毎年、夏の終わり頃になると何処からともなく涼やかな虫の声が聞こえてきますが、こんな時は確実に夏が終わったと感じる瞬間です。

ところで皆さんは、虫の声を聞いてどの種類の虫が鳴いているか分かりますか?

童謡の歌詞の中にも様々な虫の鳴き声が登場してきますが、中には「ガチャガチャガチャガチャ」と鳴くクツワムシもいるとか・・・

しかし、クツワムシは本当にそんな鳴き声なのでしょうか?

風流さから考えるとかなりかけ離れた鳴き声にも思われますが、実際のところはどうなのでしょうね・・・気になるところです!

今回は、そんなクツワムシの飼育方法や餌、鳴き声について解説したいと思います。

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目次

生態は?どんな鳴き声?

クツワムシは、別名を「管巻き」とも呼ばれ、バッタ目・キリギリス科の昆虫であり、日本国有種で関東以南から九州まで分布しています。

夜行性であり開けた場所よりは林緑の下草に潜みクズの葉を好んで食べると言われています。

体長は5~6cm程でキリギリス科の昆虫の中では一番大きいですが、キリギリスよりは頭部が小さい事が特徴です。

鳴くのは主にオスで、その鳴き声は童謡の歌詞のような鳴き声とは少々違い工場現場を思わせるような鳴き声のようです。

しかもその煩さはセミレベルとも言われており、特に雄が集まると一斉に競い鳴きをする事から、静かな秋の夜長に虫の声に耳を傾けるなどと風流に浸かってる場合ではなさそうです。

因みに名前の由来は、鳴き声が馬に付ける「くつわ」の音に似ていた事からクツワムシとついたとされています。

入手方法や販売価格は?

かなり煩い鳴き声である為、声をたよりにすすきの根元などをかき分けると簡単に見つかるようです。

クツワムシは、鳴いている間は逃げる事をしない為、見つけたら素早く近づくことで簡単に捕獲することができます。

ただし、光に敏感である為、出来る事なら懐中電灯は使わない方が良いでしょう。

また、8月上旬~10月頃にネットでも販売されており、価格は500円~1000円前後で入手することが出来ますが、多くは雄がほとんどで雌は少ないようです。

その為、自分で採集する場合は、鳴くのは雄だけであり雌は長い産卵管を持っている事から区別がつきます。

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飼育方法や必要なものは?

クツワムシ 飼育



クツワムシの飼育は、多頭飼いの場合だと共食いや喧嘩を始めてしまい、更には競い合って鳴くため、前羽がボロボロの状態になり悲惨な姿となる事から単独飼いが理想的です。

また、キリギリス科の昆虫の中では一番大きい事からケースなどは広さのある大きめの物を用意します。

飼育する際に必要なものは以下のようなものになります。

・ケース

大きめの水槽かプラケースを用意して風通しの良い静かなところに設置します。

また、鳴き声がうるさい為、寝室に置くと不眠の原因にもなる事から気になる人は注意が必要です。

・土や植物

ケースの底に殺菌処理をした5cm程の土や赤玉を入れて、すすきやイネ科の植物を植えます。

特に脱皮をする際には足場作りに植物の茎や枝が必要です。

また、2~3日に1回のペースで霧吹きなどを行いましょう。

・水

エサから水分を摂取しているので特に水入れは不要ですが、2~3日に1回は乾燥しすぎない為にも霧吹きは必要です。

また、クツワムシは腐った餌や空気が悪くなると弱ってしまうため、清潔な環境を保つようにすることが大切です。

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具体的な餌や与える頻度は?

クツワムシは野生下では雑食性になり、植物や虫の死骸などを食べていますが、草食だけでも十分でありクズの葉やタンパク質を多く含むマメ科の植物を好んで食べるとされています。

その他には南瓜、ナス、りんごなども食べています。

飼育下では、ナスや南瓜、又はきゅうりなどにハチミツをかけ、その上に鈴虫用の餌をふりかけて与え、時々ミルワームや鰹節なども与えます。

また、ペットフードなども良く食べています。

クツワムシは、腐った餌や湿気が多すぎる環境に弱いとされている事から、食べ残したエサは早めに処分する必要があります。

その為、食べきれる分だけ与える事が大切であり、その頻度は3日に一度のペースで十分です。

平均的な寿命は?

最近では、マメ科やクズの葉などの植物が減少したことからクツワムシの数も激減しており昆虫の中でも珍しい種類になります。

また、身体の大きさに対して脚が細い体系の為、脱皮をするのも命がけであり細い脚で体重を支えられない事から落下事故などに繋がり死亡率や羽化不全などの確率が高くなるようです。

出現時期は毎年8月~10月までとされており、早い物では7月頃からの出現になり、最適な飼育環境の下では1月~2月まで鳴き声を聞かせてくれる場合もあるようです。

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飼育する際の注意点は?

クツワムシの鳴き声は大きい為、風流に虫の鳴き声に耳を傾けると言うような物ではなく、ただ煩いだけのようです。

また、夜行性である為、暗くなってから鳴き出すので寝室で飼育した場合は睡眠不足にもなる事から注意が必要です。

更に多頭飼いをした場合は雄同士が互いに競い鳴きをする為、大音量になる事から飼育する場合は単独飼いがおススメです。


クツワムシの鳴き声

まとめ

鳴く虫の仲間には様々な昆虫がおり、どの種類も夏の終わりを告げ秋の始まりを感じさせてくれるように風流な鳴き声を聞かせてくれます。

しかし、中にはクツワムシのように「ガシャガシャ・・・」と工事現場を思わせるような音を響き渡らせる昆虫もおり、秋の夜長、風流に虫の声に耳を澄ますなどとはとても言えないようです。

しかし、くずやマメ科の植物の減少によりクツワムシの数も激減しており、昆虫の中でも珍しい種類になっていることも確かなようです。

その為、年に一度、8月~10月までの短い期間ですが思う存分に大演奏をしてほしいと願いたい気持ちです。

以上、クツワムシの飼育方法や餌、鳴き声についての解説でした。

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