動物や昆虫には、さまざまな名前があります。
ナマケモノ・・・なんて動物、こんな名前でいいの?って言いたくなりますね。
そんないろいろな生き物の中でも、「ヨナグニサン」はご存知ですか?
ヨナグニサンって産地?と思ってしまいますが、この名前、蛾の名前です。
なんだ、蛾か・・・・と思う方が多いと思いますが、とても私たちが知っている蛾とは思えないくらいきれいで大きいのがヨナグニサンです。
目次
ヨナグニサンの生息地
ヨナグニサン、とてもきれいな彩の蛾です。
ネットで写真や動画を確認いただければ、蛾に見えない理由がわかります。
ちなみにヨナグニサンは、日本では、沖縄の八重山諸島のみで生息している蛾です。
名前の由来は、その名の通り、与那国で発見された蛾だからです。
ヨナグニサンは、日本では沖縄に限定されますが、世界では、インドから東南アジア、中国、台湾などに分布しています。大きな蛾で、羽を広げたら30センチにもなる蝶です。
体長は、オスで4センチから5センチ、メスで5センチ以上と普通の蛾より大きいです。
ギリシアでは、その大きさからギリシア神話の巨人、アトラースにちなんでアトラス・モスと呼ばれています。
独特の赤褐色の中に黒い線の模様があり、大きさと色から近くにいたらすぐに分かるくらい存在感のある蛾です。
ヨナグニサンほど優美で大きくて、あでやかでまるで蝶のような蛾です。まさにギリシア神話になぞらえても十分なくらいの存在感なのです。
シンガポールのヨナグニサン♪
幼虫がでかい!
ヨナグニサンは、羽を伸ばしたら30センチにもなる蛾だとお話しましたが、幼虫はどうでしょう?
やはり大きいのでしょうか?
はい、ヨナグニサンの幼虫は、最大10センチまでなります。大きいですね。
卵から1週間~2週間で羽化してそれから、葉っぱを食べて大きくなりますが、蛹になるまで5回も脱皮をします。
まさに体が大きいと幼虫も大きい、ということですね。
さらに蛾になってからは、幼虫のときの養分で生きていくので、成体になってからの寿命は、1週間と短い一生です。
モスラのモデルになったってほんと?
モスラは、ご存知ですか?
ゴジラに出ている有名なキャラクターで「モスラーや、モスラー」という歌?呪文?は当時大人から子供まで浸透しました。
モスラがどんな怪獣なのかは、動画で確認していただきたいと思いますが、このモデルになったのがヨナグニサンといわれています。
モスラとヨナグニサン?意外な関係性ですね。
ちょっと身近に感じます。ぜひ検索して画像で比べていただけると、似ていることが分かります。
ただ、きれいな蛾なのですが、私たちは蛾・・・というだけで、いいイメージがないのが残念です。
標本の販売価格は?
ところで、ヨナグニサンは、その色や大きさから人気があります。
ただ、日本では、天然記念物なので飼育は許されていません。捕獲も許されていません。
しかし、海外に行くと、タイでは観光目的で飼育されていますし、インドでは絹糸目的で飼育されています。
日本とは事情がちょっと違いますね。
今の日本では、ヨナグニサンを手に入れるには、標本しかありません。
そのため、標本を集めている方が多いです。
標本もなかなか手に入るものではなく、流通は不安定です。
しかも、海外からも多く入ってくるものではないので、安い標本ではありません。
ネットオークションやアマゾン、フリマアプリで検索をしたら、標本も販売しているところがありますが、本当に数は限られます。
5000円以上での販売実績があります。
販売されている可能性は低いので、標本を欲しいときは、こまめにチェックすることをおすすめします。
本州で見ることができる?
ネットを見てみると、ヨナグニサンが本州に・・・なんて記事を見たりしますが、残念ながら、本州では見ることができません。
最大の理由は、ヨナグニサンは本州の冬を越すことができないからです。
さらに沖縄本島でもヨナグニサンを見ることはできません。
先に話しましたが、生息地は沖縄八重山諸島です。
分布地域でも、日本が一番の北限となっています。そう、八重山諸島より、北では見ることも生きることもできないのです。
まとめ
いかがでしたか?
蛾とは思えない、蝶のようなヨナグニサンです。
しかし、実際に見たら、その大きさにびっくりすることでしょう?
羽を広げて30センチある昆虫は、そんなにいません。
目立つカラーで30センチのヨナグニサン、かっこいいですね。
ただ、その存在感から私たち人間が捕獲して世界的に数が減ってきているのが、現状です。
世界からヨナグニサンがなくならないように、私たちは捕る側ではなく、守る側に行くべきですね。
よかったらこちらの記事をどうぞ♪
→アサギマダラの幼虫の飼育!餌・期間・脱皮・毒について解説