一種で、鱗粉のない青白い模様をした羽がどこか神秘的なものを感じさせてくれます。


日本で発生したアサギマダラの成虫は、秋になると繁殖の為に日本本土から南西諸島、又は台湾へ渡る事が確認されており、その距離約2000kmにも及ぶ長距離を集団で移動することが分かっています。


逆に春から夏にかけて蛹から羽化した成虫が北上する為、年に2回渡りをする蝶としても有名ですが、移動する方角を確認する事や何故海を渡って旅をするのかは謎のままです。


その為、アサギマダラの飼育は難しいとされていますが、秋に産み付けられた卵が孵化して冬の間は2~3齢幼虫で越冬するため、この時期に飼育することは可能です。

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アサギマダラの幼虫の餌は?

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アサギマダラの成虫は、夏から秋にかけてフジバカマやヒヨドリバナ、又はアザミなどキク科植物の花に集まって吸蜜しています。


そして秋の産卵時期は常緑性蔓植物のキジョランやガガイモ、オオカモメズル、ホウテイカモメズルなどの葉の裏に卵を産み付けるため、幼虫の餌はそれらの葉が主食になります。


時期によって餌となる植物が変わるんですね。


特にキジョランは常緑植物である為、幼虫の間は十分な栄養を摂りながら越冬することができます。

飼育に必要なものは?

アサギマダラの幼虫を飼育する場合、新鮮なキジョランなどの植物があれば十分であり、アサギマダラの卵が産み付けられた植物を鉢植えにして網をかぶせておくだけでも飼育は可能です。


また、最近では渡りチョウのアサギマダラを幼虫から育てる飼育キットの販売もされており教材などとして好評である為、利用することも良いかもしれませんね!

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アサギマダラの幼虫の期間

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サギマダラの幼虫は、卵から羽化するまで約1ヵ月ほどかかり、孵化した直後から1齢幼虫→2齢幼虫→3齢幼虫→4齢幼虫→5齢幼虫を経てやっと前蛹になり、そのあと蛹になって羽化したあと飛び立ちます。


この期間に寄生バエや寄生バチに寄生された幼虫はそのまま死んでしまうため、産み付けられた卵が全て元気に羽化するとは限らないようです。


運よく成虫になってもその寿命は約4~5か月程であり、しかもほとんどが長旅で終わってしまう生涯になり、儚い運命とも言えます。


そんな限られた期間の中、渡りを繰り返すアサギマダラには、神秘的な中にもロマンを感じてしまうのは私だけでしょうか?

脱皮する?

アサギマダラの幼虫は孵化直後から1齢幼虫~5齢幼虫までを脱皮を繰り返して蛹になりますが、脱皮直後は殻を食べてから食草します。


そんな几帳面な性質もあり、自分の抜け殻を無駄にしないと言うところなどは感心しますよね。

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毒がある?

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アサギマダラは、謎が多く神秘的であり、飛ぶ姿もアゲハチョウのように小刻みに羽ばたくことはなく大きくゆったりと羽ばたくため、とても優雅に見えます。


しかし、幼虫が食べるガガイモ科植物はどれも毒性の強いアルカロイドをふくんでいる為、常食することで体内に毒を蓄える事になりますが、これで天敵から身を守っている事にもなります。


つまり、アサギマダラの幼虫や蛹、或いは成虫も全て鮮やかな体色をしている訳は「毒を持っているぞ」と言う警戒色でもあると言えますね


因みに、毒は人間が手で触っても無害ですので安心してくださいませ。


また、成虫のオスは腹部先端にフェロモンを分泌するヘアペンシル器官を持つ為、性ホルモン分泌の為のピロリジジンアルカロイドがふくまれるヒヨドリバナやフジバカマ、スナビキソウなどの花に多く集まります。


吸蜜する事で性ホルモンの分泌が盛んになったオスはメスにアプローチする・・・と言う事になります。

まとめ

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渡りをする生き物と言えば渡り鳥は有名なところですが、渡り蝶がいる事には驚いてしまいましたね。


しかも、その距離は2000kmと言われており、群れで海を渡る事もある為、旅をする蝶としても有名です。


主に春から夏にかけて南から北へ移動し、秋になると繁殖の為に南下する事から、幼虫の時期に越冬することになり、餌はガガイモやキジョランのような毒性のある葉を食草します。


その為、アサギマダラの体内には毒が蓄積される事から天敵から捕食されにくいとされています。


大きく優雅に飛ぶ事ができるのはそんな余裕から来ているのかもしれませんね。


以上、アサギマダラの幼虫の飼育!餌・期間・脱皮・毒についての解説でした。


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